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出会いと恋
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小学生1年生の時のこと。
「あ、あのさ…!」
幼なじみがもじもじしながら話しかけてきた。
「どうしたの?」
「こ、これ…」
僕達には大きな箱を後ろから前に出してきた。
「これは?」
「た、誕生日でしょ?その…プレゼント…」
「ありがとう!」
箱を受け取ると彼女はまるで逃げるように背を向けた。
「そ、それじゃあお父さんにそれの事聞かれてもはぐらかしてね!」
「あ…」
そしてそのまま家に帰っていってしまった。
プレゼントを彼女の家の隣の自分の家に持ち帰ると自分部屋に戻って早速包みを開けてみた。すると中には金色の髪をした女の子の人形だった。綺麗なふわふわの白いドレスに綺麗な青い瞳の素敵な見た目だった。
彼女を見た瞬間、他の全てがどうでも良くなってしまった。彼女の全てに僕の、俺の心は捕まってしまった。
そして、きっと俺の人生はこの日始まったんだと確信した日だった。
リリと名付けた彼女に首ったけになってしまった俺はその日以来人並みにこなしていた勉強なども手がつかなくなり成績は限界まで落ちていった。俺は彼女さえいればそれでいい、彼女が失われれば死んでもいいと思うようになっていた。だがある日父さんに言われたこの言葉以来俺は成績を取り戻した。
「お前な、その子に全てを捧げるのはまあいいが、それならむしろその子に相応しい人物ならねぇか?」
そう、俺はその日以来取り戻すどころか全てを完璧にこなせる様に努力をしていった。
学校ではリリの事を幼なじみにすら隠しただただやる気がなくなっていただけと言う事で学校生活を取り戻した。
勉強、運動、人助け、掃除等を率先して行い彼女に相応しい男になる為に完璧を目指していった。
彼女に他にも服を着せたいと思い裁縫関連の仕事に付いていた母に教えてもらいながら様々な服を作っていった。
家事が出来るように勉強をして気づけば母よりも家事が上手くなっていた。
本当の意味でリリに捧げた。そのために生きていた。
そしてそれから10年の時が流れた。
ある日彼女にいつもどうり朝の挨拶をして着替えようと彼女に背を向けた時に後ろから声が聞こえた。
「オ、おはようございまス…」
「え…?」
信じられないと震えながら後ろを振り向いた。
そこには彼が手ずから作った服を身に纏いいつもリリを置いてある台の上に座った少女がいた。
これはそんな彼女と俺の話。それ以上でもそれ以下でもないそれだけの話。
「あ、あのさ…!」
幼なじみがもじもじしながら話しかけてきた。
「どうしたの?」
「こ、これ…」
僕達には大きな箱を後ろから前に出してきた。
「これは?」
「た、誕生日でしょ?その…プレゼント…」
「ありがとう!」
箱を受け取ると彼女はまるで逃げるように背を向けた。
「そ、それじゃあお父さんにそれの事聞かれてもはぐらかしてね!」
「あ…」
そしてそのまま家に帰っていってしまった。
プレゼントを彼女の家の隣の自分の家に持ち帰ると自分部屋に戻って早速包みを開けてみた。すると中には金色の髪をした女の子の人形だった。綺麗なふわふわの白いドレスに綺麗な青い瞳の素敵な見た目だった。
彼女を見た瞬間、他の全てがどうでも良くなってしまった。彼女の全てに僕の、俺の心は捕まってしまった。
そして、きっと俺の人生はこの日始まったんだと確信した日だった。
リリと名付けた彼女に首ったけになってしまった俺はその日以来人並みにこなしていた勉強なども手がつかなくなり成績は限界まで落ちていった。俺は彼女さえいればそれでいい、彼女が失われれば死んでもいいと思うようになっていた。だがある日父さんに言われたこの言葉以来俺は成績を取り戻した。
「お前な、その子に全てを捧げるのはまあいいが、それならむしろその子に相応しい人物ならねぇか?」
そう、俺はその日以来取り戻すどころか全てを完璧にこなせる様に努力をしていった。
学校ではリリの事を幼なじみにすら隠しただただやる気がなくなっていただけと言う事で学校生活を取り戻した。
勉強、運動、人助け、掃除等を率先して行い彼女に相応しい男になる為に完璧を目指していった。
彼女に他にも服を着せたいと思い裁縫関連の仕事に付いていた母に教えてもらいながら様々な服を作っていった。
家事が出来るように勉強をして気づけば母よりも家事が上手くなっていた。
本当の意味でリリに捧げた。そのために生きていた。
そしてそれから10年の時が流れた。
ある日彼女にいつもどうり朝の挨拶をして着替えようと彼女に背を向けた時に後ろから声が聞こえた。
「オ、おはようございまス…」
「え…?」
信じられないと震えながら後ろを振り向いた。
そこには彼が手ずから作った服を身に纏いいつもリリを置いてある台の上に座った少女がいた。
これはそんな彼女と俺の話。それ以上でもそれ以下でもないそれだけの話。
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