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第四章 これからも世紀末覇者で心乙女な君と一緒に!
第60話 モコリーヌ、思わぬ人物との出会い、旅となる!
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――モコリーヌside――
馬を使い半年かけてたどり着いた【ネバリ王国】で依頼を達成し、その足で砂漠の国のシュノベザール王国へと入る。
一神教であったテリサバース協会の暴走で、当時【賢王】と名高い【シュライ国王】が、親しかった神々の国に亡命した話はとても有名で、このシュノベザール王国にはその神々の島から来る【神なる者】に稀に会う事があるらしい。
【神なる者】と呼ばれるのは、神々の島からお越しになる【アツシ・ジュノリス国王】と呼ばれる方で、遊び感覚でお越しになるのだとか。
神出鬼没の【アツシ・ジュノリス国王】は、とても豪快かつ愉快な方だと聞いている。
いい男なら大歓迎だわ♡
そんな事を思いつつ、皆へのお土産を購入している時だった。
「あら、この国には獣人が多いのね」
「ああ、暑さに強い獣人さん達だけどね、彼らは神々の国からやってきた有難い人たちだよ」
「私も初めて見たわ……」
当たり前のように獣人達が歩き、平和そのもののシュノベザール王国。
暑さを凌ぐために賢王が御作りになったという『かき氷』などを食べつつ、更にドライフルーツも沢山購入した。
更にこの国ならではという燻製や生地も購入し、魔物のいない国としても有名なこのエリアが如何に平和なのかを理解する。
そんな時だった。
「お隣ご一緒しても?」
「ええ、構わないわ……え?」
暑さのあまり、かき氷を再度食べていると――カズマによく似た男性が笑顔で隣でかき氷を注文していた。
後ろには護衛だろうか、数名強そうなオーラを放つ者たちがついている。
「あらあら、まぁまぁ、もしかして、アツシ・ジュノリス国王かしら?」
「如何にも。貴方はここら辺では見ない人だね」
「ええ、冒険者でネバリ王国まで用事があったからついでに神々の島に行けたらと思ったんだけど、暫く船は出ないんですって。でも、ジュノリス王に会えたのなら自慢が出来るわ! それにしても……」
「ん?」
「貴方、私の国にいる、ああ、私の国はムギーラ王国っていうんだけど、そこの王の相談役である、カズマにソックリね」
「カズマ……もしかして、今20代くらいの男性じゃないかな?」
「ええ、そうよ」
――何故知っているのかしら?
これも神々の力?
そんな事を考えつつかき氷を食べていると……彼はアイテムボックスから紙を取り出し、見た事も無い文字を書き始めた。
そして、最後に自分の名前を書いたのだろう、それを私に手渡すと――。
「連絡アイテムを持っているだろう? 直ぐにそのカズマに届けて欲しい」
「い、良いけど」
「頼む」
必死に頼んで頭まで下げたジュノリス王に慌てつつ、私は遠隔用の魔導具と取り出してカズマ宛に手紙を送る。
暫くするとカズマから返事が来て、それにも見たことのない文字が書かれていて、それをジュノリス王に手渡すと――。
「……君はムギーラ王国から来た冒険者だと言ったな?」
「ええそうよ。カズマは世界第一位の冒険者ギルド【レディー・マッスル】のリーダーであるマリリンと結婚していて、もう直ぐ子供も生まれるわ」
「そうか、そうか……。俺もシュライを連れてムギーラ王国に行こう!!」
「嘘でしょ!?」
「君も乗って行くといい!!」
「ええええ!?」
「ああ、買い物があるだろうから明日、明日の朝出発しよう。俺達も用意を済ませてくる!!」
「ちょっと!」
「明朝シュノベザール城の前で待っていてくれ! えーっと名前は」
「モコリーヌよ」
「ああ、モコリーヌまたな!!」
そう言うと慌ただしくかき氷を手に走っていったジュノリス王。
一体何がどうなっているのかカズマに手紙を書くと、「どうやら知り合いだったようでして」と返事が来て「神々の王と知り合いってどういう事よ!!」と雄叫びを上げた。
でも、のんびりもしてられないわ。
急いで買えるものは買って、観光もしないと!!
サトウキビのお砂糖なんてあるのね。これも買いましょう。
はちみつもこの地域原産なのね。これも買いだわ。
後は一夜干し!!
と、私は急いで買いものを済ませ、宿に泊まって体を清めてから眠りにつき、翌朝の明朝、私はシュノベザール城の前にいた。
――本当に来るのかしら?
そんな思いもあったけれど、まずは待つしかない。
すると護衛を引きつれたジュノリス王と褐色の肌のこちらの国の人と思われる王族のターバンをつけた二人がやってきた。
「お初にお目に掛かります。俺はアツシ様の右腕として働いている、この国の元王であるシュライです」
「シュライ……元国王陛下……」
――賢王と名高いシュライ王じゃないの!!!
そう叫ばなかった私を誰か褒めて欲しいわ。
喉迄出そうになった言葉を飲み込むと、ジュノリス王と共に砂漠を移動する馬車に乗りまずはネバリ王国まで向かう。
ここからなら馬で移動できるからだわ。
でも、馬は借りるのかしら?
――そう思っていると、バンッという音と共に見た事も無い箱を出したの。
ええ、ジュノリス王が。
「これ、キャンピングカーっていうんだけど、此れに乗って行くから馬より早いぞ」
「きゃんぴんぐ、かー?」
「乗り心地は保証します。途中宝石の国ダイヤ王国で【ユリ】という女性も連れて行きますので」
「えーっと」
「ふふ、まぁ、ちょっとカズマさんにお願いしたいことがあってですね」
内容は秘密です。
そう言われると流石に私が彼是聞ける問題じゃないわね。
ふう……と溜息を吐くと、私はその『きゃんぴんぐかー』なるものに入り、中が小部屋になっているのに驚きつつ、机と椅子がある場所にシュライ様と一緒に乗った。
「ま、積もる話もあるだろうけど、朝飯と甘い物と飲み物でも置いとくから、食べながら行こうぜ。俺達の護衛にはモコリーヌと言う冒険者と」
『ニノッチ ガ イッショニ イクヨー』
と、どこから声がするのかと思ったらジュノリス王の頭に小さいスライム?
なんか、このスライム凄く怖いんだけど!!
「レジェンドスライムのニノッチだ」
「レジェンドスライム……って、嘘でしょ……」
「途中ユリが乗ってくるが、驚かないでくれよな!」
そう言うとキャンピングカーは動き出し、ジュノリス王から袋を手渡されたシュライは机に何かの液体の入ったものと、袋に入った何かを沢山出してくれた。
「腹が減っては戦は出来ませんし長距離旅行も出来ませんので!」
「え、ええ……そうね」
「あ、後でユリさんに手紙を書かないと……」
「そのユリって子は一体……」
「宝石の国ダイヤで『ガーネット店』を営むオーナーのお嫁さんですね」
「はぁ……」
「俺達と繋がりがあるんです。ええ、カズマ君ともね」
そう言って嬉しそうに微笑んだシュライ元国王に小さく頷きつつ、私はこの世のモノとは思えない美味しい食事を食べつつ、これまた美味しい飲み物を飲みながら、夢心地でムギーラ王国へと旅立ったのだった……。
馬を使い半年かけてたどり着いた【ネバリ王国】で依頼を達成し、その足で砂漠の国のシュノベザール王国へと入る。
一神教であったテリサバース協会の暴走で、当時【賢王】と名高い【シュライ国王】が、親しかった神々の国に亡命した話はとても有名で、このシュノベザール王国にはその神々の島から来る【神なる者】に稀に会う事があるらしい。
【神なる者】と呼ばれるのは、神々の島からお越しになる【アツシ・ジュノリス国王】と呼ばれる方で、遊び感覚でお越しになるのだとか。
神出鬼没の【アツシ・ジュノリス国王】は、とても豪快かつ愉快な方だと聞いている。
いい男なら大歓迎だわ♡
そんな事を思いつつ、皆へのお土産を購入している時だった。
「あら、この国には獣人が多いのね」
「ああ、暑さに強い獣人さん達だけどね、彼らは神々の国からやってきた有難い人たちだよ」
「私も初めて見たわ……」
当たり前のように獣人達が歩き、平和そのもののシュノベザール王国。
暑さを凌ぐために賢王が御作りになったという『かき氷』などを食べつつ、更にドライフルーツも沢山購入した。
更にこの国ならではという燻製や生地も購入し、魔物のいない国としても有名なこのエリアが如何に平和なのかを理解する。
そんな時だった。
「お隣ご一緒しても?」
「ええ、構わないわ……え?」
暑さのあまり、かき氷を再度食べていると――カズマによく似た男性が笑顔で隣でかき氷を注文していた。
後ろには護衛だろうか、数名強そうなオーラを放つ者たちがついている。
「あらあら、まぁまぁ、もしかして、アツシ・ジュノリス国王かしら?」
「如何にも。貴方はここら辺では見ない人だね」
「ええ、冒険者でネバリ王国まで用事があったからついでに神々の島に行けたらと思ったんだけど、暫く船は出ないんですって。でも、ジュノリス王に会えたのなら自慢が出来るわ! それにしても……」
「ん?」
「貴方、私の国にいる、ああ、私の国はムギーラ王国っていうんだけど、そこの王の相談役である、カズマにソックリね」
「カズマ……もしかして、今20代くらいの男性じゃないかな?」
「ええ、そうよ」
――何故知っているのかしら?
これも神々の力?
そんな事を考えつつかき氷を食べていると……彼はアイテムボックスから紙を取り出し、見た事も無い文字を書き始めた。
そして、最後に自分の名前を書いたのだろう、それを私に手渡すと――。
「連絡アイテムを持っているだろう? 直ぐにそのカズマに届けて欲しい」
「い、良いけど」
「頼む」
必死に頼んで頭まで下げたジュノリス王に慌てつつ、私は遠隔用の魔導具と取り出してカズマ宛に手紙を送る。
暫くするとカズマから返事が来て、それにも見たことのない文字が書かれていて、それをジュノリス王に手渡すと――。
「……君はムギーラ王国から来た冒険者だと言ったな?」
「ええそうよ。カズマは世界第一位の冒険者ギルド【レディー・マッスル】のリーダーであるマリリンと結婚していて、もう直ぐ子供も生まれるわ」
「そうか、そうか……。俺もシュライを連れてムギーラ王国に行こう!!」
「嘘でしょ!?」
「君も乗って行くといい!!」
「ええええ!?」
「ああ、買い物があるだろうから明日、明日の朝出発しよう。俺達も用意を済ませてくる!!」
「ちょっと!」
「明朝シュノベザール城の前で待っていてくれ! えーっと名前は」
「モコリーヌよ」
「ああ、モコリーヌまたな!!」
そう言うと慌ただしくかき氷を手に走っていったジュノリス王。
一体何がどうなっているのかカズマに手紙を書くと、「どうやら知り合いだったようでして」と返事が来て「神々の王と知り合いってどういう事よ!!」と雄叫びを上げた。
でも、のんびりもしてられないわ。
急いで買えるものは買って、観光もしないと!!
サトウキビのお砂糖なんてあるのね。これも買いましょう。
はちみつもこの地域原産なのね。これも買いだわ。
後は一夜干し!!
と、私は急いで買いものを済ませ、宿に泊まって体を清めてから眠りにつき、翌朝の明朝、私はシュノベザール城の前にいた。
――本当に来るのかしら?
そんな思いもあったけれど、まずは待つしかない。
すると護衛を引きつれたジュノリス王と褐色の肌のこちらの国の人と思われる王族のターバンをつけた二人がやってきた。
「お初にお目に掛かります。俺はアツシ様の右腕として働いている、この国の元王であるシュライです」
「シュライ……元国王陛下……」
――賢王と名高いシュライ王じゃないの!!!
そう叫ばなかった私を誰か褒めて欲しいわ。
喉迄出そうになった言葉を飲み込むと、ジュノリス王と共に砂漠を移動する馬車に乗りまずはネバリ王国まで向かう。
ここからなら馬で移動できるからだわ。
でも、馬は借りるのかしら?
――そう思っていると、バンッという音と共に見た事も無い箱を出したの。
ええ、ジュノリス王が。
「これ、キャンピングカーっていうんだけど、此れに乗って行くから馬より早いぞ」
「きゃんぴんぐ、かー?」
「乗り心地は保証します。途中宝石の国ダイヤ王国で【ユリ】という女性も連れて行きますので」
「えーっと」
「ふふ、まぁ、ちょっとカズマさんにお願いしたいことがあってですね」
内容は秘密です。
そう言われると流石に私が彼是聞ける問題じゃないわね。
ふう……と溜息を吐くと、私はその『きゃんぴんぐかー』なるものに入り、中が小部屋になっているのに驚きつつ、机と椅子がある場所にシュライ様と一緒に乗った。
「ま、積もる話もあるだろうけど、朝飯と甘い物と飲み物でも置いとくから、食べながら行こうぜ。俺達の護衛にはモコリーヌと言う冒険者と」
『ニノッチ ガ イッショニ イクヨー』
と、どこから声がするのかと思ったらジュノリス王の頭に小さいスライム?
なんか、このスライム凄く怖いんだけど!!
「レジェンドスライムのニノッチだ」
「レジェンドスライム……って、嘘でしょ……」
「途中ユリが乗ってくるが、驚かないでくれよな!」
そう言うとキャンピングカーは動き出し、ジュノリス王から袋を手渡されたシュライは机に何かの液体の入ったものと、袋に入った何かを沢山出してくれた。
「腹が減っては戦は出来ませんし長距離旅行も出来ませんので!」
「え、ええ……そうね」
「あ、後でユリさんに手紙を書かないと……」
「そのユリって子は一体……」
「宝石の国ダイヤで『ガーネット店』を営むオーナーのお嫁さんですね」
「はぁ……」
「俺達と繋がりがあるんです。ええ、カズマ君ともね」
そう言って嬉しそうに微笑んだシュライ元国王に小さく頷きつつ、私はこの世のモノとは思えない美味しい食事を食べつつ、これまた美味しい飲み物を飲みながら、夢心地でムギーラ王国へと旅立ったのだった……。
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