竜の契約者

5章 天衣無縫の少女と欲望の町

第141話 休み

（さて何をしましょうか…）
家を出たディレードは少し歩きながら頭を悩ませていた。
（なにせ勇者様が召喚されて以来の休みですしね…）
実はニイが召喚されてから半年以上経っている。その間ディレードは休み無しで働き詰めだったのだ。実は一月くらいの休みがまとめて取らされているのだ。
「皆が働いている中、休みを貰うのは申し訳ないとは言ったんですけどね。」

昨夜報告の時
「お疲れ様でした。休みをまとめて取ってください。」
「え？そんなに取れない？本来なら、二ヶ月なのを縮めたんですから諦めて下さい。」

「と言われましたからね…」
ため息をつきながら町へと歩いていく。彼の家は、町から出た森の中にある小屋だ。義父が好んで作ったのだから文句は無い。
「あ、ディレード団長おはようございます！」
「む、おはようございます、ゲアルト君門番お疲れさまです。」
「ディレード団長はお休みですか？」
「ええ、半年分溜まってますからね。」
「あー、確かにそうですね！ごゆっくりなさって下さい！」
「まあ、そうしますよ。」
そう言いながらディレードは門をあとにした。

「ふむ、取り敢えず来週以降、恐らく長くて二週間くらいは調査ですかね。バレたら教皇には怒られるでしょうね。」
そう言いながらディレードは町の人からあいさつをされながら町を歩いていく。
「取り敢えず半年離れた町です改めて見回りましょうか。」
一度町を純粋に見回ることにした。