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5章・大鷲、白鳩、黒烏、それと二匹の子梟

再会

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 カイエンが襲われたと誰もが思いもした。

 しかし、違った。

 ボロボロと涙を流す浅黒い肌の女の子は、カイエンの胸に顔をうずめて、会えて良かった。無事で良かったと泣いているのである。

 そして、カイエンも彼女の包帯を巻いている頭を優しく撫でて「大きくなったな」と嬉しそうに……それはもう本当に嬉しそうに言うのだ。

 八年ぶりの再会である。
 この瞬間をどちらも待ち続けた。
 ずっと……ずっとだ。

「私は大きくなったけど、お父様は老けてる」

 サニヤは目元の涙を指で拭いながらカイエンを見る。
 カイエン、三十七歳。
 もう充分過ぎるほどに大人たちである。
 顔の皺もだいぶ深くなって、髪の毛に白髪は混じるし、無精髭にも白い毛がポツポツと生えていた。

 八年経ったのだ。
 カイエンもサニヤも、止まっていたような時間が本当は進んでいたのだと、今始めて認識したかのように互いの変化を喜んで指摘しあうのである。

 実はこの時、サニヤと再会の喜びを分かち合いたかったのはもう一人居た。
 それはラキーニである。
 彼は何を隠そう、サニヤに会うため、今までずっと頑張ってきたのだ。
 サニヤがお姫様みたいな立場になると聞いたから一生懸命勉強した。
 サニヤの居る町へ行けるというから自警団で頑張った。

 サニヤに再会するため、必死になって生きてきたのだ。
 だけれど、父との再会に喜ぶサニヤの邪魔をするのはあまりにも不粋。
 しかし、しかし……ああ。ラキーニは若い男だ。
 なんでこの恋患いを制御することが出来ようか。

 彼は一歩、ずいっと前へ出ると「サニヤ。久しぶり」と言ったのである。

 サニヤは笑顔の顔でラキーニを見ると、とたんに眉をひそめ「え? だれ?」と言った。

 その時のラキーニの顔は……カイエンに言わせれば、絶望の顔であっただろう。
 いや、はたから見れば、まったくの無表情に見えた。

 カイエンは、そうかサニヤに会いに今まで頑張っていたのかと理解したのであるが、だからこそ、今のラキーニの感情は思い余るところもあろう。
 いや、ラキーニのその態度は事情の知らぬハリバーにも事態を察するに十分なものであり、話題を変えるためにも「カイエン様。私的事情よりまずはルーガに会うことが先でしょう」と言った。

 確かにその通りだ。
 再会を喜びたい所であるが、皆の時間を無駄にしないためにも、まずは面会を先にするべきだろう。

 サニヤを離させると、皆に軽く謝罪してルーガを招かせた。

 ルーガはガラナイを連れて幕舎へ入ってくると、サニヤが勝手に入ってしまった事を詫びる。
 それに関しては仕方ない所があったとカイエンは答えた。

 よそよそしい態度の二人にサニヤは眉をひそめる。
 なぜ二人は兄弟なのに再会を喜ばないのだろうかと思うのだ。
 もちろん、ルーガは反乱軍についた。それは事実であろうが、しかし、この最大の決戦においての立役者は何といってもルーガであろうからして、反乱軍に付いたことを許して貰えないだろうかとサニヤは思うのだ。

 だが、組織というものはそうそう上手く評価するものでない。
 状況に応じて二度も三度もころころ寝返られては信用出来ず。
 それが無能な小物ならばともかく、ルーガほどの猛将が簡単に裏切るとあれば、敵に再度寝返られる前に「処断」する他に道が無いのだ。

 それはルーガ自身分かっている事だ。
 処断において兄弟の情は邪魔でしかなく、だから互いに業務的なのである。

 この会合は当初、なぜ反乱軍に与したかという部分から始まった。
 当然ながら、ルーガが裏切ったのは兄サリオンへの義を立てたからである。

「王国から派遣されていた騎士達はどうした?」とカイエンが聞けば、「共に来てくれた者は寄子騎士として雇用しました」と言う。
 反乱に賛同しなかったものはどうしたのかと聞けば、斬りましたと答えた。

 騎士というものは、貴族領主が私的に雇う寄子騎士を除けば、本来は国王から派遣されて来る。
 つまりは部下と言う位置付けであるものの、どちらかと言えば同僚に近い立ち位置だ。
 ラムラッドの町を領として貰う前のルーガも男爵の位ながら、子爵や公爵などの位を持つ領主の元へ転々と赴任したものである。

 そして、領土を貰ったルーガも多分に漏れず、彼の元に居た騎士の殆どはマルダーク王国から派遣された騎士であった。
 ゆえに、当然ながら反乱を見逃せない人達も居たはずなのだ。
 ルーガはそんな彼らを斬ったのだと言うのである。

 これに一番衝撃を受けたのは、実はサニヤであった。
 サニヤはルーガの元に居たときでさえ、そのような話をまったく知らなかったのである。
 しかも、ルーガの騎士は、見習い騎士から出たばかりの、これから武功を上げようと言う若者が多かったはずだ。
 サニヤとそう歳の変わらぬ青年男女を殺害せしめたと言う事実に、サニヤは戦慄にも近い失望をルーガへ抱いた。

 そして、その事実はカイエン達王国軍にとっても、ルーガを処断するに十分な理由である。

 なので、ロイバックやキュレインは「処断すべきかと」とルカオットへ進言するのだ。

 もちろん、それを聞いてルーガとガラナイは何も言わない。
 最初っからこうなる事くらい分かっていたから、今さら喚く必要などないのだ。
 コウモリにはちょうど良い結末であろう。

 ルーガは軽く頭を下げ「こちらは私の息子なのですが、せめてこの子だけは助けて欲しい」とだけ言う。

 もちろん、親と子は一人一人違うのであるからして、ガラナイが降参するというならルーガの責務まで息子へ押しつけはしまい。

 しかし、それにサニヤはちょっと待ってよと言うのだ。

 サニヤは、さっきの戦いにおいてルーガ軍が活躍したおかげで勝てた事を述べたのである。

 しかし、カイエンが頭を左右に振り、その功があるからこそサニヤやガラナイが許されるのだと言った。

 ルーガ軍が居たからこその、この大勝であり、その功績によってルーガの首一つでルーガに従った将兵を許そうと言う事である。

 しかし、サニヤは、ルーガは本当は裏切るつもりなんてなかったと言う。
 ルーガはそんな簡単にコロコロと裏切ったのでは無く、自分が勝手にサリオン軍へ向かったから、仕方なく裏切らざる得なかったのだと弁護した。

 それにシュエンが、横からゴチャゴチャと抜かすなと言うので、サニヤはムッとして「何よ!」と怒鳴り返すのである。

 カイエンがそんなサニヤへ落ちつくようなだめた。

 ふと、ルカオットがそんなカイエンへ「防府太尉はどう思うのですか」と聞いた。

 カイエンは一瞬、何のことかと思ったが、すぐにルーガの処置の事かと気付く。

「ルーガの武功を讃え、ガラナイ殿以下の将兵は赦すとして、ルーガは全ての責務を背負うべきでしょう」と述べた。

 もし仮にルーガの裏切りを許しては、他の騎士や領主が安易な裏切りに走る可能性が出て来てしまうだろう。
 どうせ裏切りが失敗しても許して貰えるさと。
 だから、ルーガを許すべきでは無いのだ。 

 もちろん、裏切り方というものもある。
 もしもルーガが事前に寝返りを打診していたら話も違えようが、戦場でいきなりの寝返りはあまりにも打算的行動だ。
 
 しかし、ルカオットは「防府太尉……」と、言いづらそうに首を左右に振る。

「僕は、防府太尉の心を聞いているのです……。その、防府太尉の感情はどうなのでしょうか?」

 カイエンは拳を口に当て、考えるような仕草をした。
 自分の感情。
 いやはやしばらく忘れていたような部分だ。
 指揮官として、ずっと我を押し殺してきたのである。
 
 しかし、そうか、自分の気持であるか。
 カイエンは自分の感情を思い出すかのように静かに目を瞑り、しばしの沈黙の後、ゆっくりと瞼を開く。

「私の個人的な感情としては、ルーガには妻と娘を保護して貰いました。処断はしたくありません」

 そうだ。
 ルーガはカイエンの弟であるし、彼は誠実な男である。
 八年、リーリルとサニヤを守ってくれた。
 確かに、正直な話をすれば、不器用で愚鈍な所はありもしようが、なんでこの誠実な弟を処断しようなどと思おうか。

 その回答にルカオットは静かにかしずくと「ならば、処断はやめにしませんか」と提案するのである。

 それにロイバックやハリバーはいけませんと口を挟むものの、「ルーガが国の忠臣たる防府太尉の家族を守り続けたのなら、その功は報いるべきです」と毅然として言うのだ。
 ルカオットの普段の態度と違い、やはりマルダーク王の血を思わせる威風堂々たる態度である。

 ロイバックとキュレインは不服そうな態度であるが、しかし、確かに筋はあった。
 ハリバーはのほほんと笑って心根は分からないし、ラキーニもルカオットの決断に任せる態度だ。

「どうでしょう?」とルカオットがそんな皆に聞けば、シュエンは「ルカオットがハッキリとそう言うなら、俺達に出来る事なんてないだろ」と言うのである。
 シュエンはあまり物を考えぬ男であるが、本能の成すことか、こう言う所は正しくその通りな事を言うものだ。

「では。ルーガ。マルダーク王国はあなたの裏切りを許します」

 その上で「ただし」と続けた。
 
「マルダーク王国の騎士を傷つけた罪は赦しがたく、その罪に関しては追って処置する……形でよろしいでしょうか?」

 幕舎の人達皆が、静かに頷く。

 ルーガとガラナイは頭を深々と下げ「慎んで」と言うのだ。

 そんなルーガとガラナイへサニヤは駆け寄ると、二人の手を取って「やったぁ」と喜ぶのである。

 そんなサニヤを見ながらロイバックは、カイエンにそっと耳を寄せて「娘様は礼儀作法を習った方が良いですな」と言うので、カイエンは苦笑して「はい。これからは教えられそうです」と返すのであった。
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