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堕ちた戦巫女
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メロディアはシオーナのボディパーツを回収すると故障や損傷の具合などを確かめ始めた。その間に【八英女】は久々の再会を喜び合っている。
「…すまん、シオーナ。お前だとは露ほども思わず、あのような辱しめを」
「構わない。それにレイディアントの吸い付き方はかなりうまい。乳を吸うプロと言って差し支えない」
「妙な単語を作るな! あの甘えたがりの姿は…我の魂の汚点なのだ」
「幼児退行なんて、むしろ可愛い性癖。私たちの前日譚なんてそれこそ…エッチ過ぎて強制削除されるほど」
「盛り上がってるところ悪いですけど、チェックが終わったんで胴体と結合させますよ」
ひょいっとシオーナの首を持ったメロディアはケーブルや魔力導線などを器用に繋ぎ合わせてヘッドパーツと同期させる。詳しい内部構造は分からないけれど、現状はこれで問題ないはず。
メロディアはシオーナに具合を聞いた。
「どうですか?」
その問いかけに応えるようにシオーナ上半身で出来る範囲の動作確認を行った。傍目に見ていても不具合を起こしている様子は見受けられない。
「…問題ない。きちんと機能している」
「良かった」
「けど魔界を出たときには纏っていたリンケージ鎧が軒並み外されていますね」
「魔界製、しかも魔王様の作ったやつだろ?」
「え? それはほっといたらヤバイ奴じゃ…」
嫌な予感のしたメロディアであったが、それはすぐに解決された。
「意識プログラムが再起動した段階で、それらには停止措置を取っている。悪用される可能性は低い」
「なら一先ずは安心ですけど。放っておくわけにもいかないですね。ボディみたいに居場所は特定できるんですか?」
「可能」
「ならそれはどこに?」
「先に言ったレッグ部分と座標情報がほぼ同じなので、恐らく一緒にされた上で移動しているものと考えられる」
「同一人物、もしくは同一グループが保管してるってことか」
「今、正確な位置情報が特定できた。地図を投影する」
シオーナはそう言って腕だけで器用に動き始めた。全員が何かを想起しかけていたが、やがて「あ、妖怪てけてけ」だという結論を導き出していた。
ベットの上に上がったシオーナは眼からライトを放ち、部屋の壁に近隣の地図を映し出す。すると赤い点が点滅を繰り返しながらじわじわと動いているのが見て取れた。と、同時に全員が赤い点の目指す場所に予想を立てていた。
「これ。もしかしなくてもクラッシコ王国に向かってませんか? ボクにはそう見えるけど」
「ですね」
「しかも移動速度が早い。地形を無視している事から考えても恐らくは飛行している」
その指摘を受けてドロマーとミリーの二人が何かを思い出したかのように言った
「ひょっとしたらギャングの生き残りじゃねえのか?」
「私もそう思ったところです」
「ギャングの生き残りって、どういう意味ですか?」
「このシオーナのパーツを売りに出してた奴が言ってたんだけどよ、元々はティパンニにある有力なギャングの武器庫にあったんだと」
「それが数日前に謎の襲撃を受けてギャングはほぼ壊滅状態。地下の武器庫が爆発四散してしまったそうです」
「大規模な抗争でもあったんでしょうか?」
「かもしれません。で、そこに火事場泥棒に入って売れそうな品をくすねていたそうです」
「その中にシオーナのボディがあったと言うわけか」
「ええ。露店商はアダルトグッズだと勘違いしていましたけれど…」
「武器庫にあったということは、ギャングはシオーナさんの兵器としての側面に気がついていた可能性がありますね」
ドロマーは頷く。すると同時にラーダが現状から予想できるひとつの可能性を示唆する。
「あはっ。そのギャングの生き残りが飛行機で逃げてるってこと? 武器を沢山持って?」
「売りに出して金策にするのか、それとも武器として使う気なのか。分からないですわね」
…金にするだけならまだいいか。いや、その場合は兵器を使う可能性のある人間が無差別に増えることになる。武器として使われてまずいのは言わずもがな。とどのつまり、その逃亡中のギャングの生き残りを探して回収する他に道はないのである。
メロディアは前髪を軽くつまむと如何にも気だるそうに呟いた。
「面倒だな。けどしゃーないか」
その瞬間、メロディアの除いた七人がぷっと吹き出したり、目を見開いて驚いたりと色々な反応を見せてきた。
訳が分からず何事かと問いただす。すると、
「ごめんなさい。その言い方と前髪をさわる癖はスコアと瓜二つだなと思いまして」
と返された。
それだけのことだったのだが、何故だかメロディアは急に気恥ずかしくなってしまった。どうして恥ずかしいと感じてしまったのかは、本人も謎だった。
いずれにしても次の目的が決まった。
メロディアは大雑把に打ち立てた現時点での計画を七人に話し出したのだった。
「…すまん、シオーナ。お前だとは露ほども思わず、あのような辱しめを」
「構わない。それにレイディアントの吸い付き方はかなりうまい。乳を吸うプロと言って差し支えない」
「妙な単語を作るな! あの甘えたがりの姿は…我の魂の汚点なのだ」
「幼児退行なんて、むしろ可愛い性癖。私たちの前日譚なんてそれこそ…エッチ過ぎて強制削除されるほど」
「盛り上がってるところ悪いですけど、チェックが終わったんで胴体と結合させますよ」
ひょいっとシオーナの首を持ったメロディアはケーブルや魔力導線などを器用に繋ぎ合わせてヘッドパーツと同期させる。詳しい内部構造は分からないけれど、現状はこれで問題ないはず。
メロディアはシオーナに具合を聞いた。
「どうですか?」
その問いかけに応えるようにシオーナ上半身で出来る範囲の動作確認を行った。傍目に見ていても不具合を起こしている様子は見受けられない。
「…問題ない。きちんと機能している」
「良かった」
「けど魔界を出たときには纏っていたリンケージ鎧が軒並み外されていますね」
「魔界製、しかも魔王様の作ったやつだろ?」
「え? それはほっといたらヤバイ奴じゃ…」
嫌な予感のしたメロディアであったが、それはすぐに解決された。
「意識プログラムが再起動した段階で、それらには停止措置を取っている。悪用される可能性は低い」
「なら一先ずは安心ですけど。放っておくわけにもいかないですね。ボディみたいに居場所は特定できるんですか?」
「可能」
「ならそれはどこに?」
「先に言ったレッグ部分と座標情報がほぼ同じなので、恐らく一緒にされた上で移動しているものと考えられる」
「同一人物、もしくは同一グループが保管してるってことか」
「今、正確な位置情報が特定できた。地図を投影する」
シオーナはそう言って腕だけで器用に動き始めた。全員が何かを想起しかけていたが、やがて「あ、妖怪てけてけ」だという結論を導き出していた。
ベットの上に上がったシオーナは眼からライトを放ち、部屋の壁に近隣の地図を映し出す。すると赤い点が点滅を繰り返しながらじわじわと動いているのが見て取れた。と、同時に全員が赤い点の目指す場所に予想を立てていた。
「これ。もしかしなくてもクラッシコ王国に向かってませんか? ボクにはそう見えるけど」
「ですね」
「しかも移動速度が早い。地形を無視している事から考えても恐らくは飛行している」
その指摘を受けてドロマーとミリーの二人が何かを思い出したかのように言った
「ひょっとしたらギャングの生き残りじゃねえのか?」
「私もそう思ったところです」
「ギャングの生き残りって、どういう意味ですか?」
「このシオーナのパーツを売りに出してた奴が言ってたんだけどよ、元々はティパンニにある有力なギャングの武器庫にあったんだと」
「それが数日前に謎の襲撃を受けてギャングはほぼ壊滅状態。地下の武器庫が爆発四散してしまったそうです」
「大規模な抗争でもあったんでしょうか?」
「かもしれません。で、そこに火事場泥棒に入って売れそうな品をくすねていたそうです」
「その中にシオーナのボディがあったと言うわけか」
「ええ。露店商はアダルトグッズだと勘違いしていましたけれど…」
「武器庫にあったということは、ギャングはシオーナさんの兵器としての側面に気がついていた可能性がありますね」
ドロマーは頷く。すると同時にラーダが現状から予想できるひとつの可能性を示唆する。
「あはっ。そのギャングの生き残りが飛行機で逃げてるってこと? 武器を沢山持って?」
「売りに出して金策にするのか、それとも武器として使う気なのか。分からないですわね」
…金にするだけならまだいいか。いや、その場合は兵器を使う可能性のある人間が無差別に増えることになる。武器として使われてまずいのは言わずもがな。とどのつまり、その逃亡中のギャングの生き残りを探して回収する他に道はないのである。
メロディアは前髪を軽くつまむと如何にも気だるそうに呟いた。
「面倒だな。けどしゃーないか」
その瞬間、メロディアの除いた七人がぷっと吹き出したり、目を見開いて驚いたりと色々な反応を見せてきた。
訳が分からず何事かと問いただす。すると、
「ごめんなさい。その言い方と前髪をさわる癖はスコアと瓜二つだなと思いまして」
と返された。
それだけのことだったのだが、何故だかメロディアは急に気恥ずかしくなってしまった。どうして恥ずかしいと感じてしまったのかは、本人も謎だった。
いずれにしても次の目的が決まった。
メロディアは大雑把に打ち立てた現時点での計画を七人に話し出したのだった。
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