上 下
32 / 46

第32話 陽斗と亮太の夏休み(予定)

しおりを挟む
テストが終わり、夏休み前の短縮授業期間に入った。陽斗と亮太はこれからの夏休みの計画について話していた。

「やっとテストが終わったな。これで夏休みが待ってる!」と亮太が言った。

「そうだね。亮太は夏休み何かする予定ある?」

「まずは家族旅行だな。久しぶりに温泉旅行に行くんだ。」

「いいね、温泉旅行。どこに行くの?」陽斗が興味津々に尋ねる。

「群馬の温泉地だよ。自然が豊かで、リフレッシュできる場所らしいんだ。温泉に浸かって、のんびり過ごすつもり。」

「いいね。たまには温泉でのんびりするのもありだね。」陽斗も共感した。

「それから、友達と海に行く計画も立ててる。みんなでバーベキューしたり、泳いだりして楽しむ予定。」

「海か。楽しそうだね。誰と行くの?」陽斗が興味を示す。

「中学時代の友達とだよ。みんな久しぶりに集まるから、すごく楽しみにしてる。」

「ザ夏って感じだね。」

「夏といえば、夏祭りもあるしな。地元の祭りは毎年盛り上がるから、絶対行くよ。

金魚すくいとか、たこ焼きとか、楽しみなことがいっぱいだ。」亮太は興奮気味に話した。

「陽斗の予定はどうなの?」亮太が尋ねる。

「俺は、夏休みが始まってすぐにじいちゃんばあちゃんに会いに行くんだ。三日くらいで帰ってくる予定かな。」

「なるほど。どこに住んでんの?」

「三重県の南の方だね。のんびりしてて、空気もきれいだからリフレッシュできるよ。」

「それもいいな。田舎でのんびり過ごすのも悪くない。」

「でもネット回線がね…。じいちゃんばあちゃん家だから、繋がってるとは聞いてるけどWi-Fiが飛んでるかとか不安で。」

「あぁ、ネット繋がってなかったら辛いな。」

「そうなんだよね。しっかり確認しておくつもり。」陽斗は少し不安げに言った。

亮太は笑いながら「まあ、田舎の良さはネットなしで自然を満喫することかもね」と励ました。

陽斗も笑顔で「そうだね、たまにはデジタルデトックスも悪くないかも」と答えたがすぐに、「でも配信見れないのは辛すぎるかも。」と付け加える。

「どんだけ配信好きなんだよ。ってまぁ一番の楽しみだしな。」

「うん。ソラちゃん学生って言ってるし夏休みもあるんだろうけど配信予定どんな感じだろう。」

「学年にもよるだろうけど、がっつり配信してくれるかもだし、受験生なら夏期講習で配信休みとかもありえるよな。」

「そうだね。毎日配信とかしてくれたら最高だけどね。」

「毎日5時からラジオ体操配信とか?」と亮太が冗談交じりに笑う。

「さすがにソラちゃんでもその配信は毎日見れないかも。アーカイブでガマンするよ。」

「まぁ冗談は置いといて、毎日配信してくれたら切り抜き所もいっぱいで夏休み忙しくなりそうじゃん。」

「そうだね。毎日投稿できるかも。」陽斗は笑顔で答えた。

「帰省以外に予定は?」

「他は全然考えてないね。夏休みらしく、ゲームして漫画読んでとかかな。バイトするかどうかで悩んでるとこ。」

「バイトなー。何か欲しいものでもあんの?」

「今すぐ欲しいとかじゃないけどお金はあったほうがいいし、ホントに配信見るのとゲームと漫画で夏休み終わっちゃいそうだから何かしようと思って。」

「確かに。夏休みとか始まるときは長いと思うけどいざ始まったら一瞬だしな。」

「そうそう、それなら欲しい物ができた時の為にお金稼いどくのもいいなって。ソラちゃんグッズ出してくれないかな・・・。」

「個人でグッズはハードル高くね?」

「だよね。」陽斗は残念そうに同意した。

「バイトするならどこ?コンビニ?」

「そうだね。一番無難なのがコンビニ。後は本屋とかスーパーとかかな。」

「ネットで編集のバイトとかは?切り抜き作ってるなら出来るんじゃね?」

「編集って言っても俺のは切り抜いてくっつけてるだけだからお金になるような技術じゃないんじゃないかな。」

「それがバイトになれば技術も磨けて一石二鳥なのにな。」

「うん。ちょっと調べてみてもいいかもね。亮太ありがと。」陽斗は笑顔で答えた。


陽斗は帰り道、広がる青空を見上げた。夏の始まりを告げる蝉の声が聞こえる中、彼の心は期待でいっぱいだった。

「楽しみだな、夏休み。」

じいちゃんばあちゃんのところに行くのも楽しみで、ソラの配信を見たり切り抜き動画を作ることを楽しみにしていた。

「よし、夏休みを思いっきり楽しむぞ!」

心の中でそう決意し、陽斗は学校を後にした。これからの長い休みに、どんな出来事が待っているのか想像しながら、期待と希望に胸を膨らませた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

透明な僕たちが色づいていく

川奈あさ
青春
誰かの一番になれない僕は、今日も感情を下書き保存する 空気を読むのが得意で、周りの人の為に動いているはずなのに。どうして誰の一番にもなれないんだろう。 家族にも友達にも特別に必要とされていないと感じる雫。 そんな雫の一番大切な居場所は、”150文字”の感情を投稿するSNS「Letter」 苦手に感じていたクラスメイトの駆に「俺と一緒に物語を作って欲しい」と頼まれる。 ある秘密を抱える駆は「letter」で開催されるコンテストに作品を応募したいのだと言う。 二人は”150文字”の種になる季節や色を探しに出かけ始める。 誰かになりたくて、なれなかった。 透明な二人が150文字の物語を紡いでいく。 表紙イラスト aki様

星の見える場所

佐々森りろ
青春
 見上げた空に星があります様に。  真っ暗闇な夜空に、願いをかけられる星なんてどこにもなくなった。  *・゜゚・*:.。..。.:*・' '・*:.。. .。.:*・゜゚・*  『孤独女子×最低教師×一途男子』  *・゜゚・*:.。..。.:*・' '・*:.。. .。.:*・゜゚・*  両親が亡くなってから、姉・美月と二人で暮らしていた那月。  美月が結婚秒読みの彼氏と家を出ていくことになった矢先に信じていた恋人の教師に裏切られる。  孤独になってしまった那月の前に現れたのは真面目そうなクラスメイトの陽太。  何を考えているのか分からないけれど、陽太の明るさに那月は次第に心を開いていく。  だけど、陽太には決して表には出さない抱えているものがあって──

私はただ、世界を描きたい

下菊みこと
青春
自分の中に溢れる世界をただ描きたかった。 小説家になりたい女の子の日々のお話。

寂しがり屋たちは、今日も手を繋いだまま秒針を回した

海咲雪
青春
【頻発性哀愁症候群】ーーー度々、「寂しい」という感情に襲われる病。「寂しさ」の度合いは人それぞれだが、酷いと日常生活にまで支障を起こす。十万人に一人ほどの割合で発症する稀な病である。先天性の場合もあれば、後天性の場合もある。明確な治療方法はまだ無い。 頻発性哀愁症候群に悩まされる奈々花は、高校の入学式で同じ症状に苦しむ菅谷に出会う。菅谷はクラスの中心にいるような人物で、人と関わるのを恐れている奈々花とは真逆の人物だった。そんな二人が出会って…… 「知ってる?人間って寂しくても死なないんだよ。こんなに辛いのに」 「大丈夫だよ。寂しくないから。全然寂しくない」 「病気なのは私も一緒。『寂しがり屋仲間』」 「寂しがり屋」の二人は、今日も手を繋いだまま勇気を出すから。 [この物語はフィクションです。病名等は全て架空の設定です]

処理中です...