竜の契約者

１章 魔王と勇者と姫

第18話 服

それからニイ達はフィリアを抱き抱えて屋敷へと戻り、魔物達に捕虜として捕らえた。と伝え、家事をさせるからこいつの服を作れと命令した。その間魔物達から不安の声が上がったが魔王が大丈夫だと宣言するとそれなら、と魔物達は受け入れた。

そして出来上がったのは空色のドレスをベースに作った簡単に言えば空色のメイド服だ。スカートの裾は長く正統派なメイド服でありポケット等もあるのだが綺麗に隠れていて分からないようになっている。
「へぇ、結構似合ってるじゃないか。」
『うむうむやはりあやつに頼んで間違いは無かったな。』
「かなり癖のあるやつだったが腕は確かなんだな。」
「はい！最初はちょっと怖かったんですけど話してみたらすごい優しくて今度は給料を貰ったら私服を買いに来なさいって言われました！」
『あの者はかわいい者を自分の服で着飾るのが好きな男乙女だからな。フィリア殿のような女性は大の好みだろうからな。』
「うっきうっきでやってたし残像すら見えてたよな。」
「お茶会にも誘って貰いました！すごい楽しみです！」
「へぇー.....あいつはなんの魔物なんだ？」
「あ、それは私も気になりました。」
『ふむ、簡単に言えばあやつは人間なのだ。』
「へ？人間なのか？」
「そうだったんですか！？」
『うむ、詳しい事はあやつが話したがらないが我から話せるのはあやつは魔物だろうが人間だろうが同等に扱っているということだけだな。』
「成る程だから俺達を見ても一瞬怖がらなかったんだな。」
「驚きはしてましたけどね。」
「あれなんでこんな所に！？ってやつだったのか。」
『まあ、頼りになる者だ、好きに相談しに行くといい。』
「さてといくらか話が纏まったところで取り敢えず家事の腕前を見せて貰わなきゃな。」
「はい、お任せ下さい！」
「取り敢えず掃除か？」
『そうだな。この部屋と入り口の辺りを掃除して貰うことにしよう。』
「了解しました！お任せ下さい！」
「その間俺達は里でも見回るか。」
『邪魔しては悪いだろうしな。』
「いってらっしゃいませ！」
「ああ、いってきます。」
『しっかりやるのだぞ。』

そうしてニイ達は屋敷の掃除をフィリアに任せ里の見回りへ出発した。