黒猫と12人の王

病床の翁

文字の大きさ
上 下
49 / 151

進軍3

しおりを挟む
 魔人達の集落近くで一晩過ごした俺達。
 珍しくこの夜は魔物の襲来もなく、全員しっかりと眠れた。
 起きてから白狐と灰虎がキャッキャッと騒いでいるが昨日の夜何かあったのだろうか。
 俺達は朝からカレーを食べる。
 今日はスープカレーにパンだ。
 カレースープにパンを浸して食べると固めのパンも柔らかくなり食べやすい。

 俺達が朝食を終え、その片付けをしている間に帝国軍の進軍が始まった。
 やはり先頭は勇者パーティーが進む。
 俺達も支度を終えて帝国軍に続く。

 ここから先出没する魔物はゴブリンやホブゴブリン、ゴブリンウォリアーなどの鬼種が増えてきた。

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 魔物・魔人は短命種と長命種に分けられる。
 ゴブリンなどは短命種の代表であり20年程度しか生きない。
 ホブゴブリンでも30年程度、オーガでも40年くらい生きれば長生きな方である。
 一方の長命種に関しては100年、長いものでは200年程度生きるものもある。

 短命なほど子孫を多く残す傾向にあり、逆に長命になればなる程に子孫を残さなくなる。
 短命種のゴブリンなどはその代表でとにかく子供を作る。
 しかもその子供も3ヶ月もすれば成人扱いで自分達で獲物を狩りに行く。
 そして子作りもするからどんどん増える。
 そしてその中には特殊個体も出てくる。
 生まれながらに人族語を操る真魔人だ。
 真魔人は他の種ともコミュニケーションが取れる為、ゴブリンの真魔人とホブゴブリンの真魔人、オーガの真魔人にトロールの真魔人などが集まったコミュニティーを作る。
 要するに鬼種の村だ。
 真魔人は自分の種族の魔物ともコミュニケーションが取れる為、その村には真魔人、半魔人、魔物が集まる特殊な環境になる。
 何よりもその数が多い。
 単眼種の集落が200体程度だったのに対して鬼種の集落には20000体もの魔物・魔人が住んでいた。

 その集落に3体の半魔人のゴブリンが駆け込んでくる。
「タイヘン!タイヘン!ニンゲン、クル!」
「ニンゲン、タクサン、クル!」
「タイヘン!」
 それを聞いた真魔人のオーガが答える。
「何?人間が沢山来るだと?どういう事だ?二角様が人族領に侵攻に行ったのは知っているが、まさか敗れたのか?」
「ニンゲン、ヒトツメノヤツラ、タオシタ。」
「ニンゲン、タクサン!」
 半魔人は尚も言う。
「えぇい、分からん!ゴブリンの魔人はおらんか?」
 そう声をかけるとまだ子供のゴブリンの真魔人が近付いてくる。
「おらが話聞くだ。」
 そう言うと半魔人のゴブリン達と話始める。
「グギャギャグギャギャ?」
「ギャギャギャ!」
「グギャギャ!」
 話が通じたらしく真魔人のゴブリンは真魔人のオーガに訳した内容を伝える。
「コイツらが狩りをしに単眼種の集落近くまで出掛けた時に人族の軍隊と単眼種が争っていたらしいだ。で、その人族の軍隊が勝って、こちらに向かってくるとの事たべ。」
「なんと?!では二角様は敗れたのか?いや、入れ違いで人族が侵攻して来たのかもしれんな。」
 真魔人のオーガは1人悩む。
「いや、どちらにせよ人族が攻めてくるなら迎え撃つしかあるまい。おいお前、この事をゴブリンとホブゴブリンどもに伝えろ。ワシはオーガとトロールに伝えて回る。」

 そうして鬼種の村でも戦闘準備が始まる。
 とは言え、二角の軍勢に入れなかった者達である。
 やはり女、子供に老人が主だったメンバーになる。
 鬼種の強みはその数だ。
 村に住む者全員で侵攻してくる人族に対すると事が決まり武具の準備を進めるのであった。

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 帝国軍がその村を発見したのは、単眼種の集落を出て4日目の事だった。
 その移動の間も沢山の魔物、魔獣に出くわし、円闘の型を維持しながらの侵攻となった。
 この移動中での脱落者はなし。
 先の戦いによる死傷者を引いて現在の戦闘要員は10000人強と言う所である。

「魔物の集落を発見!」
 戦士ライオネルが声を上げる。
「皆の者!先日の戦闘同様、鏃の型で一気に制圧するぞ!」
「「「おー!」」」
 先日の勝利もあり帝国軍兵士達の士気は高い。
 目前の村からはゴブリンを始めとする鬼種がワラワラと出てきた。
「敵は鬼種のようだ!この僕が先陣をきる!皆僕に続けぇ!」
 勇者バッシュが駆け出すとそれを追うように帝国軍兵士達も走り出す。

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 新人兵士のウィルは槍兵としてこの行軍に参加している。
 兵士になる前は出身の村で農夫をしていた。
 だが20歳になった時にもっと違う生き方がしたいと思い至り帝国軍兵士になる道を選んだ。
 そもそも鍬を扱っていた事もあり長剣などよりは長物の方が扱い安かった。
 そんな事もあって槍兵として訓練を積み、今回が初めての出兵となったウィル。
 先の単眼種との戦いでは鏃の尻の部分での待機となった為、まだ戦闘はしていない。
 今回の鬼種戦では先頭から数えた方が速い右翼部分にいる。
 確実に戦闘に参加する位置だ。
 緊張に足がもつれながらも倒れないように気を付けながら皆に合わせて走る。
 自分が転けて陣形を乱す訳にはいかない。

 そんなウィルが入る5人組は重装兵が壮年の顎髭が特徴的なダンに経験豊富な歩兵レイセス、ウナに同く槍兵のマイルズという構成である。
 ウィル以外は出兵経験もあり、戦闘も経験済みだ。
 そんな先輩達の中に入れられて余計に緊張気味のウィルだった。
 しかし接敵の時は来た。
 相手は長剣を持ったホブゴブリンだ。

 帝国軍兵士の戦い方のお手本とも言うべきダンの大盾による足止めの後、槍兵のマイルズとウィルによる槍での突き、そして歩兵2名によりトドメをさす。
 訓練通りだ。
 初めて生き物に槍を突き刺したウィルだったがその手応えを実感する前に次の相手が現れた。
 ゴブリンだ。同じくダンが大盾でゴブリンの棍棒を受ける。
 その大盾の横から槍を突き出し、ゴブリンを突き刺す。
 歩兵レイセス、ウナが前に出てゴブリンの首を刎ねる。
 先程のホブゴブリンよりもすんなり槍が突き刺さった感触があった。

 これなら自分も戦える。
 ウィルがそう思った矢先である。
 重装兵のダンが吹っ飛ばされた。
 オーガが手にした棍棒で大盾ごとぶん殴ったのだ。
 守りの要を失ったウィル達4人であったが経験豊富な歩兵レイセスは冷静に前に出てオーガに斬りつける。
 しかしその剣はオーガの硬い皮膚に弾かれてしまう。
 オーガがレイセスを押し潰すように棍棒を振るった。
 レイセスは頭を胴体にめり込ませて倒れた。

 初めて目の前で人が殺されるのを目撃したウィルは体が硬直して動けないでいる。
 槍兵のマイルズが槍でオーガの顔を狙って突き上げる。
 しかしオーガは棍棒を持たない手で槍を弾くと、マイルズを横殴りにした。
 体をくの字に曲げて飛んでいくマイルズ。
 そのマイルズが吐き出した血がウィルの顔にかかる。
 温かい。
 ウィルはそう思った。
 人間の血って温かいんどなっと現実逃避するウィル。
 目の前ではウナも殴り飛ばされてしまった。
 残るは自分だけである。
 正気に戻ったウィル。
「俺はこんな所では死なないんだ!」
 大声で叫びながらオーガの胴体を槍で突くウィル。

 その槍は見事にオーガの胴体に突き刺さり上半身と下半身を分断する。
 己の秘められた力が開花したのだ。
 この力があればゴブリンだろうとホブゴブリンだろうと、オーガだろうが敵じゃない。
「アハハハっ!来い鬼ども!この俺ウィルが相手をしてやる!」

 首だけになったウィルが吼える。
 オーガの体を二分になど出来ていなかった。
 それどころか刺さりさえしなかった。
 ウィルは横殴りに頭を棍棒で強打され首が吹っ飛んでいた。
 全ては死ぬ前に見た幻想に過ぎなかった。
 こうして新人兵士ウィルはその生涯を終えたのだった。

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 勇者パーティーの戦士、ライオネルは順調に鬼どもと戦っていた。
 両手に持った巨大斧でゴブリンを頭から叩き潰す。
「オラオラ!どうした鬼ども!こんなもんか?」
 大音声で敵を煽る。
 次に近寄ってきたのはホブゴブリン、その手にした棍棒で殴りかかってくる。
 ライオネルは巨大斧で棍棒を弾くとそのままボブゴブリンの腹部に巨大斧を叩きつける。
 体を上下に分断され絶命するホブゴブリン。
「はははっ!全く手応えのない奴等だぜ!」
 ライオネルは吼える。
 そこに向かってくるのは人族なら両手で持つような大槌を片手に握ったオーガだった。
「やっと張り合いのある奴がお出ましかぁ?」
 ライオネルはそう言って巨大斧を振り回す。
 その巨大斧はオーガの手にした大槌とぶつかり合い弾かれる。
 弾かれた巨大斧をその膂力で踏ん張り止めると、そのまままたオーガに向けて叩きつける。
 オーガも大槌を弾かれてバランスを崩していた為、その巨大斧はオーガの腰に入る。
 が、腰骨に当たり食い込まず、そこまでダメージを与えられていない。
「ちっ!まだまだ、これからだ!」
 ライオネルは吼えつつ巨大斧を振り回す。
 がまた巨大斧が弾かれ出来た隙をついてオーガの拳がライオネルに迫った。
 顔面を守るように片腕を上げる。
 その拳の威力はライオネルを易々と吹っ飛ばす。
「へへへっ。やるじゃねーか。」
 ライオネルは立ち上がりゆっくりとオーガに近付く。
「ニンゲン、シネー!」
 片言て言うオーガ。半魔人だ。
「お前が死ねぇー!」
 ライオネルと半魔人のオーガの打ち合いは続く。

「魔素よ集まれ、集まれ魔素よ。火炎の力へとその姿を変えよ。魔素よ燃え盛れ、燃え盛れ魔素よ。我が目前の敵達に数多の火球となりて打倒し給え!ファイアショット!!」
 魔術師ドリストルの詠唱によりその手にした短杖の先に魔法陣が描かれ、直径3cm程度の小さな火球が数十個生み出され、魔物達へと向かう。
 小さい火球の為、その全身を焼くことは出来ないが体の一部を燃え上がらせる事は出来た。
「今だ!」
 勇者バッシュは体の一部を焼かれ慌てふためくゴブリン、ホブゴブリンの首を刎ねていく。
 また、帝国軍兵士と戦っているホブゴブリンの後ろに回ってその背中を斬りつける。
 勇者バッシュの周りにはゴブリン、ホブゴブリンの死体が積み上がっていた。
「勇者様!」
「ありがとうございます勇者様!」
 兵士達からかけられる声も賞賛に満ちている。
「ふふっ。僕の手にかかればこんなもんさ。」
 勇者バッシュは兵士達に向かって言う。

 そこへ棍棒を手にしたオーガが迫る。
「魔素よ集まれ、集まれ魔素よ。火炎の力へとその姿を変えよ。魔素よ燃えろ、燃えろよ魔素よ。我が目前の敵を火炎となりて打倒し給え!ファイアボール」
 ドリストルが呪文を唱え終えると短杖の先に描かれた魔法陣より直径30㎝程度の大きさの火球が生まれ、オーガの顔面に命中。
「今だ!」
 バッシュはオーガの元へと走り、その足元を斬りつける。
 しかし一撃では切断に至らず何度も斬りつける。
 顔面を燃え上がらせたオーガの足元を十数回斬りつけようやく切断、足を斬られバランスを崩して倒れ込むオーガ。
 まだ顔面を火炎に包んでいる。
 その首をまた何度も斬りつけるバッシュ。
 拳を振り回し暴れるオーガ。
 その手にあたり転がさせるバッシュ。
「よくもやってくれたな!」
 バッシュは怒りを覚えて再度オーガに斬りつける。
 ドリストルの魔術でダメージを与えた上で足を斬りつけて転ばせたのだ。
 後はその首を落とすだけ。
「さっさと死ねよ!」
 バッシュの剣戟を何十と受けたオーガはやがて息絶えた。
「はぁーはぁー、やっとか。」
 息を切らせて肩で息をするバッシュ。

 バッシュは基本的に誰かが攻撃して弱ったところにトドメを刺すと言う戦い方だ。
 いいとこ取りがしたい。
 こんなに肩で息をするほどがむしゃらに剣を振るったのはいつぶりだろうか。
 いつもはライオネルが敵前方で注意を引きつけ、後方からバッシュが斬り込むのである。
 つまり1人での戦闘経験はあまりない。
 こんな混戦になるとライオネルとはぐれてしまい1人で敵を相手にしなければいけなくなる。
「ちっ!ライオネルは何処に行った?」
 いつもの必勝パターンに戻す必要がある。
 そう考えライオネルを探し始めるバッシュであった。

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 帝国軍の後を追う形で侵攻してきた俺達。
 そんな俺達がその村を見つけるのと帝国軍兵士と村から出てきた鬼種達との戦闘が始まったのはほぼ同時だった。

 今回の相手にはトロールの姿も見えた為、帝国軍兵士では荷が重いだろうと言う事で皆で相談の上、俺、銀狼、緑鳥以外の面々は戦闘に参加する事になった。
「申し訳ございません、黒猫様。いつも私の護衛をお願いしてしまって。」
「気にするなよ。あんたがいるから皆全力で戦えるんだから。あんたを守るのは当然さ。」
 申し訳なさそうに言う緑鳥に向けて俺は言う。
「ありがとうございます。銀狼様も、ありがとうございます。」
「いいんだ。オレはこんな状態だからな。それでも貴女を守る分には問題ないさ。」
 緑鳥に礼を言われ、無くした右肩を擦りながら銀狼が言う。

 見れば皆、王化してトロールに挑んでいる。
 トロールと言えばAランクの魔物だ。
 魔人化している可能性もあるから皆王化したのだろう。
 皆1対1でトロールと対峙しているが、特に問題はなさそうである。
 金獅子がその大剣でトロールの上半身と下半身を分断する。
 蒼龍が三つ叉の槍でトロールの首元を突き刺す。
 紅猿が燃え盛る棍でトロールの腹を突き破る。
 黄豹が手にした刃付トンファーでズタズタに切り裂く。
 白狐が光速の速さで抜刀しトロールの首を刎ねる。
 紫鬼がその剛腕でトロールの顔を殴り180度回転させる。
 灰虎が両腕の鉤爪でトロールの顔を縦横無尽に切り裂く。

 そんなこんなで皆トロールを無事に倒し、帝国軍兵士達も負傷者は出しつつも見事に鬼種の集団を殲滅したのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

聖女なので公爵子息と結婚しました。でも彼には好きな人がいるそうです。

MIRICO
恋愛
癒しの力を持つ聖女、エヴリーヌ。彼女は聖女の嫁ぎ制度により、公爵子息であるカリス・ヴォルテールに嫁ぐことになった。しかしカリスは、ブラシェーロ公爵子息に嫁ぐ聖女、アティを愛していたのだ。 カリスはエヴリーヌに二年後の離婚を願う。王の命令で結婚することになったが、愛する人がいるためエヴリーヌを幸せにできないからだ。  勝手に決められた結婚なのに、二年で離婚!?  アティを愛していても、他の公爵子息の妻となったアティと結婚するわけにもいかない。離婚した後は独身のまま、後継者も親戚の子に渡すことを辞さない。そんなカリスの切実な純情の前に、エヴリーヌは二年後の離婚を承諾した。 なんてやつ。そうは思ったけれど、カリスは心優しく、二年後の離婚が決まってもエヴリーヌを蔑ろにしない、誠実な男だった。 やめて、優しくしないで。私が好きになっちゃうから!! ブックマーク・いいね・ご感想等、ありがとうございます。

スキル【疲れ知らず】を会得した俺は、人々を救う。

あおいろ
ファンタジー
主人公ーヒルフェは、唯一の家族である祖母を失くした。 彼女の葬式の真っ只中で、蒸発した両親の借金を取り立てに来た男に連れ去られてしまい、齢五歳で奴隷と成り果てる。 それから彼は、十年も劣悪な環境で働かされた。 だが、ある日に突然、そんな地獄から解放され、一度も会った事もなかった祖父のもとに引き取られていく。 その身には、奇妙なスキル【疲れ知らず】を宿して。

もふもふで始めるVRMMO生活 ~寄り道しながらマイペースに楽しみます~

ゆるり
ファンタジー
☆第17回ファンタジー小説大賞で【癒し系ほっこり賞】を受賞しました!☆ ようやくこの日がやってきた。自由度が最高と噂されてたフルダイブ型VRMMOのサービス開始日だよ。 最初の種族選択でガチャをしたらびっくり。希少種のもふもふが当たったみたい。 この幸運に全力で乗っかって、マイペースにゲームを楽しもう! ……もぐもぐ。この世界、ご飯美味しすぎでは? *** ゲーム生活をのんびり楽しむ話。 バトルもありますが、基本はスローライフ。 主人公は羽のあるうさぎになって、愛嬌を振りまきながら、あっちへこっちへフラフラと、異世界のようなゲーム世界を満喫します。 カクヨム様にて先行公開しております。

【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。 その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。 代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。 それを見た柊茜は 「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」 【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。 追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん….... 主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します

異世界でゆるゆる生活を満喫す 

葉月ゆな
ファンタジー
辺境伯家の三男坊。数か月前の高熱で前世は日本人だったこと、社会人でブラック企業に勤めていたことを思い出す。どうして亡くなったのかは記憶にない。ただもう前世のように働いて働いて夢も希望もなかった日々は送らない。 もふもふと魔法の世界で楽しく生きる、この生活を絶対死守するのだと誓っている。 家族に助けられ、面倒ごとは優秀な他人に任せる主人公。でも頼られるといやとはいえない。 ざまぁや成り上がりはなく、思いつくままに好きに行動する日常生活ゆるゆるファンタジーライフのご都合主義です。

訳あり侯爵様に嫁いで白い結婚をした虐げられ姫が逃亡を目指した、その結果

柴野
恋愛
国王の側妃の娘として生まれた故に虐げられ続けていた王女アグネス・エル・シェブーリエ。 彼女は父に命じられ、半ば厄介払いのような形で訳あり侯爵様に嫁がされることになる。 しかしそこでも不要とされているようで、「きみを愛することはない」と言われてしまったアグネスは、ニヤリと口角を吊り上げた。 「どうせいてもいなくてもいいような存在なんですもの、さっさと逃げてしまいましょう!」 逃亡して自由の身になる――それが彼女の長年の夢だったのだ。 あらゆる手段を使って脱走を実行しようとするアグネス。だがなぜか毎度毎度侯爵様にめざとく見つかってしまい、その度失敗してしまう。 しかも日に日に彼の態度は温かみを帯びたものになっていった。 気づけば一日中彼と同じ部屋で過ごすという軟禁状態になり、溺愛という名の雁字搦めにされていて……? 虐げられ姫と女性不信な侯爵によるラブストーリー。 ※小説家になろうに重複投稿しています。

生臭坊主の異世界転生 死霊術師はスローライフを送れない

しめさば
ファンタジー
急遽異世界へと転生することになった九条颯馬(30) 小さな村に厄介になるも、生活の為に冒険者に。 ギルドに騙され、与えられたのは最低ランクのカッパープレート。 それに挫けることなく日々の雑務をこなしながらも、不慣れな異世界生活を送っていた。 そんな九条を優しく癒してくれるのは、ギルドの担当職員であるミア(10)と、森で助けた狐のカガリ(モフモフ)。 とは言えそんな日常も長くは続かず、ある日を境に九条は人生の転機を迎えることとなる。 ダンジョンで手に入れた魔法書。村を襲う盗賊団に、新たなる出会い。そして見直された九条の評価。 冒険者ギルドの最高ランクであるプラチナを手にし、目標であるスローライフに一歩前進したかのようにも見えたのだが、現実はそう甘くない。 今度はそれを利用しようと擦り寄って来る者達の手により、日常は非日常へと変化していく……。 「俺は田舎でモフモフに囲まれ、ミアと一緒にのんびり暮らしていたいんだ!!」 降りかかる火の粉は魔獣達と死霊術でズバッと解決! 面倒臭がりの生臭坊主は死霊術師として成り上がり、残念ながらスローライフは送れない。 これは、いずれ魔王と呼ばれる男と、勇者の少女の物語である。

ざまぁ対象の悪役令嬢は穏やかな日常を所望します

たぬきち25番
ファンタジー
*『第16回ファンタジー小説大賞【大賞】・【読者賞】W受賞』 *書籍発売中です 彼氏にフラれた直後に異世界転生。気が付くと、ラノベの中の悪役令嬢クローディアになっていた。すでに周りからの評判は最悪なのに、王太子の婚約者。しかも政略結婚なので婚約解消不可?! 王太子は主人公と熱愛中。私は結婚前からお飾りの王太子妃決定。さらに、私は王太子妃として鬼の公爵子息がお目付け役に……。 しかも、私……ざまぁ対象!! ざまぁ回避のために、なんやかんや大忙しです!! ※【感想欄について】感想ありがとうございます。皆様にお知らせとお願いです。 感想欄は多くの方が読まれますので、過激または攻撃的な発言、乱暴な言葉遣い、ポジティブ・ネガティブに関わらず他の方のお名前を出した感想、またこの作品は成人指定ではありませんので卑猥だと思われる発言など、読んだ方がお心を痛めたり、不快だと感じるような内容は承認を控えさせて頂きたいと思います。トラブルに発展してしまうと、感想欄を閉じることも検討しなければならなくなりますので、どうかご理解いただければと思います。

処理中です...