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第17話 新衣装
しおりを挟む玲愛は満面の笑みで、バッグの中からタブレットを取り出した。
「実はね、登録者1000人おめでとうってことで…ちょっと遅くなっちゃったけど、これを見て!」
玲愛がタブレットの画面を美優紀に向けると、そこにはソラの新しい衣装が映し出されていた。今までのアイドル衣装とは違うテイストの制服姿で、髪型もおろしたパターンが追加されていた。
「玲愛、これ…」
美優紀は感動して声が出なかった。新しい衣装は紺色のブレザーでとても可愛くソラに似合っていた。髪型も今までのツインテールとは違い落ち着いたおろした姿で、髪の色は違えど少し美優紀に似ていた。
「ほんとは記念配信に間に合わせたかったんだけど、忙しくて遅れちゃってごめんね。でも、これからの配信でぜひ使ってほしいな。」
玲愛の言葉に、美優紀は涙ぐみながら感謝の言葉を述べた。
「ありがとう、本当にありがとう。これで、もっとたくさんのソラちゃんを知ってもらえるように頑張るね。」
「そうだね。きっとファンのみんなも喜んでくれるよ。美優紀がんばってるから、私ももっと応援したくなるよ。」
美優紀は泣きそうな表情で玲愛を見つめ、その感謝の気持ちを言葉にした。
「玲愛、あなたがママで本当に良かった。あなたがいなかったら、私はここまで来られなかったよ。」
玲愛は優しく美優紀の手を握り、励ましの言葉を続けた。
「大丈夫、美優紀。あなたはもっともっと成長できる。だから、これからも一緒に頑張ろうね。」
美優紀はその言葉に力をもらい、強く頷いた。彼女は玲愛の存在がどれだけ大きな支えであるかを改めて実感し、次の目標に向かって歩みを進める決意を新たにした。
玲愛は再びタブレットを操作し、美優紀に新しい衣装の詳細を見せた。
「この制服のデザイン、ちょっと大人っぽくしてみたんだ。髪型は美優紀と同じおろしたバージョンで、いつものアイドル衣装とは少し違った雰囲気にしてみたの。どうかな?」
美優紀は目を輝かせながら、新しい衣装の細部を見つめた。
「すごく素敵!こんなに素敵な衣装、早くみんなに見てもらいたいな。」
「歌配信はアイドル衣装でよかったけど、雑談配信とかに毎回アイドル衣装だと映えないかなって思って前から考えてたんだ。ただ、思ったより1000人の記念配信が早くて間に合わなかったよ。でもそれは嬉しい誤算で次の衣装はもっと早く作っとくね!」
「ありがとう!これからどんどん制服着て配信しちゃうね!衣装はもちろん嬉しいけど、無理しないようにね。これからもたくさん衣装作ってほしいし、ママの宣伝もがんばるから。」
「喜んでもらえてよかったよ。美優紀がこれを着て、もっとたくさんの人にソラちゃんを知ってもらえたら嬉しいな。さっき言ってたゲーム配信や同時視聴もこっちの姿ならよさそうだよね。同時視聴とかだと部屋着とかパジャマの方がいいか。創作意欲がわいてきたよ。」
「無理はしないでね。制服姿だけでも十分嬉しいし、この姿でゲーム配信や同時視聴はできるよ」
「もちろんすぐにとは言わないけど、新しい衣装は準備しとくね。」
「これからもソラちゃんとして、たくさんの人に楽しんでもらえるように頑張るよ。玲愛、本当にありがとう。」
玲愛は微笑みながら、美優紀の手を握り、温かい言葉をかけた。
「美優紀ならできるよ。自分を信じて、夢を追いかけていこう。」
二人はその後もカフェでの時間を楽しみながら、お互いの近況やこれからの計画について話し合った。美優紀は玲愛の支えを受けて、星野ソラとしての活動に一層の意欲を燃やしていた。
カフェを出ると、二人は別々の道を歩んだが、心の中ではいつもお互いを応援し合っているという強い絆を感じていた。
美優紀は帰宅後、新しい衣装を着たソラの姿を見ながら、次の配信の準備を始めた。彼女の心には、玲愛の温かい言葉と支えが深く刻まれていた。
「もっと頑張らなくちゃ。みんなに楽しんでもらえるように、ソラちゃんとして精一杯頑張ろう。」
美優紀はその決意を新たにし、星野ソラとしての活動に全力を注ぐことを誓った。彼女の目には、次なる目標に向かって進む強い意志が宿っていた。
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