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3章 妖精と勇者の剣舞
第82話 地下牢
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1週間後
森妖精の里 地下牢
森妖精の里の地下、そこには滅多に使われない牢があった。こまめな管理人なのか埃一つ落ちていないそこには今、牢の中に一人の青年と牢の外に一人の少女がいた。
「なぁ、いい加減出れないのか俺は。」
「あのですね、勇者様。散々この一週間説明しませんでした?」
「まさかこんな長くなるとは思わないじゃないか。」
「私がここにいる事自体特例ということを考えて欲しいんですけど……」
「それもそうか悪いなミーリア。」
牢に入れられてるのはニイ、外で話しているのはミーリアだ。なぜこんなことになったかというと、
決闘が終わった直後
止めの突きをニイが放ったがそれはルアーナの体から外れていた。なぜなら横からニイ自身の拳が黒い鱗に包まれた状態で剣に当たったからである。
その直後ニイは捕らえられ、ルアーナは治療院送りとなった。
そしてニイはルアーナ殺害未遂の犯罪者として裁判にかけられた。
そこで行われた会話がこれだ。
「そなたはルアーナ様を殺そうとしたか。」
「はい。」
「そなたは最初から殺すつもりだったか。」
「いいえ。」
「そなたはルアーナ様をなぜ殺そうとしたか。」
「真の意味での殺意を向けられたため。」
「殺意を向けられただけで殺しを志したのか。」
「一度殺すしか手は無いと思った。」
「汝が負けを認めればよかったのではないか。」
「負けたくなかった以上。」
「12まで出よかったのではないか。」
「あそこまでいくと体が勝手に動く俺も制御できん。」
といった感じで比較的に有罪よりな発言をしたニイだったのだがここで森妖精の法律が役に立った。
森妖精 法の一
決闘の中で行われた違法は相手次第で有罪か無罪か決める。
この法律が役に立ちルアーナが起きるまでは判決は持ち越されることになった。その間逃げないように牢に捕らえられた。そこでミーリアが見張り役にとサフールトから依頼されここにいるのだ。
「にしてもなぜミーリアなんだ?」
「勇者様やルアーナ様と一番付き合いが短いからということです。」
「なんとなく理解は出来た。どちらにも肩入れをしないようにということだな。」
「そういうことです。」
「そうか悪いな。」
「本当ですよ。なぜ私がこんなことを……」
「それにしても」
「はい?」
「やっぱりミーリアって俺に対してだけ丁寧な言葉言うよな。」
「それは当たり前じゃないですか我々教団の信仰対象ですからね。」
「そうか。」
「呼び方だけでも変えましょうか?」
「いや別にいい。」
「了解しました。」
そんな感じに話し続けてもう1週間、ミーリアは本ランプを付け本を読んでいる。さて一眠りするかとニイは目を閉じた。
夢の中でニイは聞いたことのない声を聞いた。
「私を再び呼び出せるとは流石は私が選んだ者、だが今はまだ出るべきではないな。もう少し後にするか。」
森妖精の里 地下牢
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「なぁ、いい加減出れないのか俺は。」
「あのですね、勇者様。散々この一週間説明しませんでした?」
「まさかこんな長くなるとは思わないじゃないか。」
「私がここにいる事自体特例ということを考えて欲しいんですけど……」
「それもそうか悪いなミーリア。」
牢に入れられてるのはニイ、外で話しているのはミーリアだ。なぜこんなことになったかというと、
決闘が終わった直後
止めの突きをニイが放ったがそれはルアーナの体から外れていた。なぜなら横からニイ自身の拳が黒い鱗に包まれた状態で剣に当たったからである。
その直後ニイは捕らえられ、ルアーナは治療院送りとなった。
そしてニイはルアーナ殺害未遂の犯罪者として裁判にかけられた。
そこで行われた会話がこれだ。
「そなたはルアーナ様を殺そうとしたか。」
「はい。」
「そなたは最初から殺すつもりだったか。」
「いいえ。」
「そなたはルアーナ様をなぜ殺そうとしたか。」
「真の意味での殺意を向けられたため。」
「殺意を向けられただけで殺しを志したのか。」
「一度殺すしか手は無いと思った。」
「汝が負けを認めればよかったのではないか。」
「負けたくなかった以上。」
「12まで出よかったのではないか。」
「あそこまでいくと体が勝手に動く俺も制御できん。」
といった感じで比較的に有罪よりな発言をしたニイだったのだがここで森妖精の法律が役に立った。
森妖精 法の一
決闘の中で行われた違法は相手次第で有罪か無罪か決める。
この法律が役に立ちルアーナが起きるまでは判決は持ち越されることになった。その間逃げないように牢に捕らえられた。そこでミーリアが見張り役にとサフールトから依頼されここにいるのだ。
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「そういうことです。」
「そうか悪いな。」
「本当ですよ。なぜ私がこんなことを……」
「それにしても」
「はい?」
「やっぱりミーリアって俺に対してだけ丁寧な言葉言うよな。」
「それは当たり前じゃないですか我々教団の信仰対象ですからね。」
「そうか。」
「呼び方だけでも変えましょうか?」
「いや別にいい。」
「了解しました。」
そんな感じに話し続けてもう1週間、ミーリアは本ランプを付け本を読んでいる。さて一眠りするかとニイは目を閉じた。
夢の中でニイは聞いたことのない声を聞いた。
「私を再び呼び出せるとは流石は私が選んだ者、だが今はまだ出るべきではないな。もう少し後にするか。」
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