138 / 274
138 箱庭で雇う薬師たち。
しおりを挟む
――カイルside――
やはり薬師探しは難航した。
難航したが、一人見つけることが出来た。
薬師店から追い出された問題児だが、一度会ってみることになった。
年齢18歳の成人男性であることが一番の懸念材料ではあったが、リディアに言い寄るようであったら即首にするつもりで挑んだ。
待つ事20分、部屋に入ってきた青年は少し尖った感じの少年のように感じた。
「貴方がドミノさんですね。初めまして、商店街を纏めているカイルと申します」
「商店街を纏めているのは、カイルさんじゃなくてライトさんだろ」
「こら! 失礼な事を言うな!」
「いえ、俺は王太子領で仕事をしていたのでそう思われても仕方ありません。ライトは確かに自慢の弟ですからね」
「ッケ」
態度は褒められたものではないが、スキルを見るに腕は確か。
リディアの求める腕は確かに持っているのだ、持っているのだが――。
「俺は単純な作業しかしないぜ。面倒な薬作りなんてしたくもないね」
「では、【ひやりんこ】は君にとって面倒な作業かな?」
「【ひやりんこ】は別に面倒な作業じゃねーだろ。スキルがそこそこあれば楽に作れる商品だしな」
「良かった、君に作って貰いたいものは【ひやりんこ】なんだ。うちにも薬師がいるんだけど、彼はまだ11歳の少年でね。必死に薬師レベルを上げている所だ」
「まてまてまて、11歳の薬師? 貴族かよ」
「いや、平民だよ」
「は?」
「うちの箱庭の皆は、己のスキルを知っている。箱庭限定のある物があってね。それで皆自分の持っているスキルを知って、作業やスキルを上げ、商品を作っている」
「ははは、オッサン、夢物語を語るのは年じゃねーぜ」
オッサンと言われる年齢だろうか。
いや、18歳にしたらオッサンかも知れない。
「まぁ、君のやる気次第ではあるが、君さえ良ければ11歳の薬師の子に薬の調合を教えて貰ったり、ひやりんこを大量生産して欲しいと思っている。君も今のままだと収入が不安だろう」
「確かに収入は不安だけど、冒険者に雇われる、雇われ薬師って言う手もあるからな」
「雇われ薬師か……君は雇われ薬師がどんなものか知っているのかい?」
「薬作るんだろ?」
「違うよ、荷物運びと雑用と薬作りだよ」
「は? マジかよ」
「マジだよ。俺もこれでもBランク冒険者だからね」
「へぇ……」
「後は、一番死にやすいのが雇われ薬師だ。君はそんな雇われ薬師になりたいのかい?」
そう問いかけると少年は「ッハ」と笑い、挑戦的な瞳で俺を見てきた。
「オッサン、俺が箱庭に入って問題起こしても大丈夫なのかよ」
「そうだな、君の心が壊れないかの方が心配だよ」
「は?」
「うちは保護した老人達が多数いてね。更に保護された女性達も多くいる。他人を馬鹿にした態度を取り続ければ、彼らの逆鱗に触れるだろうね」
「げぇ……」
「無論、こちらとしては君を雇うのをやめて、別の従順な薬師を雇うと言うのは十分考慮に入る問題だ。縁があって出会った君だが、神殿契約を結ばないと言うのであれば、うちでは雇えない」
「……」
「ちなみに、衣食住の保証は確実だよ、給料も出す」
「むう」
「箱庭の皆と仲良くできるのであればだが」
「分かったよ……11歳の薬師の面倒もある程度みるし、少し大人になって雇われてやるよ。でも、一つ頼みがある」
「何だい?」
「雇われ薬師になりたい奴らが8人程仲間にいる。そいつらも雇ってもらえるか?」
「薬師は多いに越したことは無いからね、神殿契約を結んでくれるのであれば雇おう」
「助かる。皆嫌がらせを受けて辞めさせられた奴らばかりなんだ」
「嫌がらせ?」
「そ、嫌がらせ。ダンノージュ侯爵領にも薬局は幾つかあるけれど、スキルがあっても上下関係が厳しくていつまでたっても認めて貰えない。上の言う事は絶対だし、嫌がらせだって毎日受け続ける。ダンノージュ侯爵領の薬局なんてどこもそうだ。そう言う奴らが集まってこの前、薬局から抜けたばかりなんだ」
「なるほど……嫌がらせは嫌だね。無論呼んできて貰って構わないよ。アパートもギリギリ住めるだけの人数だ」
「助かる。ちょっと呼んでくるわ」
「待ってるよ」
こうして、彼の言う嫌がらせを受けて薬局を辞めた薬師たちを合計9人雇うことが出来た。
気弱な者、寡黙な者、ひょうきんな者と一癖も二癖もありそうな人材ではあったが、彼らは「シッカリと仕事はします」と言ってくれたので大丈夫だろう。
それに神殿契約もしっかり結んでくれたので問題はないはずだ。
彼らに頼んだのはラキュアスへの薬の師匠として分からないところは教えてやって欲しいと言う事と、ひやりんこの作成に薬の作成だ。
ラキュアスは薬師見習いと言う立場にはなるが、薬師リーダーはドミノに任せることにした。
彼は責任感が強いだろうとも肌で感じたからだ。
故に、弱者をイジメる薬局を許せず辞めたのだろう。
彼らを纏めて箱庭に連れて行くと、恒例の呆然祭りで、取り敢えず居住エリア及び作業場へと連れていく事にした。
すると――。
「お帰りなさいませ、カイル」
「ただいまリディア。新たに雇う薬師を合計9人、箱庭で生活をして貰う事になったぞ」
「初めましてリディアと申しますわ。この箱庭の箱庭師です」
リディアが挨拶をすると、9人は未だに呆然としながら頭を下げて挨拶する程度だが、確かに箱庭の広さを見れば、頭に理解が追い付かないのは仕方ないだろう。
「リディア、箱庭で変わった事は無かったか?」
「そうですわね、少々相談したいことが幾つかありますわ」
「じゃあ夜にでも話を聞こう。まずは彼らをラキュアスに紹介したいしな」
「そうですわね。皆さん、今はラキュアス専用の薬師小屋ですけれど、それなりに広いですので十分皆さんで仕事は十分出来ると思いますわ。後で各自の机と椅子等を用意しますので、最初はゆっくりと仕事をして下さると助かりますわ。後はラキュアスの先生になってくださいませ」
「了解です」
「必要な道具があれば教えて下さると作りますわ。わたくしは基本的に皆さんが入ってきた池の周辺か、この作業小屋のどこか、あとは休憩所にいますので」
「了解です」
「他の方々は緊張為さっているのかしら?」
「あ、他の奴らは女性と話すのが苦手だよ……じゃない、苦手なんですよ」
「ドミノさん、言葉は崩して頂いて結構ですわ。失礼のない範囲でしたら大丈夫です」
「ありがてぇ。どうも丁寧語は難しくてな」
「ふふふ。こちらの小屋が薬師専用の小屋となっております。アイテムボックスはリボンに薬の名前等ついてますから、素材用の鞄は皆さんで円滑に使って下さいませ」
「助かる。お前ら! 俺達も薬師として頑張るぞ!」
「「「「お――!!」」」」
「薬師さんが来られたんですか!?」
と、先程までトイレに言っていたのだろう、ラキュアスが走ってやってくると、目を輝かせて皆を見つめていた。
「僕以外の薬師をみるのは初めてなのです! 皆さん、是非ご教授頂けると助かります!」
「おう、シッカリと面倒見るように言われてるからな」
「分からないところがあったら教えるよ」
「俺の死んだ弟もこれくらいだったな……よろしくな、ラキュアス」
「皆で沢山薬を作ろうな」
「はい!!」
どうやらラキュアスとは上手くいきそうだ。
そうやって話している間にリディアは机と椅子を人数分作って用意し、ラキュアスにしか作ってなかった小さなすり鉢やら見たこともない道具を次々作って各机の上に置くと、額を拭ってやり切った感を醸し出していた。
「それでは皆さん、後はお任せしますわね」
「仲良く仕事してくれよ。先に9人には部屋へ案内するがいいか?」
「分かった」
「ラキュアス、また後でな」
「いってらっしゃーい!」
こうして、9人を独身用アパートに連れて行き、空いている部屋に案内して室内に入って貰うと、部屋にトイレがある事に一番驚いていたようだ。
「此処では朝7時半から8時に朝食、その後洗濯やらなにやらやって、朝10時から仕事開始だ。昼めしは12時から14時までの間に済ませてくれ。その後各自好きに休憩するなりして、夕方5時から6時に仕事終了の流れになっている。ラキュアスは仕事が終了した後、一時間薬師小屋に残り、お年寄りたちへ薬を出している。もし手伝って貰えるのなら有難い」
「ラキュアスは、皆の為に薬を作っているのか」
「確かにお年寄りが多かった」
「優しい子だな、ラキュアスは」
「素直で優しいが故に傷つきやすい。あの子は父親を早くに亡くしていて、母親が溝攫いをしながら育ててきた子だ。だから尚更頑張りたいんだろう」
「「「そうか……」」」
「皆、ラキュアスを頼むぞ」
「「「「はい!」」」」
こうして、新たな仲間である薬師9人が箱庭に加わった。
彼らの為にも、早めに商店街の工事を進めないといけないな。仕方ない。俺も取引をしよう。
相手は無論ライトだが、ダンノージュ侯爵領は一気に秋を過ぎ冬がやってくる。
それまでに俺一人ではとても回らない。
何とかして、ダンノージュ侯爵領と王太子領の牛丼屋を作ろうと心に決めた夜、頭を悩ます問題が既にもち上がっていた事に、胃痛を起す羽目になるとは、この時思いもしてなかった――。
やはり薬師探しは難航した。
難航したが、一人見つけることが出来た。
薬師店から追い出された問題児だが、一度会ってみることになった。
年齢18歳の成人男性であることが一番の懸念材料ではあったが、リディアに言い寄るようであったら即首にするつもりで挑んだ。
待つ事20分、部屋に入ってきた青年は少し尖った感じの少年のように感じた。
「貴方がドミノさんですね。初めまして、商店街を纏めているカイルと申します」
「商店街を纏めているのは、カイルさんじゃなくてライトさんだろ」
「こら! 失礼な事を言うな!」
「いえ、俺は王太子領で仕事をしていたのでそう思われても仕方ありません。ライトは確かに自慢の弟ですからね」
「ッケ」
態度は褒められたものではないが、スキルを見るに腕は確か。
リディアの求める腕は確かに持っているのだ、持っているのだが――。
「俺は単純な作業しかしないぜ。面倒な薬作りなんてしたくもないね」
「では、【ひやりんこ】は君にとって面倒な作業かな?」
「【ひやりんこ】は別に面倒な作業じゃねーだろ。スキルがそこそこあれば楽に作れる商品だしな」
「良かった、君に作って貰いたいものは【ひやりんこ】なんだ。うちにも薬師がいるんだけど、彼はまだ11歳の少年でね。必死に薬師レベルを上げている所だ」
「まてまてまて、11歳の薬師? 貴族かよ」
「いや、平民だよ」
「は?」
「うちの箱庭の皆は、己のスキルを知っている。箱庭限定のある物があってね。それで皆自分の持っているスキルを知って、作業やスキルを上げ、商品を作っている」
「ははは、オッサン、夢物語を語るのは年じゃねーぜ」
オッサンと言われる年齢だろうか。
いや、18歳にしたらオッサンかも知れない。
「まぁ、君のやる気次第ではあるが、君さえ良ければ11歳の薬師の子に薬の調合を教えて貰ったり、ひやりんこを大量生産して欲しいと思っている。君も今のままだと収入が不安だろう」
「確かに収入は不安だけど、冒険者に雇われる、雇われ薬師って言う手もあるからな」
「雇われ薬師か……君は雇われ薬師がどんなものか知っているのかい?」
「薬作るんだろ?」
「違うよ、荷物運びと雑用と薬作りだよ」
「は? マジかよ」
「マジだよ。俺もこれでもBランク冒険者だからね」
「へぇ……」
「後は、一番死にやすいのが雇われ薬師だ。君はそんな雇われ薬師になりたいのかい?」
そう問いかけると少年は「ッハ」と笑い、挑戦的な瞳で俺を見てきた。
「オッサン、俺が箱庭に入って問題起こしても大丈夫なのかよ」
「そうだな、君の心が壊れないかの方が心配だよ」
「は?」
「うちは保護した老人達が多数いてね。更に保護された女性達も多くいる。他人を馬鹿にした態度を取り続ければ、彼らの逆鱗に触れるだろうね」
「げぇ……」
「無論、こちらとしては君を雇うのをやめて、別の従順な薬師を雇うと言うのは十分考慮に入る問題だ。縁があって出会った君だが、神殿契約を結ばないと言うのであれば、うちでは雇えない」
「……」
「ちなみに、衣食住の保証は確実だよ、給料も出す」
「むう」
「箱庭の皆と仲良くできるのであればだが」
「分かったよ……11歳の薬師の面倒もある程度みるし、少し大人になって雇われてやるよ。でも、一つ頼みがある」
「何だい?」
「雇われ薬師になりたい奴らが8人程仲間にいる。そいつらも雇ってもらえるか?」
「薬師は多いに越したことは無いからね、神殿契約を結んでくれるのであれば雇おう」
「助かる。皆嫌がらせを受けて辞めさせられた奴らばかりなんだ」
「嫌がらせ?」
「そ、嫌がらせ。ダンノージュ侯爵領にも薬局は幾つかあるけれど、スキルがあっても上下関係が厳しくていつまでたっても認めて貰えない。上の言う事は絶対だし、嫌がらせだって毎日受け続ける。ダンノージュ侯爵領の薬局なんてどこもそうだ。そう言う奴らが集まってこの前、薬局から抜けたばかりなんだ」
「なるほど……嫌がらせは嫌だね。無論呼んできて貰って構わないよ。アパートもギリギリ住めるだけの人数だ」
「助かる。ちょっと呼んでくるわ」
「待ってるよ」
こうして、彼の言う嫌がらせを受けて薬局を辞めた薬師たちを合計9人雇うことが出来た。
気弱な者、寡黙な者、ひょうきんな者と一癖も二癖もありそうな人材ではあったが、彼らは「シッカリと仕事はします」と言ってくれたので大丈夫だろう。
それに神殿契約もしっかり結んでくれたので問題はないはずだ。
彼らに頼んだのはラキュアスへの薬の師匠として分からないところは教えてやって欲しいと言う事と、ひやりんこの作成に薬の作成だ。
ラキュアスは薬師見習いと言う立場にはなるが、薬師リーダーはドミノに任せることにした。
彼は責任感が強いだろうとも肌で感じたからだ。
故に、弱者をイジメる薬局を許せず辞めたのだろう。
彼らを纏めて箱庭に連れて行くと、恒例の呆然祭りで、取り敢えず居住エリア及び作業場へと連れていく事にした。
すると――。
「お帰りなさいませ、カイル」
「ただいまリディア。新たに雇う薬師を合計9人、箱庭で生活をして貰う事になったぞ」
「初めましてリディアと申しますわ。この箱庭の箱庭師です」
リディアが挨拶をすると、9人は未だに呆然としながら頭を下げて挨拶する程度だが、確かに箱庭の広さを見れば、頭に理解が追い付かないのは仕方ないだろう。
「リディア、箱庭で変わった事は無かったか?」
「そうですわね、少々相談したいことが幾つかありますわ」
「じゃあ夜にでも話を聞こう。まずは彼らをラキュアスに紹介したいしな」
「そうですわね。皆さん、今はラキュアス専用の薬師小屋ですけれど、それなりに広いですので十分皆さんで仕事は十分出来ると思いますわ。後で各自の机と椅子等を用意しますので、最初はゆっくりと仕事をして下さると助かりますわ。後はラキュアスの先生になってくださいませ」
「了解です」
「必要な道具があれば教えて下さると作りますわ。わたくしは基本的に皆さんが入ってきた池の周辺か、この作業小屋のどこか、あとは休憩所にいますので」
「了解です」
「他の方々は緊張為さっているのかしら?」
「あ、他の奴らは女性と話すのが苦手だよ……じゃない、苦手なんですよ」
「ドミノさん、言葉は崩して頂いて結構ですわ。失礼のない範囲でしたら大丈夫です」
「ありがてぇ。どうも丁寧語は難しくてな」
「ふふふ。こちらの小屋が薬師専用の小屋となっております。アイテムボックスはリボンに薬の名前等ついてますから、素材用の鞄は皆さんで円滑に使って下さいませ」
「助かる。お前ら! 俺達も薬師として頑張るぞ!」
「「「「お――!!」」」」
「薬師さんが来られたんですか!?」
と、先程までトイレに言っていたのだろう、ラキュアスが走ってやってくると、目を輝かせて皆を見つめていた。
「僕以外の薬師をみるのは初めてなのです! 皆さん、是非ご教授頂けると助かります!」
「おう、シッカリと面倒見るように言われてるからな」
「分からないところがあったら教えるよ」
「俺の死んだ弟もこれくらいだったな……よろしくな、ラキュアス」
「皆で沢山薬を作ろうな」
「はい!!」
どうやらラキュアスとは上手くいきそうだ。
そうやって話している間にリディアは机と椅子を人数分作って用意し、ラキュアスにしか作ってなかった小さなすり鉢やら見たこともない道具を次々作って各机の上に置くと、額を拭ってやり切った感を醸し出していた。
「それでは皆さん、後はお任せしますわね」
「仲良く仕事してくれよ。先に9人には部屋へ案内するがいいか?」
「分かった」
「ラキュアス、また後でな」
「いってらっしゃーい!」
こうして、9人を独身用アパートに連れて行き、空いている部屋に案内して室内に入って貰うと、部屋にトイレがある事に一番驚いていたようだ。
「此処では朝7時半から8時に朝食、その後洗濯やらなにやらやって、朝10時から仕事開始だ。昼めしは12時から14時までの間に済ませてくれ。その後各自好きに休憩するなりして、夕方5時から6時に仕事終了の流れになっている。ラキュアスは仕事が終了した後、一時間薬師小屋に残り、お年寄りたちへ薬を出している。もし手伝って貰えるのなら有難い」
「ラキュアスは、皆の為に薬を作っているのか」
「確かにお年寄りが多かった」
「優しい子だな、ラキュアスは」
「素直で優しいが故に傷つきやすい。あの子は父親を早くに亡くしていて、母親が溝攫いをしながら育ててきた子だ。だから尚更頑張りたいんだろう」
「「「そうか……」」」
「皆、ラキュアスを頼むぞ」
「「「「はい!」」」」
こうして、新たな仲間である薬師9人が箱庭に加わった。
彼らの為にも、早めに商店街の工事を進めないといけないな。仕方ない。俺も取引をしよう。
相手は無論ライトだが、ダンノージュ侯爵領は一気に秋を過ぎ冬がやってくる。
それまでに俺一人ではとても回らない。
何とかして、ダンノージュ侯爵領と王太子領の牛丼屋を作ろうと心に決めた夜、頭を悩ます問題が既にもち上がっていた事に、胃痛を起す羽目になるとは、この時思いもしてなかった――。
50
お気に入りに追加
399
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
【完結】天候を操れる程度の能力を持った俺は、国を富ませる事が最優先!~何もかもゼロスタートでも挫けずめげず富ませます!!~
うどん五段
ファンタジー
幼い頃から心臓の悪かった中村キョウスケは、親から「無駄金使い」とののしられながら病院生活を送っていた。
それでも勉強は好きで本を読んだりニュースを見たりするのも好きな勤勉家でもあった。
唯一の弟とはそれなりに仲が良く、色々な遊びを教えてくれた。
だが、二十歳までしか生きられないだろうと言われていたキョウスケだったが、医療の進歩で三十歳まで生きることができ、家での自宅治療に切り替わったその日――階段から降りようとして両親に突き飛ばされ命を落とす。
――死んだ日は、土砂降りの様な雨だった。
しかし、次に目が覚めた時は褐色の肌に銀の髪をした5歳くらいの少年で。
自分が転生したことを悟り、砂漠の国シュノベザール王国の第一王子だと言う事を知る。
飢えに苦しむ国民、天候に恵まれないシュノベザール王国は常に飢えていた。だが幸いな事に第一王子として生まれたシュライは【天候を操る程度の能力】を持っていた。
その力は凄まじく、シュライは自国を豊かにするために、時に鬼となる事も持さない覚悟で成人と認められる15歳になると、頼れる弟と宰相と共に内政を始める事となる――。
※小説家になろう・カクヨムにも掲載中です。
無断朗読・無断使用・無断転載禁止。
石しか生成出来ないと追放されましたが、それでOKです!
うどん五段
ファンタジー
夏祭り中に異世界召喚に巻き込まれた、ただの一般人の桜木ユリ。
皆がそれぞれ素晴らしいスキルを持っている中、桜木の持つスキルは【石を出す程度の力】しかなく、余りにも貧相なそれは皆に笑われて城から金だけ受け取り追い出される。
この国ではもう直ぐ戦争が始まるらしい……。
召喚された3人は戦うスキルを持っていて、桜木だけが【石を出す程度の能力】……。
確かに貧相だけれど――と思っていたが、意外と強いスキルだったようで!?
「こうなったらこの国を抜け出して平和な国で就職よ!」
気合いを入れ直した桜木は、商業ギルド相手に提案し、国を出て違う場所で新生活を送る事になるのだが、辿り着いた国にて、とある家族と出会う事となる――。
★暫く書き溜めが結構あるので、一日三回更新していきます! 応援よろしくお願いします!
★カクヨム・小説家になろう・アルファポリスで連載中です。
中国でコピーされていたので自衛です。
「天安門事件」
最底辺の転生者──2匹の捨て子を育む赤ん坊!?の異世界修行の旅
散歩道 猫ノ子
ファンタジー
捨てられてしまった2匹の神獣と育む異世界育成ファンタジー
2匹のねこのこを育む、ほのぼの育成異世界生活です。
人間の汚さを知る主人公が、動物のように純粋で無垢な女の子2人に振り回されつつ、振り回すそんな物語です。
主人公は最強ですが、基本的に最強しませんのでご了承くださいm(*_ _)m
【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです
yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~
旧タイトルに、もどしました。
日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。
まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。
劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。
日々の衣食住にも困る。
幸せ?生まれてこのかた一度もない。
ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・
目覚めると、真っ白な世界。
目の前には神々しい人。
地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・
短編→長編に変更しました。
R4.6.20 完結しました。
長らくお読みいただき、ありがとうございました。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
転生貴族のスローライフ
マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた
しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった
これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である
*基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします
転生先ではゆっくりと生きたい
ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。
事故で死んだ明彦が出会ったのは……
転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた
小説家になろうでも連載中です。
なろうの方が話数が多いです。
https://ncode.syosetu.com/n8964gh/
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる