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間章 勇者と森妖精の泡沫の鎮魂歌
第338話 湯船2
しおりを挟む「おお~結構なものですね~」
「まあ、戦う上での必要最低限はつけてるからなこれくらいはな。」
「またまた謙遜を~」
ふにふにと体をニイにくっつけながらニイの腹部を触る女性は段々と楽しくなってきたのか声のトーンが上がっていく。
触る場所も腹部から胸部や下腹部まで広がり始めていた。
ニイは気にしなかったのだが頭の中が物凄くうるさい。
ファルーグが興奮に興奮を重ねてもはや文字表せないくらいの興奮状態だった。
気絶させたいがさせるとニイは左側に倒れてしまうので出来ないことに歯噛みをしていた。
頭の中なので鼓膜が破れることが無いのが救いなのか問題なのかよく分からなくなってきていた。
流石に湯着の中に手が入りそうなところで止めた。
「おっと、ごめんなさい。」
「セクハラ以上のなにものでもなくなるからな、気をつけろ。」
「うんそうする。…」
「なんだ。」
「本当に興奮してないんだね。」
「?そりゃあな。」
「ん~思う存分触っちゃたしお返しに触っていいですよ~」
「?」
「ですから私のお腹とか触ってもいいですよ。」
「はぁ。」
「さぁどうぞ!」
手を大きく開き、さぁ触れ!と言わんばかりの女性に断ろうと思ったニイだったがこういうタイプはめんどくさく縋ってくることを思い出したニイは手を伸ばした。
「あれ?腕なんですか?」
「そっちは出てる肌を触ったんだからこちらも出てるところを触るのが交換条件になるだろう。」
「うーん…まあ、いいや。触り心地どうです?」
二の腕のあたりを触るニイに取り敢えず聞いてみた。
ニイは表情を変えず少し満足気に手を離した。
「悪くはなかった。」
「そうですか~。」
女性はそういったあと考えるような動作をしたあと肩を落とした。
「あ~これは私の負けですね~」
「負け?…さっき言ってた友達と俺が反応するかで賭けでもしてたか。」
「バレましたか~。」
「さしずめあんたは俺が反応するで賭けてたな?」
「そういうこと~。」
「そりゃ残念だったな。」
「う~ん流石に悔しいし、お兄さん私達の部屋に来ない?」
「いかない。」
「そっかぁ~」
ちょっと名残惜しそうだったが、少し遠くに入っていた同じく獣人の女性と共に手を振りながら風呂場を出ていった。
「全く、表情変わらないやつと話して何が楽しいのか。」
疲れを取るつもりが地味に疲れてしまったニイはそんなふうにぼやいた。
「…顔がいいから…じゃない…?」
そのニイにどこか特徴的な喋り方で後ろから声がかけられた。
その声に反応したニイが振り向くとそこには、
「あなた…もこっちに来てたんだ…」
胸元と股の周りだけを隠すタイプの湯着を着たルアーナが立っていた。
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