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7章 勇者と魔王の正義
第301話 誘い込み
しおりを挟む「だ、団長!?ど、どうして…」
「そこに座れ。」
「了解しました。」
「え?え?」
困惑するミーリアを放置してニイとディレードは机を挟んで向かい合う。
それを見たミーリアは一瞬どちらの横につくべきか悩んで今は、ということでニイの横に立つことにした。
「内容は今起きている事件に関してです。」
「通り魔殺人事件だな?」
「はい、その犯人陽動の手助けをして欲しいのです。」
「ノースウィーのしたことを忘れたのか?」
「忘れてはいません、先日同じ理由で魔王に襲われました。」
「どの面下げて来てる?と言われてもおかしく無いんだぞ?」
「私の命と引き換えにでもこの事件は解決しなければいけません。」
「…」
「それに勇者様が対応して下さっているということは魔王は私には関わらないという結論で間違い無いですね?」
「ああ、どうするかは俺に決めろと言われている。」
「ありがたいことです。」
「役割を言え、それで判断する。」
「役割は犯人の誘い込みです。」
「…どこまでだ?」
「それは請け負って頂いたあとで教えます。聞いただけで断られ邪魔をされては困りますから。」
「…分かった請け負おう。」
「ありがとうございます。それでは決行は明日、もう日を跨いでいますので今日の早朝いたします。」
「分かった。」
「勇者様の担当はこの周辺です。ミーリアはそのままお貸しいたしますのでご自由に、それでは。」
椅子から立ちペコリと頭を下げて扉まで歩いていく。それを見てミーリアは慌てて扉まで行って扉を開けた。
「勇者様、悪に裁きを与えるための協力よろしくお願いします。」
そう言ってディレードは部屋から出ていったのだった。
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