竜の契約者

ホワイトエンド

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3章 妖精と勇者の剣舞

第64話 種族の寿命

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「エルフか。」
「あら?知っていたのかしら?」
「いや俺の故郷だとな、中々メジャーな種族でな。なんもかんも忘れてるなかで忘れられないほどよく聞くんだ。」
『ふむ、勇者の故郷はそういうことには疎い世界だと思っていたが存外あるではないか。』
「そこまで興味が無かっただけだな。まあ、人気ではあったな。」
「他の種族の子を思えるなんて中々いい場所なのね、森妖精の特徴なんだけどね。」
「どんな感じなんだ?」
「まずは、魔法が得意ね。皆適正が人間の上級魔術師くらいはあるわ。」
「魔法勝負を人間がしたら絶対勝てないなそれ。」
「次に身体能力が高めね。」
「この世界身体能力高い種族多くないか?」
「スタイルは男女両方ともすらっとしてる人が大半ね。」
「やっぱりすらっとしてるのか、イメージからは外れないな。」
「女の子の胸は人それぞれね。」
「何故それを俺に教えるんだ。」
「あとは~」
「聞けよ。」
「森から全然出てこないことかしら。」
「だから森妖精なのか納得だ。」
納得した表情で他にはないか?という雰囲気のニイである。
「そうね~魔物と一番仲がいいというのがあるわね。」
「そうなのか?」
『うむ。人間は森妖精に許可を取らず森を切り開いて町を作ってることが多いからな。そりゃ嫌われるであろう。』
「ふむ、ビーストが人寄り、エルフが魔物寄り、竜人が中間でヴァンプがどっちつかずってところか。」
「そんな感じね~。」
『妃にするなら我は獣人と森妖精と吸血種がおすすめだぞ。』
「魔王、お前もしかして今、俺の体があるから前に口説こうとしたビースト口説こうとしてるのか?」
『それは80年前なのでそれなりの老人になってると思うぞ。』
「いや、それはそれなりどころかかなりでは?」
『この種族達の寿命の話をしてなかったな。』
「ああ、やっぱり寿命違うのな。」
『我が話しても良いか?ルル。』
「いいわよ~」
『では、』
まるで息を吸い込んだかのような間のあと喋り始めた。

『寿命は我々魔物は個体によって違う。屋敷にいる者達を並べると一番短いのがレルトのオーク、次にマリウスの従魔、それからキューアのサキュバス、で我の竜だな。』
「キューアの方がマリウスより長いのか。」
『うむ。マリウスは無限の命を持つとされる悪魔と勘違いされるのだがあやつは誰かに仕えないと長生きの出来ない従魔という種だ。主を見つけなければ20年、見つかれば200年は生きる。』
「中々だな。サキュバスは?」
『大体は500年は生きる。長いものなら800年は生きるぞ。』
「なっが、もはや途中から老人じゃないか。」
『サキュバスはある一定まで成長すると見た目の変化が止まりその見た目で固定されるから老人の体で不満を感じる可能性は低いぞ。』
「キューアって今何歳?」
『20だぞ。』
「若っ」
『マリウスは80歳だ。』
「それなりにいってるな……オークは?」
『オークは魔物の中では短命ではあるぞ、150年くらいだな。』
「それでも十分だな。竜はどれくらい?」
『永遠、と言いたいが老い始めるのは9000歳だな。生きても一万年くらいだな。』
「こっちは桁が違った。」
「ほんとよね~私達人間は80歳くらいで終わりなのに。」
「へぇ。」
『それで他種族達なのだが獣人は150年、竜人が800年、吸血種が始祖は800年、眷族が300年、森妖精が9000年だな。』
「桁が大きすぎだな。」
「ほんとね~。」

「ん?リアは寿命どれくらいなんだ?」
『あやつはな、小悪魔と悪魔は同じなのだ。』
「ってことは」
『無限だ。』
「そうか。」
『うむ。』
「一応聞いておくが精霊は?」
『こちらも同じだ。』
「そう、か…」

人間との違いを聞き少し複雑な気分になったニイであった。
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