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2章 捕らわれと解放
第35話 友好関係
しおりを挟むお出掛けは最初に計画していた通りルルの服飾店に行くことになった。
普段メイド服のような服で町中を歩いているフィリアが着飾っているということもあり道端の魔物達に声をかけられていく。それにそつなく言葉を返していくフィリアの姿を見て大分馴染んだんだなとニイとファルーグは思った。人間である彼女がここまで魔物達に笑顔で話しかけられるようになるまでにはまだまだ時間が必要かと思っていたが……
「ここまで馴染んでるとは思わなかった。中々すごいなフィリアは。」
「え?……いやいや!私がここまで馴染めているのはファルーグ様とニイ様のお陰なんです!」
「俺達の?」
「はい!お二人に紹介して貰ったあの日私たちだけを紹介したんだったらもう少し時間がかかったと思います。けどファルーグ様が言った仲間だという言葉があったからこそ人間を少しは受け入れてくれたんだと思います」
「俺達だけじゃないだろうなそれは。」
「というと?」
「元々ここにはルルさんが馴染んでいたこともあって人間も悪い奴ばかりじゃないっていうのは分かってたんだろう」
「確かに……そうですね。」
「それにお前の人柄というのもあるだろ。」
「人柄?」
「皆に笑顔を振り撒き一生懸命働いてそれでいて困っているやつがいたら手伝ってしまう。そんなやつが好かれないわけないだろ?」
「そ、そうでしょうか……」
照れたように頬を掻くフィリア。
「少なくとも俺はそこら辺のやつよりは気に入っているぞ。」
「ほ、本当ですか!」
「お、おう」
すごく嬉しそうにするフィリアである。なぜこんな嬉しそうにするんだと思いながら話を切り替えることにした。
「もうすぐルルの店に着くぞ」
「あ、本当ですね!早く行きましょう!」
「走るな転ぶしぶつかるぞ。」
「大丈夫ですって……うわっ!」
フィリアが角から出てきた子供にぶつかってそのまま子供に覆い被さる形で倒れこんだ。
「言わんこっちゃない。おーい大丈夫かー」
「はい……大丈夫です……は!?君大丈夫!?怪我とかはしてない!?」
大丈夫と返した直後に子供の心配をしだすフィリアここら辺が好かれる理由だろうと思いながらフィリアの下を覗きこむとそこには知った顔がいた。
「ン……ソコマデ痛くなかったカラ……」
フィリアが巻き込んで転んだのはニイにとっては名付け親のリネだった。
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