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7章 勇者と魔王の正義
第318話 忘れ物
しおりを挟む話を終え、再び一つとなった二人は魔王城から出た。
「お前は本当に俺と一緒でいいのか?めんどくさいだけだろ?」
『特段そういうことは無い。汝は一人では動けもしないだろう?』
「まあ、そうだな。それには感謝しかない。」
問題が無いならそれでいいとニイはこの話題を終わらせることにした。
「そういえば忘れ物って何だったんだ?」
『ああ、これから回収するのだ。』
「城の外にあるものだったのか。」
主導権を入れ替えた二人は城にくるりと振り返った。
『それで?何なんだよ。』
「見ているがいい。」
ファルーグが手を掲げ、何かを唱えたかと思えば突如魔王城の周りから霧が発生し始めた。
『これは…キャスニアの周りにあるものと同じ霧か。』
「うむ、許可しない者への存在確認阻害の霧だな。魔王の座を開ける時はこうするのが決まりでな。すっかり忘れていたのだ。」
『それ、魔王が生きていること前提じゃないか?』
「一応、一番の側近我で言えばマリウスだな、にも出来るようにはなっている。」
『なるほど。』
霧で城が包まれたのを確認した二人は帰ることにした。
「それでは帰るとしようか。」
『ああ。』
7章 終わり
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