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第一章 異世界人現る!!
第2話 異世界人コワイ、色々ヤバイ!
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翌朝目を覚ますと……部屋に巨大な男性が正座していた。
目と心臓の両方が飛び出すかと思った。
目と目があったけれど、僕は静かに……二度寝しようとした。
「これこれ、ガッツリ目と目があったのに何事もなかったかのように眠るんじゃない」
「いえいえ、お構いなく……」
「話せば短いんだが、取り敢えず起きてくれんかな」
「うわ、ぶっとくて硬くて大きな手」
グワングワンと揺さぶられ、観念して起き上がると彼は僕を見つめ「ほう」と顎を摩った。そんな彼を僕はシッカリと観察する。
短い金髪に鋭い碧眼……そしてスンゴイ筋肉。眉毛も太い。顔の堀が凄い。
もうなんだよ、異世界から来るなら出来れば巨乳美少女とかにしてくれよ……屈強な男がやってきても誰も得をしないじゃないか。
酷く落胆し、大きく溜息を吐いた。
「それで……えーっと……」
「そうそう、部屋にある鏡が突然光ったと思って、何となく鏡に突撃してみたらゴミだらけの場所に投げ出されてしまってね! 一応元の場所に戻れるかも試したんだけど、すんなり戻れたから、この際ご近所挨拶していこうかと思って」
「え? 異世界への行き来が出来るのも驚きだけど、異世界とこっちがご近所扱いのその感性って何?」
なんか色々ついていけない。
いや、なんか異世界人怖い。
普通戻れない可能性があるのに、割れるかもしれない鏡に突撃するその考えがマジで怖い。
「ようこそ異世界へ……そしてどうぞお帰り下さい」
「折角異世界に来たというのに、周辺の観光くらいしかしないで終わるとか勿体ない」
「観光したんですか?」
「まさに、辺境の村と呼ぶに相応しいな!」
異世界人から見ても、この場所って辺境の村扱いなんだ……。
「山におわす野性味あふれる獣たち……。毛皮にすればそれなりの値段で売れそうだ。肉質はどうだろうなぁ……。昨夜のうちに一匹仕留めてきてお庭を拝借して血抜きして食べられるようにはしているんだが、ご近所への挨拶としては新鮮な食べ物がベストだと兄さんから教えて貰っていたからね」
「庭に……」
徐に立ち上がりカーテンを開けると、どうみてもかなり、いや、結構大きめな猪です……ありがとうございます。
「いや、いやいやいや、ちょっと待って? こっちの人って猪の解体とかやったことある人の方が少ないから!!」
「なんと!! こちらの異世界では肉を食べる習慣がないというのか!!」
「いや食べるけど!!」
「専門ジョブでなくては獣を捌けないとか、そういうことか?」
「んん! 限りなく近いけど限りなく遠い気もする!!」
朝からツッコミどころ満載で二人叫び合っていると、甲高い悲鳴が聞こえた。
窓を慌てて開けると、朝のラジオ体操にやってきた母が、逆テルテル坊主的にぶら下がっている異世界人からの新鮮な贈り物を見つけてしまったようだ。
これは色々ヤバいのではないだろうか。
「ま――!! 立派な猪!! ジビエ? ジビエしちゃう? 牡丹鍋!?」
お母さ――ん!!!
「お母さんどうしまし……おお、これは立派な猪ですね。何方が仕留めたのでしょう。何とも手際が良い……」
お父さ――ん!!!
そうだった、両親結構ズレてる人だった……。
しかしこの現状をどう報告すべきだろうかと悩んでいると、異世界人は窓枠に頭をぶつけない様に屈みながら外に出た。
そこからは……なんか……うん、僕の耳が異世界だった。
両親揃って元々生粋のゲーマー。母に至っては異世界系小説が大好物な人種だ。
異世界人の彼が挨拶しても微塵も動じない。寧ろ母なんて喰い気味に「それ詳しく!!」と目を輝かせている。
あれ……僕一人取り残されてる?
あれ? 普通って、一般的ってなんだっけ……。
それにしても異世界人の背丈凄いな……2メートルは軽くあるんじゃないか?
152㎝しかない小柄な母と並ぶと差が凄い。それに筋肉凄い。もう筋肉だるまって感じ。
「異世界っていっても扉一つで繋がってるんだもの! ご近所よね!」
「こちらの銘菓でも持ってご挨拶に行くべきでしょうかね?」
「是非とも我のいた世界にも遊びに来て頂きたいね! その時は我のギルドから護衛人を何人かつけよう! 無論この我がついていっても構わないさ!」
「まぁ!! お父さん聞いた!? ギルドですって!! と言う事は冒険者ランクとかその辺りも凄いのかしら!!」
「よく聞いてくれた! 我がリーダーを務めるギルドの名は【レディー・マッスル】。そして私こそが【英雄の称号】を持つ最高ランクでレベルマックスの冒険者さ!」
レディー・マッスルとか、全然萌えないギルド名……いやいやちょっと待て?
カズマは地雷に自ら踏みに行くかどうか悩んだ後、好奇心に勝てず聞いてしまった……。
「えっと、レディー・マッスルのリーダー……さん? え? 異世界人……その見た目でまさか」
「見て分からないかい?」
いや、いやいやいや?? 無理がある。
おっぱいってどこ!? あ、確かに少しだけ膨らみがあるような無いような!?
漂うオーラと見た目が既に、どこぞの世紀末覇者なんだけど!?
喉元まで出そうだったけれど、覇気溢れる姿に何とか呑み込んだ。
「そう言えばまだ名乗っていなかったな。我の名前はマリリン!! ドラゴンの爪をも通さぬ頑丈な肉体を持ち! ドラゴンのブレスさえも我の咆哮で蹴散らすだけの肺活量を持ち! オリハルコンゴーレム程度なら拳で屠るうら若きの20歳! 現在彼氏募集中!」
ワオウ、聞きたくなかった情報が最後にあったけれど、ワオウ。
どうみても巨大な馬に跨って降臨しているあの人みたいなオーラしか感じない。
僕にはとても、寧ろ何度生まれ変わっても手に入れることは絶対に出来ないと思う。
異世界人はチート持ちとは定番の定番。
けれど、今この場で絶対的に言えることは……マリリンは別のベクトルでチート持ちだなと気持ち的に受け入れることにした……。
目と心臓の両方が飛び出すかと思った。
目と目があったけれど、僕は静かに……二度寝しようとした。
「これこれ、ガッツリ目と目があったのに何事もなかったかのように眠るんじゃない」
「いえいえ、お構いなく……」
「話せば短いんだが、取り敢えず起きてくれんかな」
「うわ、ぶっとくて硬くて大きな手」
グワングワンと揺さぶられ、観念して起き上がると彼は僕を見つめ「ほう」と顎を摩った。そんな彼を僕はシッカリと観察する。
短い金髪に鋭い碧眼……そしてスンゴイ筋肉。眉毛も太い。顔の堀が凄い。
もうなんだよ、異世界から来るなら出来れば巨乳美少女とかにしてくれよ……屈強な男がやってきても誰も得をしないじゃないか。
酷く落胆し、大きく溜息を吐いた。
「それで……えーっと……」
「そうそう、部屋にある鏡が突然光ったと思って、何となく鏡に突撃してみたらゴミだらけの場所に投げ出されてしまってね! 一応元の場所に戻れるかも試したんだけど、すんなり戻れたから、この際ご近所挨拶していこうかと思って」
「え? 異世界への行き来が出来るのも驚きだけど、異世界とこっちがご近所扱いのその感性って何?」
なんか色々ついていけない。
いや、なんか異世界人怖い。
普通戻れない可能性があるのに、割れるかもしれない鏡に突撃するその考えがマジで怖い。
「ようこそ異世界へ……そしてどうぞお帰り下さい」
「折角異世界に来たというのに、周辺の観光くらいしかしないで終わるとか勿体ない」
「観光したんですか?」
「まさに、辺境の村と呼ぶに相応しいな!」
異世界人から見ても、この場所って辺境の村扱いなんだ……。
「山におわす野性味あふれる獣たち……。毛皮にすればそれなりの値段で売れそうだ。肉質はどうだろうなぁ……。昨夜のうちに一匹仕留めてきてお庭を拝借して血抜きして食べられるようにはしているんだが、ご近所への挨拶としては新鮮な食べ物がベストだと兄さんから教えて貰っていたからね」
「庭に……」
徐に立ち上がりカーテンを開けると、どうみてもかなり、いや、結構大きめな猪です……ありがとうございます。
「いや、いやいやいや、ちょっと待って? こっちの人って猪の解体とかやったことある人の方が少ないから!!」
「なんと!! こちらの異世界では肉を食べる習慣がないというのか!!」
「いや食べるけど!!」
「専門ジョブでなくては獣を捌けないとか、そういうことか?」
「んん! 限りなく近いけど限りなく遠い気もする!!」
朝からツッコミどころ満載で二人叫び合っていると、甲高い悲鳴が聞こえた。
窓を慌てて開けると、朝のラジオ体操にやってきた母が、逆テルテル坊主的にぶら下がっている異世界人からの新鮮な贈り物を見つけてしまったようだ。
これは色々ヤバいのではないだろうか。
「ま――!! 立派な猪!! ジビエ? ジビエしちゃう? 牡丹鍋!?」
お母さ――ん!!!
「お母さんどうしまし……おお、これは立派な猪ですね。何方が仕留めたのでしょう。何とも手際が良い……」
お父さ――ん!!!
そうだった、両親結構ズレてる人だった……。
しかしこの現状をどう報告すべきだろうかと悩んでいると、異世界人は窓枠に頭をぶつけない様に屈みながら外に出た。
そこからは……なんか……うん、僕の耳が異世界だった。
両親揃って元々生粋のゲーマー。母に至っては異世界系小説が大好物な人種だ。
異世界人の彼が挨拶しても微塵も動じない。寧ろ母なんて喰い気味に「それ詳しく!!」と目を輝かせている。
あれ……僕一人取り残されてる?
あれ? 普通って、一般的ってなんだっけ……。
それにしても異世界人の背丈凄いな……2メートルは軽くあるんじゃないか?
152㎝しかない小柄な母と並ぶと差が凄い。それに筋肉凄い。もう筋肉だるまって感じ。
「異世界っていっても扉一つで繋がってるんだもの! ご近所よね!」
「こちらの銘菓でも持ってご挨拶に行くべきでしょうかね?」
「是非とも我のいた世界にも遊びに来て頂きたいね! その時は我のギルドから護衛人を何人かつけよう! 無論この我がついていっても構わないさ!」
「まぁ!! お父さん聞いた!? ギルドですって!! と言う事は冒険者ランクとかその辺りも凄いのかしら!!」
「よく聞いてくれた! 我がリーダーを務めるギルドの名は【レディー・マッスル】。そして私こそが【英雄の称号】を持つ最高ランクでレベルマックスの冒険者さ!」
レディー・マッスルとか、全然萌えないギルド名……いやいやちょっと待て?
カズマは地雷に自ら踏みに行くかどうか悩んだ後、好奇心に勝てず聞いてしまった……。
「えっと、レディー・マッスルのリーダー……さん? え? 異世界人……その見た目でまさか」
「見て分からないかい?」
いや、いやいやいや?? 無理がある。
おっぱいってどこ!? あ、確かに少しだけ膨らみがあるような無いような!?
漂うオーラと見た目が既に、どこぞの世紀末覇者なんだけど!?
喉元まで出そうだったけれど、覇気溢れる姿に何とか呑み込んだ。
「そう言えばまだ名乗っていなかったな。我の名前はマリリン!! ドラゴンの爪をも通さぬ頑丈な肉体を持ち! ドラゴンのブレスさえも我の咆哮で蹴散らすだけの肺活量を持ち! オリハルコンゴーレム程度なら拳で屠るうら若きの20歳! 現在彼氏募集中!」
ワオウ、聞きたくなかった情報が最後にあったけれど、ワオウ。
どうみても巨大な馬に跨って降臨しているあの人みたいなオーラしか感じない。
僕にはとても、寧ろ何度生まれ変わっても手に入れることは絶対に出来ないと思う。
異世界人はチート持ちとは定番の定番。
けれど、今この場で絶対的に言えることは……マリリンは別のベクトルでチート持ちだなと気持ち的に受け入れることにした……。
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