竜の契約者

ホワイトエンド

文字の大きさ
上 下
119 / 418
4章 聖人と少女と暗殺者

第109話 発見者

しおりを挟む
不思議な青年?と別れた二人は第一発見者の元に辿り着いた。そこは住宅街の中のとある町の一角だった。
「普通の一軒家だね。」
「この町は奇をてらってる方がかなり少ないですからね。さて、早速行きましょう。」
ディレードが目的地の家のドアをドンドンとノックする。すると、中から若い男性の声が聞こえた。
「はい今出ます。」
その声は男性とは分かるがその分男性にしては高い声だった。
「うちは新聞も何も取ってないです…あれ?」
そんなことを言いながら出てきたのは眼鏡をかけた男性だった。髪はボサボサの生えっぱなし、恐らく雑に伸びたら切っているのだろう、毛先がバラバラしている。格好は白衣を身に纏い中は普通のシャツのようだ。少し冴えない顔をした彼はディレードを見ると目を丸くした。
「あれ、ディレード?どうしたんだよ。うち教えてたっけ?」
「なんだ貴方だったんですかイレン君。仕事ですよ、この前の事件のね。」
「ああ…そういえばお前騎士団だったな…ってう、後ろの女は?」
部屋から出てきた男性、イレン・エクリプはディレードを見て安心していた様子からアリスを見て様子が変わった。
「あ、私アリス・ベラールです!今はディレードさんのお手伝いしてます!よろしくお願いします!」
アリスは自分に視線が動いたのを見て即座に挨拶をした。すると、イレンは汗をブワッと書き始めてディレードの襟を掴んだ。
「お、おいぃ!?僕が女性恐怖症だってこと忘れたのか!?いや、そもそも彼女の性格男でも話しかけづらいわ!どう見ても明るさ最高値じゃねぇか!?」
ディレードにしか聞こえないように早口に言葉をまくしてていく。
「貴方だと知っていたら、一人で来たんですが今、始めて知りまして。申し訳ない。」
「ぬぬぬぬ……お前を一切信じられないのになぁ…」
「なぜです?貴方に嘘をついたことなどありませんよ?」 
「いや、僕の前だと本性丸出しだったけど。」
「ハハハ、それはそれこれはこれです。」
「やかましいわ!」
「あのー?」
置いてきぼりを食らっているアリスは二人に近寄って二人を見上げる。
「うわぁ!?えっ、えっとだな…そのうち掃除出来てないのでちょっとディレードにだけ入って貰えるとありがたいんですけど……」
「あ、それもそうですね男の部屋に急に入るのは駄目ですね。それじゃあここで待ってますね。」
「ええ、それじゃあ早めに終わらせるので待っていて下さい。」
そう言い残すと二人は部屋の中に入っていった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

召喚アラサー女~ 自由に生きています!

マツユキ
ファンタジー
異世界に召喚された海藤美奈子32才。召喚されたものの、牢屋行きとなってしまう。 牢から出た美奈子は、冒険者となる。助け、助けられながら信頼できる仲間を得て行く美奈子。地球で大好きだった事もしつつ、異世界でも自由に生きる美奈子 信頼できる仲間と共に、異世界で奮闘する。 初めは一人だった美奈子のの周りには、いつの間にか仲間が集まって行き、家が村に、村が街にとどんどんと大きくなっていくのだった *** 異世界でも元の世界で出来ていた事をやっています。苦手、または気に入らないと言うかたは読まれない方が良いかと思います かなりの無茶振りと、作者の妄想で出来たあり得ない魔法や設定が出てきます。こちらも抵抗のある方は読まれない方が良いかと思います

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが…… アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。 そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。  実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。  剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。  アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。

女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません

青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。 だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。 女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。 途方に暮れる主人公たち。 だが、たった一つの救いがあった。 三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。 右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。 圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。 双方の利害が一致した。 ※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております

処理中です...