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8章 教皇と魔物退治
第381話 禁足地の門
しおりを挟む二人は特に問題も無く禁足地へと辿り着いた。
するとそこには大きな壁で囲まれた場所の前に二つの詰め所があり片方には獣人、もう片方には人間が詰めていた。そしてよく見てみると人間の方は騎士団の制服を着ていた。
「人間と獣人、両方いるんですね。」
「どっちかだけにしておくとやらかすやつが昔居てな、話し合った結果こうなったんだよ。」
「なるほど。」
「一応言っておくと反対側にも同じのがある。」
そう話しながら歩いていくと両方の見張り担当が気づいたのだろう詰め所から慌てたように人が溢れ出してきて敬礼をガレルに向けた。
「お疲れさんお前ら。」
「はっ!団長…いえ、教皇様もお疲れ様です!」
騎士団員は凄い緊張した様子で言葉を返した。それを見てガレルは笑った。そして小さく「仕方ないけどな。」と呟いた。
「お前さんらは…誰も前とは変わってないのな。」
「毎年交代していては我々は国民全員が見張りを担当する羽目になりますので。」
「はは、それもそうか。」
獣人達は少しだけ気の抜けた様子だが姿勢は一切崩さずに敬礼をしている。
毎年見るその光景に安堵しながら、ガレルは真っ直ぐ大きな壁にある扉を見つめる。
少しずつ開いていくそれはこの数十年ガレル以外は通るものがいなかった。その先からは独特の気配が放たれていた。
「伝令は町長の遣いより受けております。」
「そうか。周囲の人払いは?」
「完了しております。最悪壁が消し飛ばされても大丈夫なように周りに全力で騎士団が結界を貼っております。」
「ご苦労。」
そう言うと獣人の一人が持ってきた袋を受け取り、完全に開いた門を見て笑った。
「それじゃ、行って来る。」
そう言ってガレルはシオンを供に真っ直ぐに進んでいくのだった。
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