おっぱい揉む？と聞かれたので揉んでみたらよくわからない関係になりました

29話 噂の行方

放課後、生徒会室。東雲翔子は副会長の佐々木美穂を見つめていた。

「佐々木さん、大切な話があるんだけど？」

佐々木は少し困ったような表情を浮かべる。「会長、もしかして先日のことでしょうか？」

「そう、私と鳴海くんのデートの噂よ。あなた以外とは会っていないのだけれど誰にも言ってないわよね？」

佐々木は慌てて否定する。「はい、誰にも言ってません。」

東雲は眉をひそめる。「でも、あなた以外には会っていないのよ」

佐々木は少し考え「ショッピングセンターですから他の生徒も来ていたのでは？会長は人気もあって目立ちますし」

東雲はため息をつく。「そうなのでしょうね。噂の訂正も難しいしどうしようかしら」

「打ち上げで冗談とはいえ映画に誘ってるところも見られてますし...」佐々木は続ける「ただ...会長、あの時は本当にデートではなかったんですか？」

東雲は少し表情を和らげる。「ええ、違うわ。あの時も説明したけど偶然会って、あかりと一緒に買い物をしただけよ」

佐々木は少し楽しそうな表情で。「でも、会長の普段と違ってすごく楽しそうに見えました」

東雲は少し焦りながら「そ、そんなことないわ。あかりが居たからでしょ」

佐々木は意味深な笑みを浮かべる。「会長、もしかして鳴海くんのこと...」

「も、もういいわ！」東雲が慌てて遮る。「とにかく、もし誰かから聞いたら自分も会ったけど妹も一緒に居たって説明して！」

佐々木はくすくすと笑いながら頷く。「はい、わかりました。でも会長、素直になるのも大切ですよ」


一方、教室では別の会話が繰り広げられていた。

「花子さん」

美咲が花子に声をかける。その表情には、どこか不安の色が浮かんでいる。

「どうしたの？」花子が優しく尋ねる。

美咲は少し躊躇いながら言う。「あの...鳴海くんと東雲先輩のことなんだけど...」

花子はにっこりと笑う。「ああ、あのことね。実はね...」

花子は美咲に、太郎から聞いた話を説明し始める。ショッピングモールでの偶然の出会い、東雲の妹との買い物...。

話を聞くにつれ、美咲の表情が徐々に明るくなっていく。

「そうだったんだ...」美咲がほっとした様子で言う。「ただの偶然だったんだね」

花子は美咲の反応を見て、少し意味深な笑みを浮かべる。「ふーん、美咲も気になってたんだ？」

「え？いえ、そんな...」美咲が慌てて否定する。

花子はくすくすと笑う。「まあまあ。でもね、太郎の話す東雲先輩の様子を聞いてると、なんだか新しい一面を見たみたいで...」

美咲は黙って聞いている。その目には、複雑な感情が浮かんでいる。

「この前の打ち上げの時もビンゴで当たった映画のペアチケット、鳴海くんの事名指しで指名してたし...。もしかしたら...」美咲が不安そうな顔で話す。

花子は自分に言い聞かせるように言った。「でも、あの生徒会長だよ。告白も冗談で校長先生とか言ってたし太郎をからかっただけだよ」

二人の胸の中で、安堵と不安が入り混じる複雑な思いが渦巻いていた。

教室の窓からは、夕暮れの空が見える。太郎と東雲を巡る噂は、まだ収束する気配を見せない。そして、この出来事が彼らの関係にどんな影響を与えるのか、誰にもまだ分からない。

ただ、確かなのは、彼らの青春が、また新たな局面を迎えようとしているということ。夕焼けに染まる校舎に、新しい物語の予感が漂っていた。