竜の契約者

ホワイトエンド

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7章 勇者と魔王の正義

第317話 二人の話 後編

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まず1つ目の問だ。

これは分かりきっていることだが改めて確認する。

なんだよ。

困っている者がいたらどうする?

助けるよ、当然だろ?

うむ、分かっている。だから分かりきっていると言ったのだ。

お前は?

無論、助ける。

だよな。

次が本題だ。

その助ける相手が悪人だったらどうする。

悪人だったら、か。

今回の件がまさにそうだ。

あの青年は間違いなく悪だった。

何人もの人を手に掛け、ましてやミーリアの友人にさえも手を出したのだ。



本来なら見捨てても可笑しくない所業だ。

なぜ助けた?

助けを呼んでいたから。

悪いことをしたやつだぞ?

関係ない。

俺にとっては助けを求める人達は平等だ。

………

次だ。

複数人助けを待っている場合はどうする?

無理をしてでもみんな助ける。

汝が死ぬような時でもか。

ああ。

同時に助けなければ助けられないときはどうするのだ。

それが出来る力を今の俺は持っている。

………

ここからは我のやることに対しての境界線を確認するぞ。

分かった。

一つ目、我の行いによって人間に被害が出ることは許せるか。

大丈夫だ。

二つ目、我は我の義を持って相手を敵と判断し戦う、それに文句はないか。

誰でも同じだから大丈夫だ。

最後に、我は悪の道すら平気で渡る。汝は許せるか。

外道に落ちないなら大丈夫だ。

そうか…汝は我に心を許しすぎだ。

そろそろ、長くなってきたし別にいいだろ?

生涯、運命共同体だろうしな。

ああ、これからもよろしくな優しい魔王殿。

フッ、良かろう。これからも貴様に付き合ってやろう、お人好し勇者。

決して名をお互いに呼ばぬ二人、だが確かにその絆は深まった。
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