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間章 勇者と森妖精の泡沫の鎮魂歌
第327話 ジェットストリーム
しおりを挟む「ど、どうしようかミーちゃん。」
少し離れた所にいた他のメンツは割り込もうにも先程止めに走ってくれた従業員のようになりたくないため後ろで巻き込まれないように結界を貼って見ていることしか出来ない状態だった。
「一応二人にスキが出来れば私なら止めることは出来るんだけど…」
「それよりフィリアさん回収したいんですが…」
二人が戦っている直ぐ側で死ぬ気で流れ弾を全力で交わしながらどうにか離れようとして中々離れられないフィリアがいた。
「レルトの言うとおりですね、取り敢えずフィリアさんを回収するのがあれを止めるよりは現実的です。」
レルトとマリウスの男性陣がフィリア救出計画を立てているとホテル側から慌てて駆けつけてくる影があることにミーリアは気づいた。
魔法によって足を生やしている従業員の人魚に案内され来たのは10体ものマーマンたちだった。
「確かにお客様同士が戦闘を行っていますね。ですが我々では武器を一時的に跳ね飛ばすくらいしか出来そうに無いですね…」
状況を見た一番先頭にいたマーマンが苦い顔をしながら冷静に言った。ミーリアはそれに食いついた。
「武器を飛ばせるんですか!?」
「はい。我々ならお二人を止めることは出来ませんが一時停止は出来ます。」
「それなら…私にも手伝わせてください!」
ミーリアとマーマン達が少し話すとお互いに頷き両者とも戦闘態勢に入った。
「ゆくぞ!我が兄弟達よ!我等の身命かけて止めるぞ!」
「「「「「「「「「了解だ、兄者!」」」」」」」」」
マーマン達に水の魔力が宿りだす。それを見てミーリアも自らの体に身体強化を付与し始める。
マーマン達の魔力が今にも破裂しそうなくらい溜まった瞬間その体が矢のように放たれた。
「必殺!『激流突進』!」
それはまるで止められていた激流が如く、足元の砂浜すら抉り取っていく勢いでニイ達に突撃をしていく。ニイとルアーナもそれに気づいたが気づいた時にはもう遅く綺麗に鍔迫あっていた武器だけがお互いに吹き飛ばされ一瞬呆気に取られ動きが止まった。
その瞬間目にも留まらぬ速度でその激流の下を潜って着たミーリアが二人の中間に滑り込んだ。ミーリアは思いっきり地面を踏みしめ魔力を込めた掌底を二人に叩き込んだ。
「奥義『スタンインパクト』!」
二人の腹部に打ち付けられたそれは腹部への衝撃と魔力の強制侵入により体内の魔力がぐちゃぐちゃにした。
強靭である二人であってもこれには耐えきれず気を失った。
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