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5章 天衣無縫の少女と欲望の町
第197話 帰路
しおりを挟む店を出た二人は町を歩きながら屋敷へと戻っていた。
「お酒入ってるのにずいぶんと足取りがしっかりしてるわね。」
「私は寝る時に一気に酔いが来るんです特に仕事中なら。」
「なるほど。」
ハリエスは話ながらも周りを警戒していた。
「このあとは帰還で問題は無く?」
「ええ、問題ないわよろしくね?」
「了解しました。」
エリリスが歩く少し後ろをハリエスが警戒しながら着いていく。
「あ、あの子かわいい。」
「あっ、ちょ…」
「お、あの芸人さんジャグリング上手いわね。」
「その、待って…」
あちらこちらにふらふらと引き寄せられてはハリエスに掴まれて、帰り道に戻されるを繰り返す。
その間もハリエスにも客引きが来るのだが仕事中だからの一辺倒で拒否していた。
「夜の街を遊ぶくらいだめ?」
「それで何かあったら責任が取れませんので辞めて下さい。」
「ディレードよりケチね。」
「団長は対処する頭がありますが私には頭はありませんので。」
「ふーん、私が誘拐されたらどうするの?」
「団長達が来るように叫びながら犯人を出来る限り追いかけて殴ります。」
「なんというか…ふふ。」
「取り敢えずそれしか出来ませんので自由に回りたければサヤさんでも呼んでください。」
「まぁいいけど帰ろ帰ろ。」
屋敷に近づく程に辺りが暗くなっていく。
「やはりここら辺は暗いですね。」
「うん、朝でも暗くしてあるからね。」
「なるほど、吸血種は日差しに弱いですもんね。」
「あっという間に日焼けみたいになるだけとはいえ、うざいからね。」
「そうですか。」
屋敷の前にたどり着くとそこには護衛の人間達が倒れている姿があった。
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