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24 その心、剥がれる 後編
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突然。何もかもが突然だった。
「アンタたちは屋敷に戻ってくれ! エレナは、俺が必ず連れていく!!」
「待って、私たちも…!」
こちらの言葉を言い終わる前に、リッドと名乗った彼はエレナを追って走り出してしまった。
「ミリア、僕も行く! 君はお屋敷で待っていて!」
「アーサー! ダメ、私も探すわ!」
「でも…っ!」
いてもたってもいられず、アーサーと二人で駆け出す。往来する人たちが驚きの声を上げる中、エレナはおろか、もう顔を隠した彼の姿も見えなくなっていた。
どうして? どうして行ってしまうのお姉様! せっかく…!
「せっかく会えたのに…!」
ああ、もう、ドレスの裾が邪魔だわ…! こんな時、男の人の服装が少し羨ましくなる。
私と離れないように、アーサーはずっと手を引いてくれているけれど、これではエレナに追いつくことなどとてもできないだろう。
エレナが走った方向へ。路地を覗き、人がいれば尋ねる。でも見つからない。見当たらない。影も見えない。
「ミリア、やっぱりお屋敷に戻ろう。君が街中を走り回ることは難しいし、エレナも落ち着いたら屋敷に帰ってくるかもしれない。一度戻ったら、僕は兵士たちにも協力してもらってもう一度探しに出るよ」
「でも…またお姉様が遠くに行ってしまったら…」
「大丈夫、きっと大丈夫だよ。エレナが帰る場所はこの街とランバートの屋敷だ。だから彼女は帰ってきてくれたんじゃないか。君の元に、帰ってきてくれたじゃないか」
「アーサー…」
自分の無力さと、どうしてお姉様が走り去ってしまったのかという疑問がぐるぐると頭の中を回っていた。
どうしよう、全然気持ちがまとまらない。
ようやく再会できて、さっき抱きしめたばかりなのに。その感触の記憶が消えてしまいそうになる。
「聞きたいことが、たくさんあるの…」
「…ああ」
肩で大きく息をして、ただ呼吸をすればいいのに。言わなくてもいい言葉、が、浮かんで、弾けて、残って…。
「どうして、婚約破棄なんて…って、聞かなきゃいけないの、きっと」
「そうだね」
「でも、でもね、本当はそんなことどうでもよくて。エレナ、今日までどこで過ごしていたの、怖い目にあったりしてない? ケガや病気にはならなかった?って…さっき、言えたかな? 私…っ!」
ああ、また泣いてしまった。エレナ、私、ずっと心配していたよ。教えて、お姉様。ようやく会えたのに…。
「大丈夫。きっと、大丈夫だよ…」
その時、私は初めてアーサーに抱きしめられた。彼からの精一杯の慰めと、きっと同じ想いを持っているからこその、寄り添いと。
結局、私はアーサーに手を握られ、屋敷に向けて引き返すことになった。
アーサーに促され、少々不安定な足取りで屋敷へ引き返す。もちろん、心というか頭の中には黒いモヤのようなものが重くのしかかったままだ。不安。一言で表すなら、これが不安というものだ。視線がどうしても伏し目がちになってしまう。
でも、そんな私の気持ちにもお構いなしに、問題は続く。続くのだ。
「ミリアお嬢様!」
屋敷の方から、私を呼ぶ声が聞こえた。顔を上げると、使用人の一人が慌ててこちらに駆けてくるところだった。
「どうしたの? そんなに慌てて…」
できるだけ気丈なフリをして声を出す。今の私達の状況を伝えられる雰囲気ではないってことは、使用人の表情を見てすぐに察した。
「お客様が、お客様がお見えです…!」
「お客様? 誰よ、こんな時に…」
つい、ムッとなってしまった。私はすぐにでもエレナを探しにいきたいのに。
でも、そんな思いは次に耳に飛び込んできた言葉で、一瞬で掻き消えてしまった。
「それが、その、ガゼルフライデ大公家、デイビット殿下がお見えです!」
「えぇっ!?」
何よそれ…何よ、それ…!
「ど、どういうこと!? デイビットが来てるの!? 屋敷に!?」
「ミリア…!」
横を見ると、アーサーも驚きを隠せないでいる。まさか、こんな…。
ああ、頭の中のモヤが大きくなっていく。神様、今日はいったい、どうなっているの…。
・・・・・・・・
どれくらい泣いたのだろう。どれくらい涙が流れたのだろう。
ああ、眉間のあたりがひどく痛む。
目じりに残った涙を拭い、何とか顔を上げた時、ギィッと軋む音を立てて、1台の馬車が止まった。
「おお、エレナ! エレナではないか!! 戻ってきたのか!!」
「テベリ…伯父様…?」
馬車から顔を出したのは、伯父であるテベリ・ランバート伯爵だった。
「いやあ良かった、ようやく無事な姿を見ることができた。みな心配していたのだぞ? どうした、泣いていたのか? おお、これはまた質素な服を着て…やはり大変な思いをしたのではないか? 怪我などしていないか? 夜盗に襲われでもしまいかと、聡いお前に限ってそんなことはないとは考えたものの、内心ヒヤヒヤしておったのだ」
ドタドタ馬車から降りてきた伯父が、不安げな表情で私を気遣ってくれたのだけど、早口でまくし立てられて、なかなか言葉を挟むことができなかった。
いけない、何か、何か答えなくては。
「あ、あの…お久しぶりです伯父様。その、今回の縁談については本当にご迷惑をお掛けしたことと…」
「いやあ、まったくだ! 我々がどれだけお前のことを…ああ、いや、こういった説教じみた話はトーマスに任せよう。うむ。そうしよう。いやいや、何はともあれ無事で良かった!」
一通り言葉をつづけた後、はっはっはっ、と豪快に伯父が笑う。
その表情に、私もほっとした。
「で、こんなところでどうしたのだ。ワシは今から屋敷に向かうところだ。一緒に乗っていけ」
「あ、でも…」
「うん? なんだ、もう屋敷には戻った後か? それにしては、その、町娘の服装など…」
「いえ、さっき広場でミリアとアーサーに会ったの。再会、できたのだけど。その…」
「ふむ…状況はよくわからんが、まあとにかく馬車に乗るといい。一度、屋敷に行こう」
そう促され、気持ちが定まらないまま、私は馬車に乗り込む。隣に座ると、伯父は水筒を手渡してくれた。
「再会できてよかったぞエレナ。まあ、まずはこの薬湯を飲みなさい。心が落ち着くぞ」
「ありがとうございます」
言われるがまま受け取り、口に運ぶ。自分でも気づかないうちに相当渇いていたのだろう、はしたなく喉を鳴らして薬湯をいただいた。喉がスッとして、鼻に抜ける甘い香りが心地良い。不思議と心が落ち着いた。
ふぅっ、と息を吐く。全身がゆっくりと、少しずつ暖かくなっていくと同時に、疲労感が襲ってきた。
「…!! エレナっ…!」
ふと、遠くから声がする。誰かが、こちらに向かって、私を呼んでいる。
馬車をよける往来に阻まれ、手を振る彼はこちらに近づけないようだ。
いけない、きっと私を探しにきてくれたのだ。降りなきゃ…伯父様に、馬車を停めてもらうよう、お願いしなきゃ…。
「おや? なんだあの男は? エレナ、知り合いか?」
「はい…かれは、リッド…。わたしの…」
私が、とても、おせわにな、って…ここ…あ、あれ…?
なんだか、視界がぼんやりする。ガタガタとした馬車の揺れが、妙に耳の奥を刺激するような、息苦しさを覚える感覚。
えっと、そう、かれ…りっど、は…。
「ふむ。…ま、よかろう
「かまわん、進め
「少々急いだ方がよいかもしれんな
「いやあ、まさかこのような時に再会できるとはなぁ
「ああ、ああ、美しい
「お前は、なんと美しい…
「ミリアも美しい娘だが、エレナ、お前はエステリアの血が特に良く出ている…
「そうだエレナ、ワシの屋敷に来るといい
「よくわからんが、侯爵家は嫌なのだろう?
「もう戻りたくないのだろう?
「それで泣いていたのだよな?
「心配するな、ワシが何とかしよう
「ワシの元で暮らせばよい
「おお、美しいエレナ…
「いやあ、まさか、こんな機会が、こんなにも早く訪れようとは…
「はは、はっはっはっ、くくく…
「アンタたちは屋敷に戻ってくれ! エレナは、俺が必ず連れていく!!」
「待って、私たちも…!」
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「ミリア、僕も行く! 君はお屋敷で待っていて!」
「アーサー! ダメ、私も探すわ!」
「でも…っ!」
いてもたってもいられず、アーサーと二人で駆け出す。往来する人たちが驚きの声を上げる中、エレナはおろか、もう顔を隠した彼の姿も見えなくなっていた。
どうして? どうして行ってしまうのお姉様! せっかく…!
「せっかく会えたのに…!」
ああ、もう、ドレスの裾が邪魔だわ…! こんな時、男の人の服装が少し羨ましくなる。
私と離れないように、アーサーはずっと手を引いてくれているけれど、これではエレナに追いつくことなどとてもできないだろう。
エレナが走った方向へ。路地を覗き、人がいれば尋ねる。でも見つからない。見当たらない。影も見えない。
「ミリア、やっぱりお屋敷に戻ろう。君が街中を走り回ることは難しいし、エレナも落ち着いたら屋敷に帰ってくるかもしれない。一度戻ったら、僕は兵士たちにも協力してもらってもう一度探しに出るよ」
「でも…またお姉様が遠くに行ってしまったら…」
「大丈夫、きっと大丈夫だよ。エレナが帰る場所はこの街とランバートの屋敷だ。だから彼女は帰ってきてくれたんじゃないか。君の元に、帰ってきてくれたじゃないか」
「アーサー…」
自分の無力さと、どうしてお姉様が走り去ってしまったのかという疑問がぐるぐると頭の中を回っていた。
どうしよう、全然気持ちがまとまらない。
ようやく再会できて、さっき抱きしめたばかりなのに。その感触の記憶が消えてしまいそうになる。
「聞きたいことが、たくさんあるの…」
「…ああ」
肩で大きく息をして、ただ呼吸をすればいいのに。言わなくてもいい言葉、が、浮かんで、弾けて、残って…。
「どうして、婚約破棄なんて…って、聞かなきゃいけないの、きっと」
「そうだね」
「でも、でもね、本当はそんなことどうでもよくて。エレナ、今日までどこで過ごしていたの、怖い目にあったりしてない? ケガや病気にはならなかった?って…さっき、言えたかな? 私…っ!」
ああ、また泣いてしまった。エレナ、私、ずっと心配していたよ。教えて、お姉様。ようやく会えたのに…。
「大丈夫。きっと、大丈夫だよ…」
その時、私は初めてアーサーに抱きしめられた。彼からの精一杯の慰めと、きっと同じ想いを持っているからこその、寄り添いと。
結局、私はアーサーに手を握られ、屋敷に向けて引き返すことになった。
アーサーに促され、少々不安定な足取りで屋敷へ引き返す。もちろん、心というか頭の中には黒いモヤのようなものが重くのしかかったままだ。不安。一言で表すなら、これが不安というものだ。視線がどうしても伏し目がちになってしまう。
でも、そんな私の気持ちにもお構いなしに、問題は続く。続くのだ。
「ミリアお嬢様!」
屋敷の方から、私を呼ぶ声が聞こえた。顔を上げると、使用人の一人が慌ててこちらに駆けてくるところだった。
「どうしたの? そんなに慌てて…」
できるだけ気丈なフリをして声を出す。今の私達の状況を伝えられる雰囲気ではないってことは、使用人の表情を見てすぐに察した。
「お客様が、お客様がお見えです…!」
「お客様? 誰よ、こんな時に…」
つい、ムッとなってしまった。私はすぐにでもエレナを探しにいきたいのに。
でも、そんな思いは次に耳に飛び込んできた言葉で、一瞬で掻き消えてしまった。
「それが、その、ガゼルフライデ大公家、デイビット殿下がお見えです!」
「えぇっ!?」
何よそれ…何よ、それ…!
「ど、どういうこと!? デイビットが来てるの!? 屋敷に!?」
「ミリア…!」
横を見ると、アーサーも驚きを隠せないでいる。まさか、こんな…。
ああ、頭の中のモヤが大きくなっていく。神様、今日はいったい、どうなっているの…。
・・・・・・・・
どれくらい泣いたのだろう。どれくらい涙が流れたのだろう。
ああ、眉間のあたりがひどく痛む。
目じりに残った涙を拭い、何とか顔を上げた時、ギィッと軋む音を立てて、1台の馬車が止まった。
「おお、エレナ! エレナではないか!! 戻ってきたのか!!」
「テベリ…伯父様…?」
馬車から顔を出したのは、伯父であるテベリ・ランバート伯爵だった。
「いやあ良かった、ようやく無事な姿を見ることができた。みな心配していたのだぞ? どうした、泣いていたのか? おお、これはまた質素な服を着て…やはり大変な思いをしたのではないか? 怪我などしていないか? 夜盗に襲われでもしまいかと、聡いお前に限ってそんなことはないとは考えたものの、内心ヒヤヒヤしておったのだ」
ドタドタ馬車から降りてきた伯父が、不安げな表情で私を気遣ってくれたのだけど、早口でまくし立てられて、なかなか言葉を挟むことができなかった。
いけない、何か、何か答えなくては。
「あ、あの…お久しぶりです伯父様。その、今回の縁談については本当にご迷惑をお掛けしたことと…」
「いやあ、まったくだ! 我々がどれだけお前のことを…ああ、いや、こういった説教じみた話はトーマスに任せよう。うむ。そうしよう。いやいや、何はともあれ無事で良かった!」
一通り言葉をつづけた後、はっはっはっ、と豪快に伯父が笑う。
その表情に、私もほっとした。
「で、こんなところでどうしたのだ。ワシは今から屋敷に向かうところだ。一緒に乗っていけ」
「あ、でも…」
「うん? なんだ、もう屋敷には戻った後か? それにしては、その、町娘の服装など…」
「いえ、さっき広場でミリアとアーサーに会ったの。再会、できたのだけど。その…」
「ふむ…状況はよくわからんが、まあとにかく馬車に乗るといい。一度、屋敷に行こう」
そう促され、気持ちが定まらないまま、私は馬車に乗り込む。隣に座ると、伯父は水筒を手渡してくれた。
「再会できてよかったぞエレナ。まあ、まずはこの薬湯を飲みなさい。心が落ち着くぞ」
「ありがとうございます」
言われるがまま受け取り、口に運ぶ。自分でも気づかないうちに相当渇いていたのだろう、はしたなく喉を鳴らして薬湯をいただいた。喉がスッとして、鼻に抜ける甘い香りが心地良い。不思議と心が落ち着いた。
ふぅっ、と息を吐く。全身がゆっくりと、少しずつ暖かくなっていくと同時に、疲労感が襲ってきた。
「…!! エレナっ…!」
ふと、遠くから声がする。誰かが、こちらに向かって、私を呼んでいる。
馬車をよける往来に阻まれ、手を振る彼はこちらに近づけないようだ。
いけない、きっと私を探しにきてくれたのだ。降りなきゃ…伯父様に、馬車を停めてもらうよう、お願いしなきゃ…。
「おや? なんだあの男は? エレナ、知り合いか?」
「はい…かれは、リッド…。わたしの…」
私が、とても、おせわにな、って…ここ…あ、あれ…?
なんだか、視界がぼんやりする。ガタガタとした馬車の揺れが、妙に耳の奥を刺激するような、息苦しさを覚える感覚。
えっと、そう、かれ…りっど、は…。
「ふむ。…ま、よかろう
「かまわん、進め
「少々急いだ方がよいかもしれんな
「いやあ、まさかこのような時に再会できるとはなぁ
「ああ、ああ、美しい
「お前は、なんと美しい…
「ミリアも美しい娘だが、エレナ、お前はエステリアの血が特に良く出ている…
「そうだエレナ、ワシの屋敷に来るといい
「よくわからんが、侯爵家は嫌なのだろう?
「もう戻りたくないのだろう?
「それで泣いていたのだよな?
「心配するな、ワシが何とかしよう
「ワシの元で暮らせばよい
「おお、美しいエレナ…
「いやあ、まさか、こんな機会が、こんなにも早く訪れようとは…
「はは、はっはっはっ、くくく…
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