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間章 勇者と森妖精の泡沫の鎮魂歌
第354話 そして今に至る
しおりを挟む「ミーリア師匠!」
「勇者様との用事が終わって駆けつけてみたら…!まさか、こんな、ことに!なってるなんて!」
鎖を引きちぎろうと足掻くビーステットに振り回されないよう体を動かしながら喋るミーリア。それを見たレルトがマリウスと頷きあいビーステッドの動きを封じる。
その瞬間鎖から手を離したミーリアが腰の長剣を引き抜き魔力を込める。
「『主よ私に死より蘇りし者を再び貴方の元へ送る力を!』、『返還の剣』!」
光を纏った剣でビーステッドを切り裂くとまるで魂が抜けたかのように動かなくなり動き出すことは無かった。
「おお!」
「これならば!」
「だめ、この数を捌くには私の魔力じゃ足りない。」
「なら、道は一つだよね…」
「皆逃げよう!」
リアの言葉に皆頷き、ミーリアを一番後ろにマリウスとリアが先頭を務めホテルへと戻っていった。
「あの状態で私達の誰にも被害が出ず戻ってこられたのはミーリアのお陰です、ありがとうございました。」
マリウスがファルーグ達への報告から帰って来たあとの一言目がそれだった。
ミーリアは恥じらったり照れたりせず感謝を素直に受け取った。
「どういたしまして。これも私の正規の仕事だから言葉以上は必要ないけど。」
本人もあまり必要としておらずあまり感謝しすぎるのも問題なので早めに本題に入ることにした。
「マリウスくん、ファルはなんて?」
「即決は出来ないようで時間が欲しいとのことで。」
「そっか…」
「無理もないと思います。ニイ様の適性は闇と回復、アンデット退治には向いていませんから…」
「それを言うなら魔王様…ファルーグ様も同じです。炎と風、選択肢は炎で焼き払うしかないレベルですからね。」
フィリアとマリウスの言葉を聞いてミーリアが考え始める。
(確かにアンデット退治には光の適性が欲しい、闇の魔法はほとんど効かないというか物量で押し切るしかないレベル、炎は周りへの被害が一番酷い。これは…私達も策を考えないとダメね。)
思考を纏めたミーリアは皆に話したあと話し合いを始めた。
そしてその中であることに気づいた。
「フィリア、貴方そういえば光の適性あったわよね。」
「はい、ありますけど…?」
「なら…ぶつぶつ…」
ぶつぶつ言い始めたミーリアは3分後、改めて口を開いた。
「時間を稼ぐことしかできないけと良い作戦思いついた。」
それを聞いた一行は感嘆の声を上げたあとさっそく準備に取り掛かるのだった。
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