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1章 魔王と勇者と姫
第15話 改めて
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「はあ.....」
「た、ため息が出るくらい思い出せないのですか.....」
「あんたじゃないんだよ。ちょっと別の件でため息をつきたくなってな。」
「そ、そうですか(私でため息をつかれてたら泣くところでした......)。」
「で、だ。えーと姫さん。」
「フィリアで大丈夫ですよ?」
「いきなり呼び捨てで大丈夫なのか?」
「様付けしなくちゃいけないのはこちらですし、もう私はそんな立場ではありませんから.....」
「その件についてなんだが軽くでいいから聞かせてくれないか?」
「分かりました。お話いたします。あれは二日前のことでした。」
そこからの話は纏めるとこんな感じになる。
魔王退治に向かった勇士達が戻ってきてこういった。「勇者殿は魔王と相打つ形で倒れてしまい勇者の精霊の力を我等に分割して渡した。これからの世界を頼む」、と。
それを聞いた人々は勇者の悲報に涙した。そして勇者が相討ちにならないと倒せないくらいの強さを持った魔王との決戦から帰ってきた勇士達を褒め称え、王族は彼等に報酬を与えることにした。勇士達は自分達の欲望のままに報酬を訴えたという。権力、食事、金銭、女、それこそ勇者に戦闘を教えたとして魔王退治に向かわなかったもの達すら欲望を言い始めた。
そして報酬が度を過ぎていたため渡せなかったのだがそれを歪曲して「王族が報酬を難癖をつけて渡さない」と、民に伝えそれを聞いた民は勇士達に味方して王族はクーデターにあい、城下町から追われ、バラバラになり今まで逃げてきた、というのが経緯らしい。
「中でも私を追ってきたのはあの方がたの部下が多かった印象があります。」
「ふーん。」
「ふーんって、あのもう少し感想とかは.....」
「そうだな.....護衛の人とかは?」
「あ、えっと私を逃がすために犠牲に.....」
「そうか。.....悪い。」
「い、いえ!大丈夫です!皆のために私は生きなきゃいけないですから。」
(なんとも高潔なことで)
「勇者様」
「ん?」
「思い出せないのでしたら改めてよろしくお願いします。なにもお返しなんて出来そうもないただ一人の少女ですけど」
「お返しなんて期待してない。.....ニイだ。」
「ニイ?」
「俺の今の名前だ。これからはそう呼べ。勇者って呼ばれるのは嫌いじゃないが今は違うからな。」
「.....!はい、よろしくお願いしますニイ様!」
「た、ため息が出るくらい思い出せないのですか.....」
「あんたじゃないんだよ。ちょっと別の件でため息をつきたくなってな。」
「そ、そうですか(私でため息をつかれてたら泣くところでした......)。」
「で、だ。えーと姫さん。」
「フィリアで大丈夫ですよ?」
「いきなり呼び捨てで大丈夫なのか?」
「様付けしなくちゃいけないのはこちらですし、もう私はそんな立場ではありませんから.....」
「その件についてなんだが軽くでいいから聞かせてくれないか?」
「分かりました。お話いたします。あれは二日前のことでした。」
そこからの話は纏めるとこんな感じになる。
魔王退治に向かった勇士達が戻ってきてこういった。「勇者殿は魔王と相打つ形で倒れてしまい勇者の精霊の力を我等に分割して渡した。これからの世界を頼む」、と。
それを聞いた人々は勇者の悲報に涙した。そして勇者が相討ちにならないと倒せないくらいの強さを持った魔王との決戦から帰ってきた勇士達を褒め称え、王族は彼等に報酬を与えることにした。勇士達は自分達の欲望のままに報酬を訴えたという。権力、食事、金銭、女、それこそ勇者に戦闘を教えたとして魔王退治に向かわなかったもの達すら欲望を言い始めた。
そして報酬が度を過ぎていたため渡せなかったのだがそれを歪曲して「王族が報酬を難癖をつけて渡さない」と、民に伝えそれを聞いた民は勇士達に味方して王族はクーデターにあい、城下町から追われ、バラバラになり今まで逃げてきた、というのが経緯らしい。
「中でも私を追ってきたのはあの方がたの部下が多かった印象があります。」
「ふーん。」
「ふーんって、あのもう少し感想とかは.....」
「そうだな.....護衛の人とかは?」
「あ、えっと私を逃がすために犠牲に.....」
「そうか。.....悪い。」
「い、いえ!大丈夫です!皆のために私は生きなきゃいけないですから。」
(なんとも高潔なことで)
「勇者様」
「ん?」
「思い出せないのでしたら改めてよろしくお願いします。なにもお返しなんて出来そうもないただ一人の少女ですけど」
「お返しなんて期待してない。.....ニイだ。」
「ニイ?」
「俺の今の名前だ。これからはそう呼べ。勇者って呼ばれるのは嫌いじゃないが今は違うからな。」
「.....!はい、よろしくお願いしますニイ様!」
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