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46 箱庭師は全力でアイテムを作り、ダンジョン活性化にも挑む。
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お店の閉店後。
わたくしも道具店サルビアに向かい、ネイルチップの作成手伝いに入りましたわ。
既にネイルサロン・サルビアではロキシーお姉ちゃんを含むネイルが出来る方々は全員で挑んでいるはず。
毎日50人分のネイルチップを作るのは大変ですけれど、わたくしも今日は大量のハッカ水を作った為、時間が今後はある……と思いますので、頑張って箱庭でネイルチップを作る事にしますわ。
そう意気込んでいましたけれど――。
「リディア、在庫が足りなくなってる」
「どの在庫ですの?」
「護符の在庫が心許ない……。それと各種ポーションの在庫も随分と減ってきている。更に言えば付与アクセサリーが全て売り切れだ」
「……ガンバリマスワ」
「でも、今日は一段と本当に売れたんです。冒険者の方々が言うには、ダンジョンの活性化が問題らしくって……」
「まぁ……」
「それで、冒険者だけではなく、今後は国が保有する騎士団もダンジョンに潜るらしい。建国記念日に他国の貴族や王族も多く訪れるのに、今の時期にダンジョンの活性化は芳しくない。この国は幾つもダンジョンが近くに存在するからな。前の王国のように一斉スタンピードが起きればどうなるか分からないからな」
「聖水を作れる人は率先して聖水を作るように指示が出ているそうです。うちの店はまだ聖水は一個しか出していなかったのですが、冒険者ギルドから早朝、聖水があれば取りに来るとの事でした」
確かにダンジョン内で聖水を使う事でダンジョンの活性化を落ち着かせることは可能ですけれど……既に活性化したダンジョンで使っても意味があるのかしら……。
「活性化したダンジョンに聖水を使っても、余り意味がない気がしますけれど……」
「焼け石に水でも、使わないといけないくらいには活性化してるんだろうな。昔別のダンジョンが活性化した時、何とか聖水で落ち着いた事がある。だが、犠牲も多かった」
「「犠牲……」」
「一番いいのは、スタンピードが起きる前にダンジョンコアを壊すことが出来れば最適だと思うんだが、王国近辺のダンジョンは深すぎて、まだダンジョンコアがある場所まで行きつけていないのが現状だ。どこまで潜って聖水を使うのかは分からないが、その辺りはお偉いさん達が決めるんだろうし、俺達に出来ることはアイテムを売ることくらいしか出来ないな」
「そうですわね……どのアイテムが少なくなっているのかメモはありまして?」
「此方です」
流石ライトさんと言うべきか、既に在庫が少なくなっているモノをリストアップしてくださっていた様子。
確かにリストを見る限り……今から作らないと間に合いませんわね……。
わたくしの顔色を見たファルンさん達は不安げな表情で、
「此方は気にしないでください」
「今から作らないと間に合わないって顔をしてますよ?」
「大丈夫ですか?」
「うう……申し訳ありません。先に箱庭に戻ってアイテム作りに専念しますわ」
「晩御飯は私が作りますから、出来上がったら呼びに行きますね」
「お願いしますわね」
こうして私はまた箱庭に戻り、居住エリアに向かうと少なくなっている在庫を作る作業に入りますわ。
ポーション類は軒並みですし、傷薬に関しても在庫が乏しい。
本当にダンジョンが活性化しましたのね……。
帰路の護符と身代わりの護符の在庫もほぼ無くなっていますわ。
今夜は徹夜ですわね。
後は、隙間時間に作っていた聖水を卸すしかありませんわ。
聖水は全部で150個。数的には乏しいにしても、ないよりはマシですわ。
クリスタルの在庫はまだ十分にありますけど、今度カイルに魔石を仕入れて来てもらいましょう。
気合を入れなおすと、わたくしはその夜から数日間、各種ポーションから聖水、そして護符を作り続けることになりましたの。
無論、昼に少し仮眠して、夜は作らねばならない道具をアイテムボックスに詰め込んで池鏡の前で作業しますわ。
やはり、劇団の方々がネイルチップをどう思うか気になるんですもの!
お話を聞きながらでも流れ作業のようにアイテムは作れますから問題ありませんわよね!
ダンジョンの活性化は気になるところですけれど、庶民や貴族にとっては、不安を拭いたいと思うからこそ劇に行くでしょうし……心の拠り所は誰にでも必要ですわ。
それに、この王国にはSランク冒険者がいらっしゃるから大丈夫よね!
Aランク冒険者である雪の園と朝の露もいらっしゃいますもの!
道具店サルビアのお得意様である雪の園の方々の無事もお祈りしつつ、その日の夜は只管アイテム制作に取り組み――。
早朝、日の出と共にやってきたカイルとライトさんに労われつつも、大量のアイテムを作ることが出来ましたし、出来る事ならこのアイテムが二日は持ってくれることを祈りつつ、お店用の小屋に行って、各アイテムボックスにアイテムを入れ込んでホッと一息が吐けましたわ……。
徹夜でアイテムを作るなんて久しぶりでしてよ。
「カイル、聖水を150個用意してありますから、後で冒険者ギルドの方がいらしたら渡してくださる?」
「分かった。今日はもう無理をするなよ?」
「薬草園の手入れが終わりましたらひと眠り致しますわ。それとカイルには各種の魔石を大量に仕入れてきて欲しいんですの」
「500個ずつあればいいか?」
「そうですわね。それでも少ないくらいですけれど、お願いしますわ」
「大量仕入れ出来る所を探しておくよ」
「お願いしますわね」
こうして、簡単にですけれど薬草園を綺麗にしてからわたくしはベッドに倒れ込み、そのまま昼過ぎまで眠ってしまいましたの。
慌てて起きて池鏡で二店舗の様子を見ると、在庫は何とか間に合っている様子。
パッと見で足りなさそうな透明グロスだけは大量に作りましたけれど、後は鞄に残していた聖水を只管作りますわ。
冒険者の方々を見ると、確かに余裕がなさそうで、何事も起きなければ良いなと思いつつも、わたくしが出来ることはアイテムを作る事のみ。
せめて少し値段を下げて冒険者の方々を応援することが出来ないか、カイルに相談することにしましょう。
特にポーションなんて、命にかかわりますものね。
そう思い、ブレスレットでカイルに相談したところ、明日からポーション等を【ダンジョン活性化につき】と言う事で、少し安くしてくださることになりましたわ。
そうなると、今日の夜もポーション作りに励まねばなりませんわね。
今のうちに作れるだけ聖水を作って、夜は皆さんが劇団に行っている姿を見ながらポーションを作って……。
今日は少し早めに、カイルたちが戻ってくる前に疲労回復の温泉に入って英気を養い、備えなくてはなりませんわ!!
時間を見ると、店の閉店まであと二時間。
聖水は45個ほど作れたので、急いで温泉へ入り疲れを取りますわ。
少し長めの温泉に浸かったら、身体を拭いて着替えを済ませ、別のアイテムボックスに入れていたポーション関連を池鏡に持って行き更に作業に入ると、丁度ネイリストの皆さんは劇団に向かう所だった様子。間に合いましたわ!
さあ、お仕事どうなるかしら!!
シッカリと見学させて頂きましてよ!!
わたくしも道具店サルビアに向かい、ネイルチップの作成手伝いに入りましたわ。
既にネイルサロン・サルビアではロキシーお姉ちゃんを含むネイルが出来る方々は全員で挑んでいるはず。
毎日50人分のネイルチップを作るのは大変ですけれど、わたくしも今日は大量のハッカ水を作った為、時間が今後はある……と思いますので、頑張って箱庭でネイルチップを作る事にしますわ。
そう意気込んでいましたけれど――。
「リディア、在庫が足りなくなってる」
「どの在庫ですの?」
「護符の在庫が心許ない……。それと各種ポーションの在庫も随分と減ってきている。更に言えば付与アクセサリーが全て売り切れだ」
「……ガンバリマスワ」
「でも、今日は一段と本当に売れたんです。冒険者の方々が言うには、ダンジョンの活性化が問題らしくって……」
「まぁ……」
「それで、冒険者だけではなく、今後は国が保有する騎士団もダンジョンに潜るらしい。建国記念日に他国の貴族や王族も多く訪れるのに、今の時期にダンジョンの活性化は芳しくない。この国は幾つもダンジョンが近くに存在するからな。前の王国のように一斉スタンピードが起きればどうなるか分からないからな」
「聖水を作れる人は率先して聖水を作るように指示が出ているそうです。うちの店はまだ聖水は一個しか出していなかったのですが、冒険者ギルドから早朝、聖水があれば取りに来るとの事でした」
確かにダンジョン内で聖水を使う事でダンジョンの活性化を落ち着かせることは可能ですけれど……既に活性化したダンジョンで使っても意味があるのかしら……。
「活性化したダンジョンに聖水を使っても、余り意味がない気がしますけれど……」
「焼け石に水でも、使わないといけないくらいには活性化してるんだろうな。昔別のダンジョンが活性化した時、何とか聖水で落ち着いた事がある。だが、犠牲も多かった」
「「犠牲……」」
「一番いいのは、スタンピードが起きる前にダンジョンコアを壊すことが出来れば最適だと思うんだが、王国近辺のダンジョンは深すぎて、まだダンジョンコアがある場所まで行きつけていないのが現状だ。どこまで潜って聖水を使うのかは分からないが、その辺りはお偉いさん達が決めるんだろうし、俺達に出来ることはアイテムを売ることくらいしか出来ないな」
「そうですわね……どのアイテムが少なくなっているのかメモはありまして?」
「此方です」
流石ライトさんと言うべきか、既に在庫が少なくなっているモノをリストアップしてくださっていた様子。
確かにリストを見る限り……今から作らないと間に合いませんわね……。
わたくしの顔色を見たファルンさん達は不安げな表情で、
「此方は気にしないでください」
「今から作らないと間に合わないって顔をしてますよ?」
「大丈夫ですか?」
「うう……申し訳ありません。先に箱庭に戻ってアイテム作りに専念しますわ」
「晩御飯は私が作りますから、出来上がったら呼びに行きますね」
「お願いしますわね」
こうして私はまた箱庭に戻り、居住エリアに向かうと少なくなっている在庫を作る作業に入りますわ。
ポーション類は軒並みですし、傷薬に関しても在庫が乏しい。
本当にダンジョンが活性化しましたのね……。
帰路の護符と身代わりの護符の在庫もほぼ無くなっていますわ。
今夜は徹夜ですわね。
後は、隙間時間に作っていた聖水を卸すしかありませんわ。
聖水は全部で150個。数的には乏しいにしても、ないよりはマシですわ。
クリスタルの在庫はまだ十分にありますけど、今度カイルに魔石を仕入れて来てもらいましょう。
気合を入れなおすと、わたくしはその夜から数日間、各種ポーションから聖水、そして護符を作り続けることになりましたの。
無論、昼に少し仮眠して、夜は作らねばならない道具をアイテムボックスに詰め込んで池鏡の前で作業しますわ。
やはり、劇団の方々がネイルチップをどう思うか気になるんですもの!
お話を聞きながらでも流れ作業のようにアイテムは作れますから問題ありませんわよね!
ダンジョンの活性化は気になるところですけれど、庶民や貴族にとっては、不安を拭いたいと思うからこそ劇に行くでしょうし……心の拠り所は誰にでも必要ですわ。
それに、この王国にはSランク冒険者がいらっしゃるから大丈夫よね!
Aランク冒険者である雪の園と朝の露もいらっしゃいますもの!
道具店サルビアのお得意様である雪の園の方々の無事もお祈りしつつ、その日の夜は只管アイテム制作に取り組み――。
早朝、日の出と共にやってきたカイルとライトさんに労われつつも、大量のアイテムを作ることが出来ましたし、出来る事ならこのアイテムが二日は持ってくれることを祈りつつ、お店用の小屋に行って、各アイテムボックスにアイテムを入れ込んでホッと一息が吐けましたわ……。
徹夜でアイテムを作るなんて久しぶりでしてよ。
「カイル、聖水を150個用意してありますから、後で冒険者ギルドの方がいらしたら渡してくださる?」
「分かった。今日はもう無理をするなよ?」
「薬草園の手入れが終わりましたらひと眠り致しますわ。それとカイルには各種の魔石を大量に仕入れてきて欲しいんですの」
「500個ずつあればいいか?」
「そうですわね。それでも少ないくらいですけれど、お願いしますわ」
「大量仕入れ出来る所を探しておくよ」
「お願いしますわね」
こうして、簡単にですけれど薬草園を綺麗にしてからわたくしはベッドに倒れ込み、そのまま昼過ぎまで眠ってしまいましたの。
慌てて起きて池鏡で二店舗の様子を見ると、在庫は何とか間に合っている様子。
パッと見で足りなさそうな透明グロスだけは大量に作りましたけれど、後は鞄に残していた聖水を只管作りますわ。
冒険者の方々を見ると、確かに余裕がなさそうで、何事も起きなければ良いなと思いつつも、わたくしが出来ることはアイテムを作る事のみ。
せめて少し値段を下げて冒険者の方々を応援することが出来ないか、カイルに相談することにしましょう。
特にポーションなんて、命にかかわりますものね。
そう思い、ブレスレットでカイルに相談したところ、明日からポーション等を【ダンジョン活性化につき】と言う事で、少し安くしてくださることになりましたわ。
そうなると、今日の夜もポーション作りに励まねばなりませんわね。
今のうちに作れるだけ聖水を作って、夜は皆さんが劇団に行っている姿を見ながらポーションを作って……。
今日は少し早めに、カイルたちが戻ってくる前に疲労回復の温泉に入って英気を養い、備えなくてはなりませんわ!!
時間を見ると、店の閉店まであと二時間。
聖水は45個ほど作れたので、急いで温泉へ入り疲れを取りますわ。
少し長めの温泉に浸かったら、身体を拭いて着替えを済ませ、別のアイテムボックスに入れていたポーション関連を池鏡に持って行き更に作業に入ると、丁度ネイリストの皆さんは劇団に向かう所だった様子。間に合いましたわ!
さあ、お仕事どうなるかしら!!
シッカリと見学させて頂きましてよ!!
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