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第四章 これからも世紀末覇者で心乙女な君と一緒に!
第58話 カズマの気がかり
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それからの日常はと言うと、マリリンも適度な運動を心掛けつつ、【レディー・マッスル】のギルドマスターと言う事もあり、提携した【ドッスコイ】を始めとする【ミセス・マッチョス】の面々との会談も行った。
「この度は問題を抱えていたにも関わらず、提携して頂けた事、感謝しておりますわ」
「うむ、モコリーヌ久しぶりだな。今後ともよろしく頼む」
「あらあら、マリリンってば噂では聞いていたけれど本当に綺麗になったのねぇ」
「夫のお陰だな!! それに腹に愛しい我が子が居ると言うのも幸せ物質がでてイイ感じになっているんだろう!」
「んま! 男であるアタシへの当てつけかしら!!」
と、盛り上がっている。
なんでもモコリーヌとは同期で、仲がいいと言うよりは昔は仲が悪かったそうだ。
だが、マリリンがSランク冒険者になるのが早かった事と、【レディー・マッスル】の功績を考えれば、見た目はアレでも出来る女なのだとモコリーヌは思ったらしく、今は友達感覚、でも尊敬はしている……と言う感じらしい。
「しかし、悪評を止めると言うのも大変だな。ティティリーが全て悪いとは言え、モコリーヌが確認を怠ったというのも問題がある。そこは理解しているな?」
「ええ、お姉さま方には迷惑をお掛けしますわ……。そしてとても反省しております」
マリリン同様、ミセス・マッチョスの面々は冒険者としても先輩。
モコリーヌは深々と頭を下げていた。
その後ティティリーはどこぞの国へ消えたのかは知らないが、もうムギーラ王国にはいないのだと聞き、彼女も考えを改めていればこんな悲惨な事には成らなかっただろうにとは思う。
「しかし、同じ冒険者なのに、何故冒険者は捨て駒なんて考えになったのでしょう?」
「レディー・マッスルの前の世界第一位のギルドが、その考えだったのよ」
「そうなのかい? マリリン」
「ああ、とても見ていられなくてな。それで私は有り余る力と体力と運の良さでSランクまで駆け上がり、ギルドを立ち上げて抗争となったのだ」
「こ、抗争!?」
穏やかではない言葉に思わず驚いていると、なんでも闇討ち等は当たり前にあったらしい。
そこでマリリンとジャック、マイケルが世界第一の当時のギルドに殴り込みをし、リーダー及び副リーダーを、武器を使わず、拳で、ボッコボコにして首を片手で掴み、10階の窓から外に放り出してやったそうだ。
雄叫びを上げて色々な物を垂れ流しながら落ちて行く当時の世界第一位ギルドマスターと副ギルドマスター。
地面に叩きつけられれば無論生きてはいなかっただろう。
だが、彼らが落ち切る寸前にマリリンたちは同じ10階から飛び降り、重さで先に地面に到着すると、地面寸での所でそのギルドマスターと副リーダーを助け、諸々恐怖で失神させたのだと言う。
ちなみにマリリン達は言う迄もなく無傷だったそうだ。
――無論ギルド同士の抗争はご法度。
マリリン達も色々と制約は付けられたし罰も受けたらしいが、それにより元世界第一位のギルドは転落し、マリリンがリーダーの【レディー・マッスル】が世界第一位ギルドに成り代わったのだと言う。
「我の柔肌に傷一つ付けれぬ男など……ハッ! 笑いが出るな!」
「つまり、この旦那様は傷をつける事が出来たという事なの!?」
「ああ、我の心に突き刺さる程の威力があった……」
「あなた……ゴクリ…強いのね♡」
「ははは! 我の夫だぞ! 良いだろう、羨ましいだろう!!」
「キイイイイイイイイ!!」
敢えて言おう。
僕はマリリンに攻撃したことは一度もないし傷つけたことも無いと思う。
だが、マリリンの中では僕はかなり体を貫通してきたそうなので、一体どういう意味で貫通したのかは分からないが、敢えて聞かないでおこうと思う。
「その元世界第一位のギルドはその後どうなったんです?」
「現地解散だったな」
「大半はうちに入ったが、殆どは海を渡って消えたり、大陸中に消えていったな」
「世界は広いからなぁ……。砂漠の国のシュノベザール王国も有名だし、鉄の国サカマル帝国も発展したってきいたな」
「砂漠の国のシュノベザール王国は特にすごいぞ! 神々の島と行き来できるらしい」
ファンタジー……。
思わず口から出そうになったが、マリリンはキラキラした瞳で「神々の島だぞ!」と嬉しそうにしている。
それなら、何時か神々の島に行ってみても良いかもしれない。
だが、もし本当に神々の国があるとしたら、一度だけ神様に聞いてみたい。
――母の弟である、中園アツシ叔父さんの遺体が未だに見つからないのは何故なのか……と。
高校の歴史教師だったアツシ叔父さんは、修学旅行中バスが事故に遭い、生徒数名と一緒に遺体すら見つからなかった。
まるでそれは、【神隠し】に遭ったかのようだと、誰もが口にしていたそうだ。
まぁ、こちらの神に聞いたところで、解る訳はないか。
「神々の島には行ってみたいけど、マリリンはまだ妊娠中だし、出産したからと言って直ぐ動けるものではないからね」
「むう、そうだな……。それに随分と離れている。行くのは無理か」
顎を擦りながら溜息を吐いたマリリンに、彼女の足でも遠いという位だから相当だろうと思いつつ、どうやら行く事は無さそうだ。
そんな事を他所で思いつつ話が三つのギルドで話が盛り上がって翌月。
――なんと砂漠の国のシュノベザール王国近くまでの依頼が舞い込み、「ついでに神々の国にいってくるわーん♡」とモコリーヌは言って旅立っていった。
行きと帰りで一年は掛かるらしいが……元気に頑張って貰いたい!
そう思っていたのだが、我が子が生まれて半月後、事態は一変するのである。
「この度は問題を抱えていたにも関わらず、提携して頂けた事、感謝しておりますわ」
「うむ、モコリーヌ久しぶりだな。今後ともよろしく頼む」
「あらあら、マリリンってば噂では聞いていたけれど本当に綺麗になったのねぇ」
「夫のお陰だな!! それに腹に愛しい我が子が居ると言うのも幸せ物質がでてイイ感じになっているんだろう!」
「んま! 男であるアタシへの当てつけかしら!!」
と、盛り上がっている。
なんでもモコリーヌとは同期で、仲がいいと言うよりは昔は仲が悪かったそうだ。
だが、マリリンがSランク冒険者になるのが早かった事と、【レディー・マッスル】の功績を考えれば、見た目はアレでも出来る女なのだとモコリーヌは思ったらしく、今は友達感覚、でも尊敬はしている……と言う感じらしい。
「しかし、悪評を止めると言うのも大変だな。ティティリーが全て悪いとは言え、モコリーヌが確認を怠ったというのも問題がある。そこは理解しているな?」
「ええ、お姉さま方には迷惑をお掛けしますわ……。そしてとても反省しております」
マリリン同様、ミセス・マッチョスの面々は冒険者としても先輩。
モコリーヌは深々と頭を下げていた。
その後ティティリーはどこぞの国へ消えたのかは知らないが、もうムギーラ王国にはいないのだと聞き、彼女も考えを改めていればこんな悲惨な事には成らなかっただろうにとは思う。
「しかし、同じ冒険者なのに、何故冒険者は捨て駒なんて考えになったのでしょう?」
「レディー・マッスルの前の世界第一位のギルドが、その考えだったのよ」
「そうなのかい? マリリン」
「ああ、とても見ていられなくてな。それで私は有り余る力と体力と運の良さでSランクまで駆け上がり、ギルドを立ち上げて抗争となったのだ」
「こ、抗争!?」
穏やかではない言葉に思わず驚いていると、なんでも闇討ち等は当たり前にあったらしい。
そこでマリリンとジャック、マイケルが世界第一の当時のギルドに殴り込みをし、リーダー及び副リーダーを、武器を使わず、拳で、ボッコボコにして首を片手で掴み、10階の窓から外に放り出してやったそうだ。
雄叫びを上げて色々な物を垂れ流しながら落ちて行く当時の世界第一位ギルドマスターと副ギルドマスター。
地面に叩きつけられれば無論生きてはいなかっただろう。
だが、彼らが落ち切る寸前にマリリンたちは同じ10階から飛び降り、重さで先に地面に到着すると、地面寸での所でそのギルドマスターと副リーダーを助け、諸々恐怖で失神させたのだと言う。
ちなみにマリリン達は言う迄もなく無傷だったそうだ。
――無論ギルド同士の抗争はご法度。
マリリン達も色々と制約は付けられたし罰も受けたらしいが、それにより元世界第一位のギルドは転落し、マリリンがリーダーの【レディー・マッスル】が世界第一位ギルドに成り代わったのだと言う。
「我の柔肌に傷一つ付けれぬ男など……ハッ! 笑いが出るな!」
「つまり、この旦那様は傷をつける事が出来たという事なの!?」
「ああ、我の心に突き刺さる程の威力があった……」
「あなた……ゴクリ…強いのね♡」
「ははは! 我の夫だぞ! 良いだろう、羨ましいだろう!!」
「キイイイイイイイイ!!」
敢えて言おう。
僕はマリリンに攻撃したことは一度もないし傷つけたことも無いと思う。
だが、マリリンの中では僕はかなり体を貫通してきたそうなので、一体どういう意味で貫通したのかは分からないが、敢えて聞かないでおこうと思う。
「その元世界第一位のギルドはその後どうなったんです?」
「現地解散だったな」
「大半はうちに入ったが、殆どは海を渡って消えたり、大陸中に消えていったな」
「世界は広いからなぁ……。砂漠の国のシュノベザール王国も有名だし、鉄の国サカマル帝国も発展したってきいたな」
「砂漠の国のシュノベザール王国は特にすごいぞ! 神々の島と行き来できるらしい」
ファンタジー……。
思わず口から出そうになったが、マリリンはキラキラした瞳で「神々の島だぞ!」と嬉しそうにしている。
それなら、何時か神々の島に行ってみても良いかもしれない。
だが、もし本当に神々の国があるとしたら、一度だけ神様に聞いてみたい。
――母の弟である、中園アツシ叔父さんの遺体が未だに見つからないのは何故なのか……と。
高校の歴史教師だったアツシ叔父さんは、修学旅行中バスが事故に遭い、生徒数名と一緒に遺体すら見つからなかった。
まるでそれは、【神隠し】に遭ったかのようだと、誰もが口にしていたそうだ。
まぁ、こちらの神に聞いたところで、解る訳はないか。
「神々の島には行ってみたいけど、マリリンはまだ妊娠中だし、出産したからと言って直ぐ動けるものではないからね」
「むう、そうだな……。それに随分と離れている。行くのは無理か」
顎を擦りながら溜息を吐いたマリリンに、彼女の足でも遠いという位だから相当だろうと思いつつ、どうやら行く事は無さそうだ。
そんな事を他所で思いつつ話が三つのギルドで話が盛り上がって翌月。
――なんと砂漠の国のシュノベザール王国近くまでの依頼が舞い込み、「ついでに神々の国にいってくるわーん♡」とモコリーヌは言って旅立っていった。
行きと帰りで一年は掛かるらしいが……元気に頑張って貰いたい!
そう思っていたのだが、我が子が生まれて半月後、事態は一変するのである。
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