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悪役令嬢は愛妻なんです!
第22話 パワハラは解雇理由になりましてよ!!
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避難民の中から順々に、配偶者からの暴力から逃れる避難も順調に進んでいる頃、リコネル商会の花屋建設も順調に進んでいます。
花屋に欠かせない、キーパーと言われるショーウィンドウ、こちらは出来上がるまでに一ヶ月かかるとの事で、まだ店には入っていません。
更に欠かせないのが、気候が安定していても花が長持ちする様にと用意された大型の業務冷蔵庫。
この中に花を入れて保管することで、花が長持ちするのです。
まずは、長持ちしない花を入荷させないことで進めたい事業らしいのですが、問題として浮上したのが、やはり従業員問題のようで、リコネルは書類と睨めっこをしていらっしゃいます。
「リコネル、眉間に深いシワがついていますがどうしました?」
「あらいやだわ……ええ、実は店で働く人員についての問題が浮上していて、どうしたものかと頭を悩ませてますの」
「と、言うと?」
「モデルケースとなるように、リコネル園芸店の方も今梃入れ中なんですけど、既存の社員の方々の中に一人、横暴な方がいるみたいで……新人教育に向いてませんのよね」
「それは大きな問題ですね」
「声を荒げて教えれば覚える……なんて事はあってはならない事ですもの。それが通用しないお方のようで、生粋の職人と言えば聞こえは良いのですけど」
そう言って溜息を吐くリコネルに、私も眉を寄せて苦笑いが出てしまいました。
怒鳴りつければ覚える新人などいません。
何をどうしていいのか解らないから新人であって、それを噛み砕いて教えていくのも上に立つ者の仕事でもあります。
理想を言えば……ですが、何度も説明することが苦手な方なのでしょう。
「その所為で、新人で入った人員が二人も辞めてしまいましたの。これは由々しき問題ですわ」
「そうですね……視察にいきますか?」
「行きますわ」
こうして、リコネルと私は次の日連絡無しでの視察と言う事で、リコネル園芸店へと向かいました。
園芸店とはいえ、ここでは花卸の場でもあります。
幾つかの部署に分かれ、我が領主の館に花を納めるのもリコネル商会の園芸店が担っているのです。リコネルが園芸店を買い取った際に、幾つかの部門が作られました。
貴族部門、冠婚葬祭部門、一般部門、この三つです。
貴族部門は礼儀礼節が出来ている元々ベアルさんの園芸店の際、勤めていた方々が担当しています。
今回問題を起こしているのは、そこからあぶれた冠婚葬祭部門に配属された方なのだとか。
冠婚葬祭部門の多くは、葬儀に使う花の栽培が主なのですが、そこで一体何が起きているというのでしょうか?
「これはリコネル会長様にジュリアス様!」
「急な視察でごめんなさいね。少々気になることがあって寄ってみましたの」
「あぁ……彼の事ですね」
ベアルさんも理解しているようで、彼と呼ばれた人員に頭を悩ませているのは解りました。
聞けば、元々気位が高い男性のようで、冠婚葬祭部門に選ばれたことが癪だと喚いているのだとか。
「仕事を辞めるか、冠婚葬祭部門で新人育成をするかで話し合いを何度も行い、新人育成になったのですが……」
「元々気位の高い方に人の育成など出来るはずが御座いませんわ」
「仰るとおりで……」
そう話していると、遠くから罵声が響き渡ってまいりました。
どうやら件の男性が怒鳴り散らしているようですね。
溜息を吐くベアルさん、そして声のするほうへとヒールを鳴らして素早く歩いていくリコネルに、私は慌ててリコネルの後を追いました。
罵声は今も続いていて、女性の何度も謝罪する声が聴こえてきます。
「何度も教えただろうが!! 一発で覚えられないなら辞めちまえ!!」
「申し訳ありません!」
「この愚図が!!」
「申し訳ありません!!」
「テメェなんぞ、何処で働いても一緒だ!!」
「申し訳ありません!」
涙を流しながら謝罪する女性に対してなんと言う横暴。
思わず声を上げようかとしたその時――。
「まぁ、随分と口汚い教育ですわね? 教育者から外れては如何?」
「なんだと!?……リコネル様」
リコネルの登場に、男は姿勢を正し笑顔を見せました。先ほどの怒鳴り散らしていた姿からは想像も付きません。
「お見苦しいところをお見せしました」
「いえいえ、今更取り繕っても同じですわよ? ハーベルさん、あなたの日々の出来事は既に此方に届いておりますもの」
「ベアル様はお喋りですねぇ」
「ええ、とても良い口をしてらっしゃいますわ」
リコネルの笑顔とハーベルの偽りの笑顔、そして行き場所を失った女性に対し私が手招きすると、彼女は一度礼をして急ぎ私達の元へと駆け寄りました。
「ハーベルが新人教育に向いていない事は良くわかりましたわ」
「では、冠婚葬祭部門から貴族部門への移動は?」
「しませんわ」
「何故です、私なら礼儀正しくきっちりと「偽りの礼儀など、貴族の前では役に立ちませんことよ」これはお厳しい」
「それに、女性へ対するパワーハラスメントですわよね? わたくしの商会が買い取った時に、パワハラは禁止事項、処罰対象にすると書いてあったはずですわ」
「はて? ありましたかな?」
「それを同意してサインをした方のみ残ったはず。あなたは契約書をお読みにならなかったようですわね」
「注意事項が多すぎては読めませんよ」
「では話が早いですわ、あなた、クビですわ」
ニッコリと微笑んでの解雇解除宣言に、ハーベルは慌てて「いやいや」と声を上げました。
待ってくれと言うハーベルに対し、リコネルは首を横に振り、呆れた様子で彼を見つめます。
「新しい斡旋先も用意できないようなお方ですもの、是非此処を辞めてからお仕事をお探しになって」
「そんな横暴な!」
「今まで横暴な態度でパワハラをしてきた貴方にはお似合いですことよ。話は以上ですわ。ベアル、いらっしゃるかしら」
トントン拍子で解雇が進む中、慌てて弁解するハーベルにベアルさんからも厳しい言葉が飛びます。
散々注意しても直さなかったこと、そして規約をちゃんと読めと何度も忠告していたこと。
それを無視して今まで来たのですから仕方ありませんね。
「契約の解除は速やかに行ってくださる? 我が商会に泥を塗る様な方はいりませんわ」
「全くです」
「待ってください! 解雇されたらボーナスが!!」
「ボーナスなんて貴方には関係ありませんことよ、商会の人間ではなくなるのですから」
「どうか解雇だけは!」
「無理ですわね」
「あろうことか、会長に対しての態度も問題ありです。速やかにリコネル園芸店から出て行きなさい。これまでの給料は後に貴方の奥さんにお渡しします」
「待ってくれ!! 頼む、頼むぅぅ!!」
リコネルに縋りつこうとしたハーベルの前に私が立つと、ハーベルは「領主様っ!」と驚いた様子で伸ばしていた手を止めました。
「……貴方のような領民がいることが、悲しいですし、恥ずかしいですよ」
「!」
「既に解雇処分されています。次の職をお探しなさい」
領主の言葉は重いもので、この一言でハーベルはその場で解雇処分となり、またリコネル園芸店からトボトボと出て行かれました。
これまで静観していた件の女性は涙をポロポロと落としながらお礼を口にし、今後冠婚葬祭部門には新たな教育者を入れることで話は纏まりました。
管理職でどうにもならない問題は、上が動かねば事は進みません。
それは国にとっても言えることで、民の力でどうにもならない事は国のトップである国王が動かねばならないのです。
それを、まざまざと見せ付けられた出来事でした。
帰りの馬車の中、そんな話をリコネルとしていると、リコネルも私の言葉に同意して溜息を吐きました。
「頭の痛い問題ですわね……柔軟な考えで動かねばなりませんのに」
「ええ、ですが今回の様な事はリコネル商会ではよくあったことなのでしょうか?」
「最初の頃こそありましたわ。何度わたくしが赴いたか解らないくらいに。王都では本当に店を持つことが大変だったと改めて思い出されますわ。例えばアホ王子からの嫌がらせとか」
その言葉と同時に私を射抜く瞳。
思わず汗が吹き出そうになるのを何とか押えましたが――。
「ジュリアス様、ありがとうございますわ。わたくしの商会を守って下さって」
「何のことです?」
「フフッ 絶対口に為さらないと思いましたもの。けれど、わたくしを守って下さる、わたくしの商会を、そして働いている人を守って下さってありがとうございますジュリアス様」
どうやら、店に嫌がらせが起きていた事を既に知っていたようです。
そして迅速にその処理に私が動いていた事も。
「あなたには全てがお見通しなのでしょうか?」
「まさか、全てが見えていては楽しめませんわ」
クスクス笑うリコネルにホッと安堵しつつも、屋敷に帰りその夜は燃え上がった日の出来事でした。
花屋に欠かせない、キーパーと言われるショーウィンドウ、こちらは出来上がるまでに一ヶ月かかるとの事で、まだ店には入っていません。
更に欠かせないのが、気候が安定していても花が長持ちする様にと用意された大型の業務冷蔵庫。
この中に花を入れて保管することで、花が長持ちするのです。
まずは、長持ちしない花を入荷させないことで進めたい事業らしいのですが、問題として浮上したのが、やはり従業員問題のようで、リコネルは書類と睨めっこをしていらっしゃいます。
「リコネル、眉間に深いシワがついていますがどうしました?」
「あらいやだわ……ええ、実は店で働く人員についての問題が浮上していて、どうしたものかと頭を悩ませてますの」
「と、言うと?」
「モデルケースとなるように、リコネル園芸店の方も今梃入れ中なんですけど、既存の社員の方々の中に一人、横暴な方がいるみたいで……新人教育に向いてませんのよね」
「それは大きな問題ですね」
「声を荒げて教えれば覚える……なんて事はあってはならない事ですもの。それが通用しないお方のようで、生粋の職人と言えば聞こえは良いのですけど」
そう言って溜息を吐くリコネルに、私も眉を寄せて苦笑いが出てしまいました。
怒鳴りつければ覚える新人などいません。
何をどうしていいのか解らないから新人であって、それを噛み砕いて教えていくのも上に立つ者の仕事でもあります。
理想を言えば……ですが、何度も説明することが苦手な方なのでしょう。
「その所為で、新人で入った人員が二人も辞めてしまいましたの。これは由々しき問題ですわ」
「そうですね……視察にいきますか?」
「行きますわ」
こうして、リコネルと私は次の日連絡無しでの視察と言う事で、リコネル園芸店へと向かいました。
園芸店とはいえ、ここでは花卸の場でもあります。
幾つかの部署に分かれ、我が領主の館に花を納めるのもリコネル商会の園芸店が担っているのです。リコネルが園芸店を買い取った際に、幾つかの部門が作られました。
貴族部門、冠婚葬祭部門、一般部門、この三つです。
貴族部門は礼儀礼節が出来ている元々ベアルさんの園芸店の際、勤めていた方々が担当しています。
今回問題を起こしているのは、そこからあぶれた冠婚葬祭部門に配属された方なのだとか。
冠婚葬祭部門の多くは、葬儀に使う花の栽培が主なのですが、そこで一体何が起きているというのでしょうか?
「これはリコネル会長様にジュリアス様!」
「急な視察でごめんなさいね。少々気になることがあって寄ってみましたの」
「あぁ……彼の事ですね」
ベアルさんも理解しているようで、彼と呼ばれた人員に頭を悩ませているのは解りました。
聞けば、元々気位が高い男性のようで、冠婚葬祭部門に選ばれたことが癪だと喚いているのだとか。
「仕事を辞めるか、冠婚葬祭部門で新人育成をするかで話し合いを何度も行い、新人育成になったのですが……」
「元々気位の高い方に人の育成など出来るはずが御座いませんわ」
「仰るとおりで……」
そう話していると、遠くから罵声が響き渡ってまいりました。
どうやら件の男性が怒鳴り散らしているようですね。
溜息を吐くベアルさん、そして声のするほうへとヒールを鳴らして素早く歩いていくリコネルに、私は慌ててリコネルの後を追いました。
罵声は今も続いていて、女性の何度も謝罪する声が聴こえてきます。
「何度も教えただろうが!! 一発で覚えられないなら辞めちまえ!!」
「申し訳ありません!」
「この愚図が!!」
「申し訳ありません!!」
「テメェなんぞ、何処で働いても一緒だ!!」
「申し訳ありません!」
涙を流しながら謝罪する女性に対してなんと言う横暴。
思わず声を上げようかとしたその時――。
「まぁ、随分と口汚い教育ですわね? 教育者から外れては如何?」
「なんだと!?……リコネル様」
リコネルの登場に、男は姿勢を正し笑顔を見せました。先ほどの怒鳴り散らしていた姿からは想像も付きません。
「お見苦しいところをお見せしました」
「いえいえ、今更取り繕っても同じですわよ? ハーベルさん、あなたの日々の出来事は既に此方に届いておりますもの」
「ベアル様はお喋りですねぇ」
「ええ、とても良い口をしてらっしゃいますわ」
リコネルの笑顔とハーベルの偽りの笑顔、そして行き場所を失った女性に対し私が手招きすると、彼女は一度礼をして急ぎ私達の元へと駆け寄りました。
「ハーベルが新人教育に向いていない事は良くわかりましたわ」
「では、冠婚葬祭部門から貴族部門への移動は?」
「しませんわ」
「何故です、私なら礼儀正しくきっちりと「偽りの礼儀など、貴族の前では役に立ちませんことよ」これはお厳しい」
「それに、女性へ対するパワーハラスメントですわよね? わたくしの商会が買い取った時に、パワハラは禁止事項、処罰対象にすると書いてあったはずですわ」
「はて? ありましたかな?」
「それを同意してサインをした方のみ残ったはず。あなたは契約書をお読みにならなかったようですわね」
「注意事項が多すぎては読めませんよ」
「では話が早いですわ、あなた、クビですわ」
ニッコリと微笑んでの解雇解除宣言に、ハーベルは慌てて「いやいや」と声を上げました。
待ってくれと言うハーベルに対し、リコネルは首を横に振り、呆れた様子で彼を見つめます。
「新しい斡旋先も用意できないようなお方ですもの、是非此処を辞めてからお仕事をお探しになって」
「そんな横暴な!」
「今まで横暴な態度でパワハラをしてきた貴方にはお似合いですことよ。話は以上ですわ。ベアル、いらっしゃるかしら」
トントン拍子で解雇が進む中、慌てて弁解するハーベルにベアルさんからも厳しい言葉が飛びます。
散々注意しても直さなかったこと、そして規約をちゃんと読めと何度も忠告していたこと。
それを無視して今まで来たのですから仕方ありませんね。
「契約の解除は速やかに行ってくださる? 我が商会に泥を塗る様な方はいりませんわ」
「全くです」
「待ってください! 解雇されたらボーナスが!!」
「ボーナスなんて貴方には関係ありませんことよ、商会の人間ではなくなるのですから」
「どうか解雇だけは!」
「無理ですわね」
「あろうことか、会長に対しての態度も問題ありです。速やかにリコネル園芸店から出て行きなさい。これまでの給料は後に貴方の奥さんにお渡しします」
「待ってくれ!! 頼む、頼むぅぅ!!」
リコネルに縋りつこうとしたハーベルの前に私が立つと、ハーベルは「領主様っ!」と驚いた様子で伸ばしていた手を止めました。
「……貴方のような領民がいることが、悲しいですし、恥ずかしいですよ」
「!」
「既に解雇処分されています。次の職をお探しなさい」
領主の言葉は重いもので、この一言でハーベルはその場で解雇処分となり、またリコネル園芸店からトボトボと出て行かれました。
これまで静観していた件の女性は涙をポロポロと落としながらお礼を口にし、今後冠婚葬祭部門には新たな教育者を入れることで話は纏まりました。
管理職でどうにもならない問題は、上が動かねば事は進みません。
それは国にとっても言えることで、民の力でどうにもならない事は国のトップである国王が動かねばならないのです。
それを、まざまざと見せ付けられた出来事でした。
帰りの馬車の中、そんな話をリコネルとしていると、リコネルも私の言葉に同意して溜息を吐きました。
「頭の痛い問題ですわね……柔軟な考えで動かねばなりませんのに」
「ええ、ですが今回の様な事はリコネル商会ではよくあったことなのでしょうか?」
「最初の頃こそありましたわ。何度わたくしが赴いたか解らないくらいに。王都では本当に店を持つことが大変だったと改めて思い出されますわ。例えばアホ王子からの嫌がらせとか」
その言葉と同時に私を射抜く瞳。
思わず汗が吹き出そうになるのを何とか押えましたが――。
「ジュリアス様、ありがとうございますわ。わたくしの商会を守って下さって」
「何のことです?」
「フフッ 絶対口に為さらないと思いましたもの。けれど、わたくしを守って下さる、わたくしの商会を、そして働いている人を守って下さってありがとうございますジュリアス様」
どうやら、店に嫌がらせが起きていた事を既に知っていたようです。
そして迅速にその処理に私が動いていた事も。
「あなたには全てがお見通しなのでしょうか?」
「まさか、全てが見えていては楽しめませんわ」
クスクス笑うリコネルにホッと安堵しつつも、屋敷に帰りその夜は燃え上がった日の出来事でした。
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