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闇の中
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『おとうさま、あのお人形さんのようにきれいな女の子はだあれ?』
『彼女はお父様がお世話になっている人の娘さんだよ。これからお友達として仲良くしなさい』
『おとうさま、ローリーさまが変なの。じぶんはアクヤクレイジョーでわたしはトリマキ? なんですって』
『ままごとの話かい? 優秀だと聞いていたが、まだまだお人形遊びしたい年頃なんだろう。付き合ってあげなさい』
『お父様、私もう嫌です! ローリー様ったら私に足首の見えるスカートを穿かせたり、生の卵を食べさせようとするんですもの。どうかしてるわ』
『こら、そんな事を言うものではない! スカートは……まあ、可愛いがな。さすがに生卵は危険だから大臣に話しておこう。ただ、デル公爵令嬢は既存の考えに囚われない発想の持ち主なんだ。無暗に否定せず受け入れてやりなさい』
『お父様、ごめんなさい……でも私は悪くないの。全部ローリー様が悪いのよ』
『顔を上げなさい、アリシア。父の目を見て、もう一度同じ事が言えるか? デル公爵令嬢がそう言えと、おっしゃったんだろう?』
『グスッ、ひっく……』
『責めている訳じゃないんだ。お前は悪くない……大臣からも感謝されたよ、珍しく娘が我儘を言える友達だと』
『義姉上、よかった義姉上が無事で……何かあったらと思うと、僕は』
『エドったら大袈裟ね。アリシアだってついててくれたのよ?』
『そうだ、お前がついていながら、何故止めなかった! 義姉上を危険にさらしておいて、何が親友だ!!』
『いくら照れ隠しだからって、言い過ぎよエド! アリシア、義弟がごめんなさいね。きっとわたくしがいなくても、真っ先に助けに来てくれたと思うわ』
『(いいえエドワード様はどう見ても貴女にぞっこんですから! 私の事殺しそうな目で見てると気付いて!!)』
『アリシア、お父様に頼んでエドとの婚約を結んであげたわ。だってエドってば熱っぽい目で貴女の事見てるし、貴女もエドといるとモジモジ照れているんだものね。大丈夫、言わなくても分かってる。これでわたくしたち、本当の姉妹になれるわね!
あ、でも破滅して国外追放されたら滅多に会えなくなるのが寂しいけど……わたくしがいなくなっても、二人手を取り合って立派に殿下たちを支えてあげてちょうだいね!』
『ローリー様……あの』
『あら、お礼なんていいのよ。いつもわたくしの手助けしてくれる、ほんのお礼なんだから! うふふ、悪役令嬢のわたくしでも恋のキューピッドになれるのね!』
『(エドワード様のお顔が……怖くて見れません)』
『はあ……まったく、お前の無能っぷりにはイライラさせられるばかりだ。どうして義姉上はお前なんかと友人関係を続けていたんだろうな』
『申し訳ございません……』
『まあ、最後に全ての罪を被る事で義姉上を守ってくれたのだけは褒めてやろう。無事、我々の婚約も破棄された事だしな。義姉上もお前の事など忘れて、さっさと立ち直ってくれるといいのだが』
『申し訳ございません……』
『まあ今回は王家の有責という事で、ワンダー伯爵家もそれほどの瑕になる事もあるまい。せいぜいお務めを果たして、義姉上が余計なお節介を焼く前に、王家が適当に見繕った男と結婚しておくんだな』
『(それは同意)』
『なんだ、その目は。まさか義姉上の言う通り、本当に私に気があったのではないだろうな?』
『ブルブルブル! とんでもない、エドワード様が如何にローリー様をお慕いしていたのか十二分に理解しておりますので! エドワード様もどうぞ元・婚約者の事など綺麗さっぱり忘れて、義姉上とお幸せに!!』
誰が好き好んでトンデモ令嬢ローリー様の腰巾着や、ヤンデレシスコン義弟エドワード様の婚約者なんてなるものか! 全てから解放された今、全力で否定してやる!!
ぶるぶるぶる!
ぶるぶるぶるぶるぷるぷる……ぷる?
『彼女はお父様がお世話になっている人の娘さんだよ。これからお友達として仲良くしなさい』
『おとうさま、ローリーさまが変なの。じぶんはアクヤクレイジョーでわたしはトリマキ? なんですって』
『ままごとの話かい? 優秀だと聞いていたが、まだまだお人形遊びしたい年頃なんだろう。付き合ってあげなさい』
『お父様、私もう嫌です! ローリー様ったら私に足首の見えるスカートを穿かせたり、生の卵を食べさせようとするんですもの。どうかしてるわ』
『こら、そんな事を言うものではない! スカートは……まあ、可愛いがな。さすがに生卵は危険だから大臣に話しておこう。ただ、デル公爵令嬢は既存の考えに囚われない発想の持ち主なんだ。無暗に否定せず受け入れてやりなさい』
『お父様、ごめんなさい……でも私は悪くないの。全部ローリー様が悪いのよ』
『顔を上げなさい、アリシア。父の目を見て、もう一度同じ事が言えるか? デル公爵令嬢がそう言えと、おっしゃったんだろう?』
『グスッ、ひっく……』
『責めている訳じゃないんだ。お前は悪くない……大臣からも感謝されたよ、珍しく娘が我儘を言える友達だと』
『義姉上、よかった義姉上が無事で……何かあったらと思うと、僕は』
『エドったら大袈裟ね。アリシアだってついててくれたのよ?』
『そうだ、お前がついていながら、何故止めなかった! 義姉上を危険にさらしておいて、何が親友だ!!』
『いくら照れ隠しだからって、言い過ぎよエド! アリシア、義弟がごめんなさいね。きっとわたくしがいなくても、真っ先に助けに来てくれたと思うわ』
『(いいえエドワード様はどう見ても貴女にぞっこんですから! 私の事殺しそうな目で見てると気付いて!!)』
『アリシア、お父様に頼んでエドとの婚約を結んであげたわ。だってエドってば熱っぽい目で貴女の事見てるし、貴女もエドといるとモジモジ照れているんだものね。大丈夫、言わなくても分かってる。これでわたくしたち、本当の姉妹になれるわね!
あ、でも破滅して国外追放されたら滅多に会えなくなるのが寂しいけど……わたくしがいなくなっても、二人手を取り合って立派に殿下たちを支えてあげてちょうだいね!』
『ローリー様……あの』
『あら、お礼なんていいのよ。いつもわたくしの手助けしてくれる、ほんのお礼なんだから! うふふ、悪役令嬢のわたくしでも恋のキューピッドになれるのね!』
『(エドワード様のお顔が……怖くて見れません)』
『はあ……まったく、お前の無能っぷりにはイライラさせられるばかりだ。どうして義姉上はお前なんかと友人関係を続けていたんだろうな』
『申し訳ございません……』
『まあ、最後に全ての罪を被る事で義姉上を守ってくれたのだけは褒めてやろう。無事、我々の婚約も破棄された事だしな。義姉上もお前の事など忘れて、さっさと立ち直ってくれるといいのだが』
『申し訳ございません……』
『まあ今回は王家の有責という事で、ワンダー伯爵家もそれほどの瑕になる事もあるまい。せいぜいお務めを果たして、義姉上が余計なお節介を焼く前に、王家が適当に見繕った男と結婚しておくんだな』
『(それは同意)』
『なんだ、その目は。まさか義姉上の言う通り、本当に私に気があったのではないだろうな?』
『ブルブルブル! とんでもない、エドワード様が如何にローリー様をお慕いしていたのか十二分に理解しておりますので! エドワード様もどうぞ元・婚約者の事など綺麗さっぱり忘れて、義姉上とお幸せに!!』
誰が好き好んでトンデモ令嬢ローリー様の腰巾着や、ヤンデレシスコン義弟エドワード様の婚約者なんてなるものか! 全てから解放された今、全力で否定してやる!!
ぶるぶるぶる!
ぶるぶるぶるぶるぷるぷる……ぷる?
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