竜の契約者

間章 勇者と森妖精の泡沫の鎮魂歌

第371話 エピローグ2 人魚の歌姫の童話

これからするお話は森妖精のお姫様が里に帰ってきた時に書き始めた絵本のお話。

長い時間をかけて再び出会えた人魚の歌姫とその導き手のお話。

童話、『人魚の歌姫』どうぞご清聴下さい。


―――むかし、むかし、あるところに人魚の女の子がいました。

女の子はごはんよりも何よりも歌うのが大好きでした。

とてもきれいな歌声で海の仲間達も女の子の歌を聞くのが大好きでした。

そんなある日、女の子がいつもどうり歌っていると、男の人が話しかけてきました。

「すごくいい歌だった。その歌を皆に聞いてもらわないか？」

どうやら男の人は女の子の歌に感動して他の人にも聞いて欲しくなったようです。

女の子はよく分からないと首をかしげました。

男の人は女の子にこう言いました。

「歌っても怒られない場所をあげるってことだよ。」

その言葉に少女は目を輝かせ、少女は首を縦に振りました。

そうして劇場が出来上がりました。

劇場には色んな人が集まりました。みんなみんな女の子の歌を聞いて幸せな気持ちになりました。

女の子は歌って幸せな気持ちになりました。

みんな幸せでした。

ある日悪者が現れました。

悪者は幸せを奪っていきました。

女の子は逃げました。逃げて逃げて逃げ続けました。

それから長い長い時間が立ちました。

女の子は悪者を倒してくれる人を探しました。

誰も助けてはくれませんでした。

それでも助けを呼び続けました。

そして遂に手を差し伸べてくれる人が現れました。

一人は人間の勇者様、バカンスに来ていたところで助けを呼ぶ声が聞こえたそうです。

1体は魔物の魔王様、見回りで世界を回っていたところ、女の子が目に止まったそうです。

一人は森妖精のお姫様、修行の為に来たところ女の子に声をかけられました。

三人はお願いされて二つ返事で了承しました。

種族も何もかも別の三人は協力して悪者に立ち向かってくれました。

魔王様は悪者の手下の巨人を一撃で倒しました。

森妖精のお姫様は悪者の騎士を正式な決闘のもと倒しました。

そして勇者様は悪者を一刀両断しました。

そうして人魚の里に平和が戻りました。

悪者に捕まっていた男の人も助け出されました。

三人はお礼に歌を聞かせてもらいました。

その後助け出された男の人と女の子は二人は幸せに暮らしました。

めでたしめでたし。

―――－―

――姫様…これでいいんですか…？

――…ん…だって…幸せな結末…がいい…

――それも…そうですね。分かりましたこれで里の方に伝えますね。

――…ん…お願い…。

そうして、森妖精の姫は海を眺める。里の外で出来た友人を思う。せめて物語の中でだけでも幸せに、と。

間章　終わり