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5章 天衣無縫の少女と欲望の町
第171話 いざカラガスへ
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そして、出発日当日。
集合場所はリンぐらいにしか伝えていなかったが、皆何も考えず大聖堂に集まっていた。
「なんか……集まれましたね…」
「さすが騎士団長ですね。」
「いやどういうことですか」
「ハリエス君は相変わらずだな。」
「まあな。これを直そうと思ったがお前が抜けてからは余計に直せなくなった。」
「一番上がディレードになっちまったからなぁ。」
「問題は無いです。むしろメリットしかないです。」
「フルルはそうだろうけどよぉ……」
わちゃわちゃと自由に話をする一行。それを見てリンは萎縮してしまっていた。
それを見て、仕方ないと思いながらディレードはガレルに声をかけた。
「義父さんそろそろ出発しましょう。彼女、かなり気が短いでしょう。」
「おっと、それもそうだな。転移するから集まれ。」
「おうよ。」
「分かりました。」
ガレルに反応したのはフルルとルガードの親子でそれ以外は無言で周りに集まっていた。
「《開け旅立ちの扉》、《転移門》。」
魔力が辺りを通ったあと一瞬にして周りの景色が書き換わった。
そこは色とりどりの光が窓から見える部屋の中だった。どうやらどこかの待合室のようだ。
「じゃ、ちょっと呼んでくるからちょっとまってな。」
そうしてガレルは部屋から出て行った。
それを見て慌てたようにリンはディレード達にペコリとお辞儀をしたあとに部屋を出て行った。
女性陣を座らせてから少ししたあと部屋にガレルが二人の人を連れて戻ってきた。
一人は綺麗な黒髪を一つにまとめたメイド服の女性、格式高いメイド服に包まれたその姿は自らの仕事に誇りを持っているのが分かる。
もう一人は、薄めの白いワンピースを着た少女だ。その姿は服が余計に見えてしまう程に、理想の少女の体だった。豊かな金髪の髪をこれまた自然な状態でおろしていた。服ですら彼女に纏わりつくのを許されていないような状態だった。
少女にアリスとハリエスが目を釘付けにされていると彼女が口を開く。
「ふふ、ワタクシに見惚れるのは分かりますが、正気の戻ってね?」
「は!?」
「ん!すみません。あまりに綺麗でしたのでつい。」
「わ、私も同じくです。すみません。」
「皆が見惚れるのは仕方ないわ。だってワタクシだもの、理想の体であるワタクシは皆に見惚れられて嫉妬されてしかるべきだもの仕方ないわ。」
「は、はい」
「主様、そろそろ自己紹介を。」
「あら、そうね。ワタクシとしたことが。」
そこでコホンと咳払いをして女性陣が座った反対側のソファーに座った。
「ワタクシはエリリス・フィアーズ・ヴァン。このカジノと町の暫定管理者をしている《吸血種》よ。よろしくね、かわいいかわいい協力者さんたち。」
集合場所はリンぐらいにしか伝えていなかったが、皆何も考えず大聖堂に集まっていた。
「なんか……集まれましたね…」
「さすが騎士団長ですね。」
「いやどういうことですか」
「ハリエス君は相変わらずだな。」
「まあな。これを直そうと思ったがお前が抜けてからは余計に直せなくなった。」
「一番上がディレードになっちまったからなぁ。」
「問題は無いです。むしろメリットしかないです。」
「フルルはそうだろうけどよぉ……」
わちゃわちゃと自由に話をする一行。それを見てリンは萎縮してしまっていた。
それを見て、仕方ないと思いながらディレードはガレルに声をかけた。
「義父さんそろそろ出発しましょう。彼女、かなり気が短いでしょう。」
「おっと、それもそうだな。転移するから集まれ。」
「おうよ。」
「分かりました。」
ガレルに反応したのはフルルとルガードの親子でそれ以外は無言で周りに集まっていた。
「《開け旅立ちの扉》、《転移門》。」
魔力が辺りを通ったあと一瞬にして周りの景色が書き換わった。
そこは色とりどりの光が窓から見える部屋の中だった。どうやらどこかの待合室のようだ。
「じゃ、ちょっと呼んでくるからちょっとまってな。」
そうしてガレルは部屋から出て行った。
それを見て慌てたようにリンはディレード達にペコリとお辞儀をしたあとに部屋を出て行った。
女性陣を座らせてから少ししたあと部屋にガレルが二人の人を連れて戻ってきた。
一人は綺麗な黒髪を一つにまとめたメイド服の女性、格式高いメイド服に包まれたその姿は自らの仕事に誇りを持っているのが分かる。
もう一人は、薄めの白いワンピースを着た少女だ。その姿は服が余計に見えてしまう程に、理想の少女の体だった。豊かな金髪の髪をこれまた自然な状態でおろしていた。服ですら彼女に纏わりつくのを許されていないような状態だった。
少女にアリスとハリエスが目を釘付けにされていると彼女が口を開く。
「ふふ、ワタクシに見惚れるのは分かりますが、正気の戻ってね?」
「は!?」
「ん!すみません。あまりに綺麗でしたのでつい。」
「わ、私も同じくです。すみません。」
「皆が見惚れるのは仕方ないわ。だってワタクシだもの、理想の体であるワタクシは皆に見惚れられて嫉妬されてしかるべきだもの仕方ないわ。」
「は、はい」
「主様、そろそろ自己紹介を。」
「あら、そうね。ワタクシとしたことが。」
そこでコホンと咳払いをして女性陣が座った反対側のソファーに座った。
「ワタクシはエリリス・フィアーズ・ヴァン。このカジノと町の暫定管理者をしている《吸血種》よ。よろしくね、かわいいかわいい協力者さんたち。」
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