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2章 捕らわれと解放
第41話 北の襲撃
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魔物領北域
雪と曇天に包まれた雪原の中にある大きな洞窟そこの中に人影が現れた。
「ここは?」
『ノースウィーの付近の洞窟だ。我も大吹雪の中ではさすがにあちらには向かえんのでな、所々にここのような吹雪よけを作ってあるのだ。』
「なるほど都合よくあるのは都合よくなるように作ったからか。」
『そういうことだ。』
そんなことを言い合いながら現れたのは赤いコートを身に纏ったニイだった。
『にしても防寒具とはいえ赤いコートか……』
「火の魔力を埋め込んだら勝手に赤くなるんだから仕方無いだろ?」
『分かってはいるのだがな……』
このコートを準備したのはルアグルとマリウスである。
ニイのサイズのコートをルアグルが作り、マリウスが魔力を込めて防寒具としたのだ。
「急に準備させたからこのコート一つだけで限界だったみたいだし色を変えてる余裕もなかったんだろ。」
『どうせ着るなら黒とかがいいのだが……』
「諦めろってほら出発するぞ。」
『うむ。』
そうして洞窟の外に出た二人の目の前に広がっていたのは、
「何にも見えないな。」
『吹雪だな。』
「帰るか?」
『洞窟の中で待とう。』
一時間後吹雪が止んだので再び外に出た。そこには白一色の白銀の世界が広がっていた。
「中々いいなこれ。」
『こういう所は我も気に入っている。だが、』
外に出て歩いていたニイを狼の姿をした魔物が取り囲んでいた。
「魔物は全部お前の配下じゃなかったのか?」
『はぐれ魔物だ。昔から魔王に従わぬ者達だ凪払っても構わん。』
「分かった」
「ぐるるるる」
ニイは腰に下げていた剣を鞘から抜いた。その刀身は至って普通の鋼の輝きだった。
武器を用意するにあたって鍛冶屋達がこぞって剣や槍など様々な武器を持ってきた。
その中で出来が少し悪いものがあった。それが気になって手に取ったニイは少し驚いた。見た目は悪いがその中に宿っている魔力が他と桁違いだったのだ。それ加え使いやすいように握り手も調整されていて使い手のことを考えている物だったためこれを選んだ。
「おお!剣技《魔烈刃》!」
「キャウン!?」
魔力を込めた斬撃が辺りに飛び魔物達を切り裂いた。その攻撃を躱した魔物は左手に準備した魔法で攻撃をした。
『《闇の雨》!』
魔物達が全て倒れるまで1分と経たなかった。
「この調子なら大丈夫だな。」
『ああ、取り敢えず素早く行こう』
危なげ無く魔物を突破した二人は進んで行った。
雪と曇天に包まれた雪原の中にある大きな洞窟そこの中に人影が現れた。
「ここは?」
『ノースウィーの付近の洞窟だ。我も大吹雪の中ではさすがにあちらには向かえんのでな、所々にここのような吹雪よけを作ってあるのだ。』
「なるほど都合よくあるのは都合よくなるように作ったからか。」
『そういうことだ。』
そんなことを言い合いながら現れたのは赤いコートを身に纏ったニイだった。
『にしても防寒具とはいえ赤いコートか……』
「火の魔力を埋め込んだら勝手に赤くなるんだから仕方無いだろ?」
『分かってはいるのだがな……』
このコートを準備したのはルアグルとマリウスである。
ニイのサイズのコートをルアグルが作り、マリウスが魔力を込めて防寒具としたのだ。
「急に準備させたからこのコート一つだけで限界だったみたいだし色を変えてる余裕もなかったんだろ。」
『どうせ着るなら黒とかがいいのだが……』
「諦めろってほら出発するぞ。」
『うむ。』
そうして洞窟の外に出た二人の目の前に広がっていたのは、
「何にも見えないな。」
『吹雪だな。』
「帰るか?」
『洞窟の中で待とう。』
一時間後吹雪が止んだので再び外に出た。そこには白一色の白銀の世界が広がっていた。
「中々いいなこれ。」
『こういう所は我も気に入っている。だが、』
外に出て歩いていたニイを狼の姿をした魔物が取り囲んでいた。
「魔物は全部お前の配下じゃなかったのか?」
『はぐれ魔物だ。昔から魔王に従わぬ者達だ凪払っても構わん。』
「分かった」
「ぐるるるる」
ニイは腰に下げていた剣を鞘から抜いた。その刀身は至って普通の鋼の輝きだった。
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「おお!剣技《魔烈刃》!」
「キャウン!?」
魔力を込めた斬撃が辺りに飛び魔物達を切り裂いた。その攻撃を躱した魔物は左手に準備した魔法で攻撃をした。
『《闇の雨》!』
魔物達が全て倒れるまで1分と経たなかった。
「この調子なら大丈夫だな。」
『ああ、取り敢えず素早く行こう』
危なげ無く魔物を突破した二人は進んで行った。
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