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5章 天衣無縫の少女と欲望の町
第198話 襲撃者撃退
しおりを挟む「イズラ!ウルグ!」
エリリスが倒れている門番の二人に慌てて駆け寄る。
「何が会ったの!」
「エリ…リス様…貴方様の…かく、ほと、言っていました…」
それだけ言い残すとイズラと呼ばれた門番は気を失った。
「エリリスさん、ひとまず俺の後ろに。建物の中に入る。」
「…分かった。」
歯を食いしばりながらエリリスはハリエスの後ろについた。
「少し俺の戦い方は荒いから気をつけてくれ。」
「そんなに?」
「メインは格闘術だからな。動きもフルルさん以上だ。」
「どうりで武器を持ってないわけだね。」
「行くぞ。」
「(口調、荒いのは言わない方が良さそうだね。)うん、行こう。」
二人が建物の中に入るとそこにはまさに戦闘中のサヤ達がいた。黒いスーツに身を包んだ男達がサヤを相手に魔法と剣で攻撃をしていた。そのサヤは苦い顔をして剣を前に構え、結界をはっていた。後ろにはセイを含めた非戦闘員の使用人達が震えるように集まっていた。前側には戦闘員である使用人達が胸元等に傷を受けて血を流して倒れていた。
「サヤさん、私共はよろしいですからあやつらの制圧を!」
「駄目です!エリリス様は私に貴方達を任せて遊びに行かれたんです!せめて騎士ディレード達が戻るまで持ちこたえて見せます!」
どうやら後ろの皆を守るために攻勢に出れないようだった。
そこで横から襲撃者達を攻撃する影があった。
「おらぁ!《オーラバーストラッシュ》!」
ハリエスが手に魔力を纏わせ一番後ろにいた魔法を打っていた男達を殴り飛ばした。
青白い魔力を纏った拳でそこにいた三人ほど吹き飛ばした。
壁に叩きつけられた男達が口から血を吐いた。
「な、なんだ貴様は!」
「ブレイ騎士団の者だ!武器をおろして投降しろ!」
「騎士団だと!?」
「くっ、到着が早すぎる!」
「相手は一人だやっちまえ!」
男達がサヤからハリエスへと意識を動かした瞬間後ろから斬撃がとんだ。
「なっ…」
「これで終わりです。」
男達が持っていた武器が真っ二つに切り裂かれていた。男達が振り向くとそこには剣を振り抜き、剣を鞘にしまうサヤの姿があった。
「視線をずらすのは失敗だ。」
ハリエスがそう言うと男達は後ろから来た衝撃波に膝をついた。そしてそのまま頭を後ろから殴られ全員気絶した。
こうして襲撃者は皆、捕らえられたのだった。
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