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4章 聖人と少女と暗殺者
第116話 邂逅後
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その後アリスとフルルは別行動していたディレードに連絡を取り、拠点であるアパートメントに戻ってきた。
「なるほど、逃げる頭はある、と。」
「うん。それに女の子が泣いてても興奮もたじろぎもしてなかった。」
「なるほど、中々捕まえるのが難しそうですね。」
「うん。私まで目を離したのがいけなかったね…」
「そうは言っていません。フルル一人なら移動すらままならなかったでしょう。ましてやフルルは無茶をしますからね。そのまま最悪追いかけていたかもしれません。」
「さ、流石に言い過ぎ。私だってそういう時は動かないようにするし。」
頬を膨らませて抗議するフルルに対しディレードは肩を竦めため息をつきながら反論を返した。
「はぁ、そう言って足にヒビが入っているのを黙ってて戦闘中に折れた挙げ句魔物に殺されかけたのはどこの誰ですか。嫌ですよ私、自分のミスで命を落としたなんて親御さんに報告するのは。」
「うっ……あの時は…」
気まずそうにだがどこか興奮をしているような雰囲気でフルルは目を逸らした。そんなこと全く気にせずディレードは言葉を続ける。
「あの時の私の心配がどれだけだったと思うんですか!目の前が真っ暗になりましたからね!?」
「しっ、知ってる…」
「でしたら!」
「ま、まぁまぁ今はそのへんに…」
このままだと延々と説教が続きそうなので取り敢えず止めに入ってみる。
「「うるさいアリス(さん)は黙ってて。」」
「はい…んん?」
その後、一時間程度話は続いた。
「なるほど、逃げる頭はある、と。」
「うん。それに女の子が泣いてても興奮もたじろぎもしてなかった。」
「なるほど、中々捕まえるのが難しそうですね。」
「うん。私まで目を離したのがいけなかったね…」
「そうは言っていません。フルル一人なら移動すらままならなかったでしょう。ましてやフルルは無茶をしますからね。そのまま最悪追いかけていたかもしれません。」
「さ、流石に言い過ぎ。私だってそういう時は動かないようにするし。」
頬を膨らませて抗議するフルルに対しディレードは肩を竦めため息をつきながら反論を返した。
「はぁ、そう言って足にヒビが入っているのを黙ってて戦闘中に折れた挙げ句魔物に殺されかけたのはどこの誰ですか。嫌ですよ私、自分のミスで命を落としたなんて親御さんに報告するのは。」
「うっ……あの時は…」
気まずそうにだがどこか興奮をしているような雰囲気でフルルは目を逸らした。そんなこと全く気にせずディレードは言葉を続ける。
「あの時の私の心配がどれだけだったと思うんですか!目の前が真っ暗になりましたからね!?」
「しっ、知ってる…」
「でしたら!」
「ま、まぁまぁ今はそのへんに…」
このままだと延々と説教が続きそうなので取り敢えず止めに入ってみる。
「「うるさいアリス(さん)は黙ってて。」」
「はい…んん?」
その後、一時間程度話は続いた。
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