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171 元スラム孤児たちのスキルと、二人の弟子。
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さて、次々に手を洗いスキルボードでスキルチェックを行うべく、年齢の高い子たちが並び始めましたわ。それでも3歳までで30人。サクサク行きますわよ!!
机の上にスキルボードを置き、手を乗せる事でスキルが浮き出るスキルボード。
ロストテクノロジーでなければ作れないアイテムですし、教会しか持つ事が許されてないものですけれど、アラーシュ様に貸したスキルボードに関しては教会から金を積んで借りた事にでもするのでしょうね。
まぁ、その辺りはアラーシュ様にお任せしておけば問題ないでしょうし……こちらはこちらで頑張りますわ!
「まずはロック、貴方からね」
「おう……なんかドキドキするな」
「心配なさらないで。持って生まれたスキルを見るだけですもの」
「分かった」
そう言うとロックは両手を広げてスキルボードに置き、3秒ほどして手を離すと、スキルボードは白く輝いて文字を映し出しましたわ。
なるほど……凄いですわね。
「ロック、貴方のスキルは珍しいですわね」
「なんて書いてあったんだ?」
「レアとまでは行きませんけれど、珍しい……聖騎士ですわ」
「せいきし?」
「聖なる心を持つ聖騎士ですわ。魔を払い邪を払い、弱きを助ける騎士ですわ」
「オレがそんな……聖騎士? 嘘だろ?」
「いいえ、それに聖騎士は王家の守り人となる方々が多いんですの。誰かを守りたいと思えば守りたい人間に加護を与える程のレベルもありますわ。スラムで鍛えてきたのですね」
「そう言えば、スラムにいた頃は身体が痛い奴らが俺の近くに来ると楽になるって」
「それは加護の力ですわ」
「加護……俺にも、そんな力があったのか……」
「仲間を守りたい、守っていきたいと思ってきたからこそ、加護の力も強くなったのね……。ロック、あなたの苦労は一切無駄ではなかったわ」
そう言うと、ロックは涙を拭い泣きそうな顔で「そっか」と笑って下さいましたわ。
ただ、聖騎士ともなれば更に勉学は必要になりますし、言葉使いも丁寧な言葉使いを覚えなくてはならなくなる場合もある。
それは、ロックが何処に就職するかによっても変わってきますものね。
「ロック、あなたのスキルは聖騎士ですけれど、貴方が将来守りたい、仕えたいと思う方が現れた時に必要な言葉使いも大事になってきますわ」
「俺は、カイル兄とリディア姉に仕えます」
「ロック……」
「その為に必要な勉強があるならするし、言葉使いも徐々にだけど直していくから!」
「そう……カイルもきっと喜ぶわ。わたくしはロックを歓迎します」
「やった!!!」
「その代わり、勉強も言葉使いも頑張るんですよ? 国王に会う事もありますし」
「う……はい!」
ロックはずっとスラムの子供達のリーダーをしてきて、皆を導いてきた。
だからこそ、加護の力――守りの盾が強いんですのね。
ずっと守っていきたいと思っていたのでしょう。きっとロックの守りの盾は、心の強さによって発動するのでしょう。
弱い心では弱い盾にしかならない様に、強い志と心があれば、もっと強固になるはず。
この事は冒険者のレイスさん達にも相談しましょう。
次に、副リーダーのマルモと言う女の子のスキルを見ると、絵師とありましたわ。
絵師……絵師!!!
求めていた絵師がここに!!!
「マルモさんのスキルは絵師ですわ!」
「絵師……でも女じゃ食べていけないって聞いたことある」
「そんなことありませんわ。わたくしがカイルに頼んで探していたスキルでもありますの」
「え? でも絵師なんて」
「絵師は絵を描くだけではありませんわ、ネイリストとしても素晴らしい力を発揮しますわ!! 近いうちにダンノージュ侯爵領にネイルサロンを作ろうとも思っていましたの。マルモさんは絵師の力で素晴らしいネイルも出来ますわ!」
「アタシ……アタシでも役に立つ? カイル兄やリディア姉の為に役に立つ? だってロックとかけ離れたスキルだけど、役に立てる?」
「充分役に立てますわ! 寧ろ、この箱庭において不遇なスキルなど一つとしてありません!」
そう言うと今までスキルチェックにドキドキしていた子供達の顔がパッと華やかになりましたわ。
そんな子供達に笑顔を見せると、今後マルモさんは勉強の傍ら、絵の道具が欲しいのと、ネイルをその内教えて欲しいと言ってきましたの。
絵の道具ならば直ぐに用意できますけれど、王国文字を全て書けるようになったら、絵の道具一式をプレゼントする約束をしましたわ。
目標があれば頑張れますものね!
その後も次々とスキルチェックをしていくと、鉱山師や植物師、パティシエもドンドン出てきましたわ!
女の子に多かったのは調理師と裁縫師で、男の子に多かったのは植物師やパティシエに鉱山師といったスキルでしたの。
中には、弁護士、薬師、箱庭師、ロストテクノロジー持ちまでいましたわ。
皆が皆自分の生まれ持ったスキルを知ることが出来て喜ぶ中、箱庭師の女の子と、ロストテクノロジーを持つ男の子は不安げでしたわ。
「どうしたの? ファビオニアにフォルジャー」
「あの……アタシ……箱庭師の師匠が欲しいです。リディア姉、師匠になってくれませんか?」
「オレも師匠が欲しい! ロストテクノロジーを使えるのはリディア姉しかいないから!」
「まぁ、それで不安そうでしたのね? ではお二方はわたくしの弟子としましょう!」
「羨ましいぞファビーにフォル!」
「そうだぞ! リディア姉が師匠なんて羨ましいぞ!」
「俺の師匠なんてザザンダさんになりそうだぞ……」
「頑張れよ……悪い人じゃないんだからさ」
「リディア姉~! 俺達鉱山師は、採掘エリアに入っても良いんですか?」
等など質問も相次ぎましたが、最も採掘エリアに詳しいカイルから説明を受ける事を約束してくださるなら、採掘エリアに入る事を許可する旨を伝えると喜んでいましたわ。
調理師の女の子たちは、このまま調理師の方々に教えてもらうそうですし、その他の箱庭にいる同じスキルを持っている方々から、今後は教わるのだと皆さん喜んでいましたわ。
問題はロック。
誰を師とするべきかを悩みますわね。
「ロックは誰を師とするかは、皆さんとの話し合いで決まりますけれど、宜しいかしら?」
「おう……じゃなかった、はい!」
冒険者であっても、聖騎士の方は少ないけどいらっしゃいますもんね。
誰か紹介できる人が居ればいいですけれど……。
机の上にスキルボードを置き、手を乗せる事でスキルが浮き出るスキルボード。
ロストテクノロジーでなければ作れないアイテムですし、教会しか持つ事が許されてないものですけれど、アラーシュ様に貸したスキルボードに関しては教会から金を積んで借りた事にでもするのでしょうね。
まぁ、その辺りはアラーシュ様にお任せしておけば問題ないでしょうし……こちらはこちらで頑張りますわ!
「まずはロック、貴方からね」
「おう……なんかドキドキするな」
「心配なさらないで。持って生まれたスキルを見るだけですもの」
「分かった」
そう言うとロックは両手を広げてスキルボードに置き、3秒ほどして手を離すと、スキルボードは白く輝いて文字を映し出しましたわ。
なるほど……凄いですわね。
「ロック、貴方のスキルは珍しいですわね」
「なんて書いてあったんだ?」
「レアとまでは行きませんけれど、珍しい……聖騎士ですわ」
「せいきし?」
「聖なる心を持つ聖騎士ですわ。魔を払い邪を払い、弱きを助ける騎士ですわ」
「オレがそんな……聖騎士? 嘘だろ?」
「いいえ、それに聖騎士は王家の守り人となる方々が多いんですの。誰かを守りたいと思えば守りたい人間に加護を与える程のレベルもありますわ。スラムで鍛えてきたのですね」
「そう言えば、スラムにいた頃は身体が痛い奴らが俺の近くに来ると楽になるって」
「それは加護の力ですわ」
「加護……俺にも、そんな力があったのか……」
「仲間を守りたい、守っていきたいと思ってきたからこそ、加護の力も強くなったのね……。ロック、あなたの苦労は一切無駄ではなかったわ」
そう言うと、ロックは涙を拭い泣きそうな顔で「そっか」と笑って下さいましたわ。
ただ、聖騎士ともなれば更に勉学は必要になりますし、言葉使いも丁寧な言葉使いを覚えなくてはならなくなる場合もある。
それは、ロックが何処に就職するかによっても変わってきますものね。
「ロック、あなたのスキルは聖騎士ですけれど、貴方が将来守りたい、仕えたいと思う方が現れた時に必要な言葉使いも大事になってきますわ」
「俺は、カイル兄とリディア姉に仕えます」
「ロック……」
「その為に必要な勉強があるならするし、言葉使いも徐々にだけど直していくから!」
「そう……カイルもきっと喜ぶわ。わたくしはロックを歓迎します」
「やった!!!」
「その代わり、勉強も言葉使いも頑張るんですよ? 国王に会う事もありますし」
「う……はい!」
ロックはずっとスラムの子供達のリーダーをしてきて、皆を導いてきた。
だからこそ、加護の力――守りの盾が強いんですのね。
ずっと守っていきたいと思っていたのでしょう。きっとロックの守りの盾は、心の強さによって発動するのでしょう。
弱い心では弱い盾にしかならない様に、強い志と心があれば、もっと強固になるはず。
この事は冒険者のレイスさん達にも相談しましょう。
次に、副リーダーのマルモと言う女の子のスキルを見ると、絵師とありましたわ。
絵師……絵師!!!
求めていた絵師がここに!!!
「マルモさんのスキルは絵師ですわ!」
「絵師……でも女じゃ食べていけないって聞いたことある」
「そんなことありませんわ。わたくしがカイルに頼んで探していたスキルでもありますの」
「え? でも絵師なんて」
「絵師は絵を描くだけではありませんわ、ネイリストとしても素晴らしい力を発揮しますわ!! 近いうちにダンノージュ侯爵領にネイルサロンを作ろうとも思っていましたの。マルモさんは絵師の力で素晴らしいネイルも出来ますわ!」
「アタシ……アタシでも役に立つ? カイル兄やリディア姉の為に役に立つ? だってロックとかけ離れたスキルだけど、役に立てる?」
「充分役に立てますわ! 寧ろ、この箱庭において不遇なスキルなど一つとしてありません!」
そう言うと今までスキルチェックにドキドキしていた子供達の顔がパッと華やかになりましたわ。
そんな子供達に笑顔を見せると、今後マルモさんは勉強の傍ら、絵の道具が欲しいのと、ネイルをその内教えて欲しいと言ってきましたの。
絵の道具ならば直ぐに用意できますけれど、王国文字を全て書けるようになったら、絵の道具一式をプレゼントする約束をしましたわ。
目標があれば頑張れますものね!
その後も次々とスキルチェックをしていくと、鉱山師や植物師、パティシエもドンドン出てきましたわ!
女の子に多かったのは調理師と裁縫師で、男の子に多かったのは植物師やパティシエに鉱山師といったスキルでしたの。
中には、弁護士、薬師、箱庭師、ロストテクノロジー持ちまでいましたわ。
皆が皆自分の生まれ持ったスキルを知ることが出来て喜ぶ中、箱庭師の女の子と、ロストテクノロジーを持つ男の子は不安げでしたわ。
「どうしたの? ファビオニアにフォルジャー」
「あの……アタシ……箱庭師の師匠が欲しいです。リディア姉、師匠になってくれませんか?」
「オレも師匠が欲しい! ロストテクノロジーを使えるのはリディア姉しかいないから!」
「まぁ、それで不安そうでしたのね? ではお二方はわたくしの弟子としましょう!」
「羨ましいぞファビーにフォル!」
「そうだぞ! リディア姉が師匠なんて羨ましいぞ!」
「俺の師匠なんてザザンダさんになりそうだぞ……」
「頑張れよ……悪い人じゃないんだからさ」
「リディア姉~! 俺達鉱山師は、採掘エリアに入っても良いんですか?」
等など質問も相次ぎましたが、最も採掘エリアに詳しいカイルから説明を受ける事を約束してくださるなら、採掘エリアに入る事を許可する旨を伝えると喜んでいましたわ。
調理師の女の子たちは、このまま調理師の方々に教えてもらうそうですし、その他の箱庭にいる同じスキルを持っている方々から、今後は教わるのだと皆さん喜んでいましたわ。
問題はロック。
誰を師とするべきかを悩みますわね。
「ロックは誰を師とするかは、皆さんとの話し合いで決まりますけれど、宜しいかしら?」
「おう……じゃなかった、はい!」
冒険者であっても、聖騎士の方は少ないけどいらっしゃいますもんね。
誰か紹介できる人が居ればいいですけれど……。
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