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第一章 異世界人現る!!
第17話 新しい新天地を求めて!
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僕は、各資料を速読で読み、内容を精査すると――二人が目をつけなかった国を指さした。
「ムギーラ王国は国としては広大だが……」
「ですが、ダンジョンが幾つか存在しますよね? 国王にも問題は無く、他国より平和であり、それでいて冒険者ギルドも大きな物が存在していますが……記載されていない内容で困る事があるのでしょうか?」
「ムギーラ王国は……マリリンと俺の故郷なんだ」
絞り出したジャックの声……。
つまり、二人のご実家がある場所であるがゆえに、除外していたと言う事か。
「お二人が元公爵家であることは存じ上げております。それ以外に困ることは御座いますか?」
「いや、単純に俺たちが苦手意識を持っているだけかもしれないが……」
「では、ムギーラ王国に移籍した際に口出しされることはありえるのでしょうか?」
「父はムギーラ王国の宰相だ。それなりに会う事もあるだろう。今までも国の依頼で何度か会ったことがあるが、家に呼ばれたことも無ければ、他人として扱われていたな」
「では全く問題ないではありませんか。下手に干渉されないのであれば最高の国です」
バッサリ言い切った僕に対し、ジャックとマイケルは驚きつつも「確かに……」と呟いた。
「堂々と為さってください。こちらは世界屈指の冒険者ギルドですよ? あらゆる魔物を屠ってきた冒険者ですよ? ムギーラ王国ほど冒険者が働きやすく、治安の良い国は無いでしょう。苦手意識が取れないのは致し方ないかもしれませんが、こちらには守るべき大勢のギルドメンバー達と、その家族がいるのです」
「やれやれ……」
「カズマ様の度胸が羨ましいよ。だが、俺もマリリンもそろそろ受け入れるべき頃合いなのかもしれないな」
こうして、その日の内にマリリンにも事情を説明し、そして彼女もシッカリと悩んだ結果――「ギルドメンバーとその家族を守る事こそが、ギルドマスターの役目だろう」と腹を括った。
また、幾つもの鉱山とダンジョンを保有するギルドな為、そちらはマイケルが冒険者ギルドを通して依頼を行い、定期的に管理することで事なきを得ることが出来た。
翌日、連休最終日。
ムギーラ王国に【レディー・マッスル】の移籍依頼と、ギルドメンバーの家族が住める家を購入したい旨を連絡すると、直ぐに了承の返事が返ってきた。
あちらとしても、世界屈指ギルドが来ることは願ったり叶ったりだったようだ。
ムギーラ王国までの道のりは馬車で二週間ほどの距離だと言う。
それまでにギルドメンバー全員が移動できるように馬車を借りたりと忙しくなりそうだが、前もってこちらの世界で換金して貰っていた金貨をマリリン達に預け、そのお金を使いギルドメンバーの家族の為に使って欲しいと頼んだ。
足りなければ、調味料を換金して使って欲しいとも。
「本来ならばギルドのお金で何とかすべきことなのだが……」
「僕もギルドメンバーの一員です。それなりに出資しても可笑しくはないと思いますが?」
「ははは! 確かにそうだな!!」
「それで、他国へのギルドの移籍に関しての通達は終わりましたか?」
「つつがなく終わらせて貰った。シッカリとこちらの理由も記載してな」
こちらの理由――と言うのは、依頼料の全額踏み倒しの件及び、パーティーでの出来事の全貌である。
今頃、この国の城は大慌てだろうが知った事ではない。
昨日から煩い程に城からの使者がきたが、丁重に帰って貰った。
「本当なら道中着いていくのが普通なのでしょうが」
「異世界での生活もあるだろう。致し方ないさ。そうそう、お金が足りなくなってきたら教えてくれ。直ぐに換金してカズマの為に、そしてギルドの為に使って欲しいからな!」
「それは助かるよ。家に帰ったら残金を計算して報告する。マリリンもムギーラ王国に到着したら直ぐに異世界に来て欲しい」
「無論会いに行くさ!! 愛しの旦那様!!」
――こうして、濃厚で濃密だった連休は終わりを告げた。
本当ならギルドが空間魔法に吸い込まれるところが見たかったが、致し方ない。
元の世界に戻ると、自分でも驚くほど疲れていたようで、マリリンが換金していたオリハルコンの残金を両親に見せて貰い、今度マリリンが来た時には幾つかオリハルコンを換金して貰おうと思いながら、その日は眠りについた。
――だが、その頃異世界では。
「ムギーラ王国は国としては広大だが……」
「ですが、ダンジョンが幾つか存在しますよね? 国王にも問題は無く、他国より平和であり、それでいて冒険者ギルドも大きな物が存在していますが……記載されていない内容で困る事があるのでしょうか?」
「ムギーラ王国は……マリリンと俺の故郷なんだ」
絞り出したジャックの声……。
つまり、二人のご実家がある場所であるがゆえに、除外していたと言う事か。
「お二人が元公爵家であることは存じ上げております。それ以外に困ることは御座いますか?」
「いや、単純に俺たちが苦手意識を持っているだけかもしれないが……」
「では、ムギーラ王国に移籍した際に口出しされることはありえるのでしょうか?」
「父はムギーラ王国の宰相だ。それなりに会う事もあるだろう。今までも国の依頼で何度か会ったことがあるが、家に呼ばれたことも無ければ、他人として扱われていたな」
「では全く問題ないではありませんか。下手に干渉されないのであれば最高の国です」
バッサリ言い切った僕に対し、ジャックとマイケルは驚きつつも「確かに……」と呟いた。
「堂々と為さってください。こちらは世界屈指の冒険者ギルドですよ? あらゆる魔物を屠ってきた冒険者ですよ? ムギーラ王国ほど冒険者が働きやすく、治安の良い国は無いでしょう。苦手意識が取れないのは致し方ないかもしれませんが、こちらには守るべき大勢のギルドメンバー達と、その家族がいるのです」
「やれやれ……」
「カズマ様の度胸が羨ましいよ。だが、俺もマリリンもそろそろ受け入れるべき頃合いなのかもしれないな」
こうして、その日の内にマリリンにも事情を説明し、そして彼女もシッカリと悩んだ結果――「ギルドメンバーとその家族を守る事こそが、ギルドマスターの役目だろう」と腹を括った。
また、幾つもの鉱山とダンジョンを保有するギルドな為、そちらはマイケルが冒険者ギルドを通して依頼を行い、定期的に管理することで事なきを得ることが出来た。
翌日、連休最終日。
ムギーラ王国に【レディー・マッスル】の移籍依頼と、ギルドメンバーの家族が住める家を購入したい旨を連絡すると、直ぐに了承の返事が返ってきた。
あちらとしても、世界屈指ギルドが来ることは願ったり叶ったりだったようだ。
ムギーラ王国までの道のりは馬車で二週間ほどの距離だと言う。
それまでにギルドメンバー全員が移動できるように馬車を借りたりと忙しくなりそうだが、前もってこちらの世界で換金して貰っていた金貨をマリリン達に預け、そのお金を使いギルドメンバーの家族の為に使って欲しいと頼んだ。
足りなければ、調味料を換金して使って欲しいとも。
「本来ならばギルドのお金で何とかすべきことなのだが……」
「僕もギルドメンバーの一員です。それなりに出資しても可笑しくはないと思いますが?」
「ははは! 確かにそうだな!!」
「それで、他国へのギルドの移籍に関しての通達は終わりましたか?」
「つつがなく終わらせて貰った。シッカリとこちらの理由も記載してな」
こちらの理由――と言うのは、依頼料の全額踏み倒しの件及び、パーティーでの出来事の全貌である。
今頃、この国の城は大慌てだろうが知った事ではない。
昨日から煩い程に城からの使者がきたが、丁重に帰って貰った。
「本当なら道中着いていくのが普通なのでしょうが」
「異世界での生活もあるだろう。致し方ないさ。そうそう、お金が足りなくなってきたら教えてくれ。直ぐに換金してカズマの為に、そしてギルドの為に使って欲しいからな!」
「それは助かるよ。家に帰ったら残金を計算して報告する。マリリンもムギーラ王国に到着したら直ぐに異世界に来て欲しい」
「無論会いに行くさ!! 愛しの旦那様!!」
――こうして、濃厚で濃密だった連休は終わりを告げた。
本当ならギルドが空間魔法に吸い込まれるところが見たかったが、致し方ない。
元の世界に戻ると、自分でも驚くほど疲れていたようで、マリリンが換金していたオリハルコンの残金を両親に見せて貰い、今度マリリンが来た時には幾つかオリハルコンを換金して貰おうと思いながら、その日は眠りについた。
――だが、その頃異世界では。
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