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第一章 不遇の伯爵令嬢編
違う世界の物語②
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乙女ゲーム「葉隠れの姫君」開始までの五年間で、内容についてしっかり振り返っておこうと思う。ヒロインとして転生した、あたしがこの世界で生きるために。
まずは共通ルート…と言うか物語とヒロインの設定。孤児院で育った平民のリリオルザ=ヴァリーは十歳の時に拾って以来、大の仲良しだった謎の生物ピュールが光の聖獣である、と言う話が回想付きで語られ、孤児院に恩返しするために男爵からの支援を得てスティリアム王立学園の特待生として入学。
興味を持った攻略キャラと関わりを持ち、魔法の存在を知った彼女は一年生の時点で独自の魔法薬を研究・開発する「実験クラブ」を立ち上げる。製作も順調に進む中、攻略キャラとの関係にも変化が訪れる。
だがある時、薬の存在を巡って国を揺るがす大事件が起き――? と言う内容。この大事件と言うのが、各ルートによって違うのも特徴ね。
次に各攻略キャラ。やっぱりせっかくファンタジーな美少女に生まれ変わったからには、前世の喪女だった時と違ってリア充したいよね。でもだからって、そのために悪役令嬢を破滅に追い込むのもなー…その点、「葉隠れの姫君」は安心安全。その上、悪役令嬢のベアトリス=ローズがまたドS系の超美人なお姉さん! 百合ルートがないのが非常に惜しまれてたなあ…百合だけに。
まずはメインヒーロー、第二王子カークルート。
ドSな俺様で、入学式に迷子になっていたヒロインと遭遇。冗談めかして壁ドン+「俺のもんになれよ」コンボとかしょっぱなから色々飛ばしまくってるキャラ。悪役令嬢ベアトリスとは婚約者であり、当然ながらヒロインとのバトルもこのルートが一番苛烈。でも断罪イベントはあっても破滅はしないんだよなあ……
エンディングはヒロインが完成させた魔法薬によって回復した兄に王太子の座を譲り、自分は辺境伯となってヒロインと共に魔法薬研究に勤しむ。リリーも難病の特効薬を開発した功績でポーチェ男爵領に恩返しが出来、男爵の養子になった上に子爵の位を賜っている。そう、貴族になった事でカークと結婚できるってわけ。もっとも、別ルートではさらに凄い出自が明かされたりするんだけど……
ベアトリスは断罪されたものの、ローズ宰相の娘と言う事で恩情があり、お互い監視目的でチャールズと愛のない結婚をする。
続いてカークの懐刀チャールズルート。
パッケージを始めとして、色んなグッヅにおいて常にカークとセットだ。おかげで腐界隈は大いに盛り上がりましたよ、ええ……。終いには公式のメディアミックスにまで浸食しやがって、あたしは小説を焚書にしたね! …コホン。
彼は断罪された王族の血筋故、常に腫れ物扱いされてきて、おかげでカークを除いて人間不信。特に女性は自分の見てくれと地位にしか興味ないんだと、刹那的な快楽で割り切った付き合いしかして来なかった。このゲームは全年齢ではあるけど、セリフの端々に彼の爛れた生活が垣間見れて、どっかから苦情が来ないかハラハラしちゃったよー。ネットでは「夜鷹の従者」だとか「あっちの剣豪」とか散々だったな……
そんなチャールズ、カークの婚約者ベアトリスとは犬猿の仲。お互い「女狐」「鳩公」と事あるごとにぶつかっている……「鳩公」って結局何なのか分かんなかったな。政治用語で「タカ派」「ハト派」ってあるけど、関係あるのかな? もし会えたら聞いてみよう。
で、最初はちょっとからかうつもりであしらっていた彼もヒロインの優しい心に触れてだんだん本気になっていく。とは言えヒロインは平民だし、結婚しても幽閉同然の生活が待っている。
そこでチャールズの想いを汲んだカークが王太子になり、ウォルト公爵家の監視者をすべて手駒にすり替えた上で二人を国外に脱出させる。この時のスチル、人目を忍んでのフードにサングラス姿がくっそかっこいいんだよね!
そしてチャールズの逃亡を執拗に妨害しようとしたベアトリスは、リリーを人質に取ろうとしてチャールズに斬られてしまう……が、カークの配下に催眠効果の魔法薬を飲まされ、自分がチャールズだと思い込み。カークの婚約者を殺した事を誰にも知られないよう変身効果の魔法薬でベアトリスの姿をしているのだ…と言う妄想の元、お飾りの王妃となった。……ある意味、一番狂気を感じる結末だ。
ちなみにあたしは、ビジュアルの好みがあるので逆ハーレムは好きじゃない。逆ハーエンドがないのも、このゲームが好きな理由。一番好きなのはガヴたそ(天使)だし、主従サンドとかたまりませんけど。だから後はもう、おまけかな?
ハロルド=ミナイ。魔法薬学教師兼「実験クラブ」の顧問。二十九歳でだいぶ年上だから範疇外なんだよね……。ヒロインが魔法薬の存在を知り、興味を持って交流を深める内にルート突入。カークに頼まれて第一王子の難病に効く治療薬を作るが、実は第一王子派の暗殺者であった事が彼のルートで明かされる。ベアトリスによって正体が暴かれ追いつめられるけど、ここでカークが恩を売り、専属の魔法薬師に任命される事で手出し出来ないようにする。自分のルート以外でも結構立ち回るな、カーク……さすがメインヒーロー。婚約者の尻拭いと言えなくもないけど。
ジョセフ=ブラッドレイ。同学年で新聞部の男爵子息。彼はまあ、何ちゃらの休日パロをやりたいがためのキャラだね。ただし一年次はショタ粋でヒロインよりも背が低い。背がぐんぐん伸びて男っぽくなるのは二年の中頃から。でも友好度が高いだけでも、尊敬していたカメラの師匠がロリコンで、リリーが被写体にされそうになった時も師匠を殴り倒して救出すると言う男気を見せるんだよねー。
ベアトリスはと言えば、リリーを虐めた仕返しにジョセフに嵌められ、まんまとロリコン師匠の被写体にされて引きこもります。えぐいわー。
最後に、シュイ=フー。東の大国「センタフレア帝国」からの留学生で二十歳。方士と呼ばれる不老不死の医術や法術の研究者で、皇帝からの密命でエリクサーと呼ばれる不老不死の魔法薬を探している。某ゲームと違って中盤でホイホイ買えたりしないし幻の妙薬とも呼ばれているんだけど、リリーがエリクサーの錬成に成功しちゃうんだよね。その事が関係してるのか何なのか、帝国から戦争を仕掛けられると言う、現実になれば結構ハードなルート。
ところで乙女ゲーの攻略キャラとしては相当異色じゃない? 西洋風ファンタジーにアジア人って。細目だし頭もお団子だし。せめてそこは、サムライにしとこうよ……何でプロフィールに「好物:月餅」とか書かれちゃう系なんだよ。あ、このルートではベアトリスとの絡みは特にないけど、王太子妃候補としては戦争を避けるために色々苦労するかもね。
とりあえずざっとまとめてみたけど、うーん……誰とのエンディングを迎えよう?
まず戦争は嫌だから、シュイは徹底的に避けよう。ネタバレするとリリーの出生に関係ある人だけど、どうせ明かされるのはジョセフルートだし。そのジョセフもなあ……彼ルートのベアトリスが地味にかわいそう。
ハロルドは暗殺者だから怖い。まあどのルートだろうとそれは変わらないはずだけど、少なくとも彼のルートに入らなければ正体を知らないまま平和に過ごせる。キリング王子の難病を治せる万能薬を開発するには、実験クラブの創設が必要不可欠なんだよ。そのためにも、ハロルドには顧問になってもらわなきゃ。
あとはカークかチャールズ……見た目だけで言うなら、チャールズの方が好みだな。彼の境遇はカークがいなければ悲惨と言うしかなくて、シナリオもすっごく切ないんだけど……悪役令嬢の扱いが、えげつなさ過ぎる! 本物の婚約者なのに、自分はそれを殺して成り代わっている偽物(男)だと一生思い込まされるとか!
ダメダメ、チャールズルートはやめておこう。
残ったのは……王道ルートかぁ。うん、確かにカーク×ヒロインのカップリングは大好き。小説もドラマCDも彼等のは絶対出てたし、BL満載の二次創作だって、カークルートの作品はそれなりにあるんだよね。ただ……ただ! それ以上に好きなカップリングがカークルートにはあるの!
それが、チャールズ×ベアトリス!!
え? チャールズの忠義とベアトリスへの断罪による愛のない夫婦? ええ、それが公式なのは知ってますよ。罰ゲーム扱いなのも二次でまったく見かけないのも。
特にチャールズは、カークルートにおいても密かにヒロインを想っていて、でもカークの事も何より大事で。二人の幸せのために本心を押し殺して、ベアトリスを引き受けるんだよね。みんな言ってたもん、「チャールズかわいそう。ヒロイン(腐的にはカーク)が好きなのに、鳥巣(※ベアトリスの事)なんかと結婚させられて」って。
でも…でもいいじゃん! 愛のない殺伐とした関係でも。不遇を強いられ屈辱を味わうベアたんに最初は暗い悦びを覚えていたチャーリーも、夫婦生活を続ける内に徐々に絆されるのですよ。
『おかしい……僕が愛しているのはリリーなのに、こんな女狐に心を乱されるなんて……くっ』
きゃーっ、鳩狐最高オオォォ!!
…なんて、こんなカップリングに萌えているのはあたしだけですけども。おかげで前世はこんなに滾っているのに同人誌も描けやしなかった。だって同志がいなくて誰も見てくれないのに、それって意味ある?
でも、ここではそれが……そうだ、叶うんだ。
よし、選択はカークルートで決まり。第二王子にお近付きになって、ついでに鳩狐の痴話喧嘩も間近で見られれば幸せだ。
ふっふっふ、待ってなさいカーク王子、&鳩狐!
まずは共通ルート…と言うか物語とヒロインの設定。孤児院で育った平民のリリオルザ=ヴァリーは十歳の時に拾って以来、大の仲良しだった謎の生物ピュールが光の聖獣である、と言う話が回想付きで語られ、孤児院に恩返しするために男爵からの支援を得てスティリアム王立学園の特待生として入学。
興味を持った攻略キャラと関わりを持ち、魔法の存在を知った彼女は一年生の時点で独自の魔法薬を研究・開発する「実験クラブ」を立ち上げる。製作も順調に進む中、攻略キャラとの関係にも変化が訪れる。
だがある時、薬の存在を巡って国を揺るがす大事件が起き――? と言う内容。この大事件と言うのが、各ルートによって違うのも特徴ね。
次に各攻略キャラ。やっぱりせっかくファンタジーな美少女に生まれ変わったからには、前世の喪女だった時と違ってリア充したいよね。でもだからって、そのために悪役令嬢を破滅に追い込むのもなー…その点、「葉隠れの姫君」は安心安全。その上、悪役令嬢のベアトリス=ローズがまたドS系の超美人なお姉さん! 百合ルートがないのが非常に惜しまれてたなあ…百合だけに。
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エンディングはヒロインが完成させた魔法薬によって回復した兄に王太子の座を譲り、自分は辺境伯となってヒロインと共に魔法薬研究に勤しむ。リリーも難病の特効薬を開発した功績でポーチェ男爵領に恩返しが出来、男爵の養子になった上に子爵の位を賜っている。そう、貴族になった事でカークと結婚できるってわけ。もっとも、別ルートではさらに凄い出自が明かされたりするんだけど……
ベアトリスは断罪されたものの、ローズ宰相の娘と言う事で恩情があり、お互い監視目的でチャールズと愛のない結婚をする。
続いてカークの懐刀チャールズルート。
パッケージを始めとして、色んなグッヅにおいて常にカークとセットだ。おかげで腐界隈は大いに盛り上がりましたよ、ええ……。終いには公式のメディアミックスにまで浸食しやがって、あたしは小説を焚書にしたね! …コホン。
彼は断罪された王族の血筋故、常に腫れ物扱いされてきて、おかげでカークを除いて人間不信。特に女性は自分の見てくれと地位にしか興味ないんだと、刹那的な快楽で割り切った付き合いしかして来なかった。このゲームは全年齢ではあるけど、セリフの端々に彼の爛れた生活が垣間見れて、どっかから苦情が来ないかハラハラしちゃったよー。ネットでは「夜鷹の従者」だとか「あっちの剣豪」とか散々だったな……
そんなチャールズ、カークの婚約者ベアトリスとは犬猿の仲。お互い「女狐」「鳩公」と事あるごとにぶつかっている……「鳩公」って結局何なのか分かんなかったな。政治用語で「タカ派」「ハト派」ってあるけど、関係あるのかな? もし会えたら聞いてみよう。
で、最初はちょっとからかうつもりであしらっていた彼もヒロインの優しい心に触れてだんだん本気になっていく。とは言えヒロインは平民だし、結婚しても幽閉同然の生活が待っている。
そこでチャールズの想いを汲んだカークが王太子になり、ウォルト公爵家の監視者をすべて手駒にすり替えた上で二人を国外に脱出させる。この時のスチル、人目を忍んでのフードにサングラス姿がくっそかっこいいんだよね!
そしてチャールズの逃亡を執拗に妨害しようとしたベアトリスは、リリーを人質に取ろうとしてチャールズに斬られてしまう……が、カークの配下に催眠効果の魔法薬を飲まされ、自分がチャールズだと思い込み。カークの婚約者を殺した事を誰にも知られないよう変身効果の魔法薬でベアトリスの姿をしているのだ…と言う妄想の元、お飾りの王妃となった。……ある意味、一番狂気を感じる結末だ。
ちなみにあたしは、ビジュアルの好みがあるので逆ハーレムは好きじゃない。逆ハーエンドがないのも、このゲームが好きな理由。一番好きなのはガヴたそ(天使)だし、主従サンドとかたまりませんけど。だから後はもう、おまけかな?
ハロルド=ミナイ。魔法薬学教師兼「実験クラブ」の顧問。二十九歳でだいぶ年上だから範疇外なんだよね……。ヒロインが魔法薬の存在を知り、興味を持って交流を深める内にルート突入。カークに頼まれて第一王子の難病に効く治療薬を作るが、実は第一王子派の暗殺者であった事が彼のルートで明かされる。ベアトリスによって正体が暴かれ追いつめられるけど、ここでカークが恩を売り、専属の魔法薬師に任命される事で手出し出来ないようにする。自分のルート以外でも結構立ち回るな、カーク……さすがメインヒーロー。婚約者の尻拭いと言えなくもないけど。
ジョセフ=ブラッドレイ。同学年で新聞部の男爵子息。彼はまあ、何ちゃらの休日パロをやりたいがためのキャラだね。ただし一年次はショタ粋でヒロインよりも背が低い。背がぐんぐん伸びて男っぽくなるのは二年の中頃から。でも友好度が高いだけでも、尊敬していたカメラの師匠がロリコンで、リリーが被写体にされそうになった時も師匠を殴り倒して救出すると言う男気を見せるんだよねー。
ベアトリスはと言えば、リリーを虐めた仕返しにジョセフに嵌められ、まんまとロリコン師匠の被写体にされて引きこもります。えぐいわー。
最後に、シュイ=フー。東の大国「センタフレア帝国」からの留学生で二十歳。方士と呼ばれる不老不死の医術や法術の研究者で、皇帝からの密命でエリクサーと呼ばれる不老不死の魔法薬を探している。某ゲームと違って中盤でホイホイ買えたりしないし幻の妙薬とも呼ばれているんだけど、リリーがエリクサーの錬成に成功しちゃうんだよね。その事が関係してるのか何なのか、帝国から戦争を仕掛けられると言う、現実になれば結構ハードなルート。
ところで乙女ゲーの攻略キャラとしては相当異色じゃない? 西洋風ファンタジーにアジア人って。細目だし頭もお団子だし。せめてそこは、サムライにしとこうよ……何でプロフィールに「好物:月餅」とか書かれちゃう系なんだよ。あ、このルートではベアトリスとの絡みは特にないけど、王太子妃候補としては戦争を避けるために色々苦労するかもね。
とりあえずざっとまとめてみたけど、うーん……誰とのエンディングを迎えよう?
まず戦争は嫌だから、シュイは徹底的に避けよう。ネタバレするとリリーの出生に関係ある人だけど、どうせ明かされるのはジョセフルートだし。そのジョセフもなあ……彼ルートのベアトリスが地味にかわいそう。
ハロルドは暗殺者だから怖い。まあどのルートだろうとそれは変わらないはずだけど、少なくとも彼のルートに入らなければ正体を知らないまま平和に過ごせる。キリング王子の難病を治せる万能薬を開発するには、実験クラブの創設が必要不可欠なんだよ。そのためにも、ハロルドには顧問になってもらわなきゃ。
あとはカークかチャールズ……見た目だけで言うなら、チャールズの方が好みだな。彼の境遇はカークがいなければ悲惨と言うしかなくて、シナリオもすっごく切ないんだけど……悪役令嬢の扱いが、えげつなさ過ぎる! 本物の婚約者なのに、自分はそれを殺して成り代わっている偽物(男)だと一生思い込まされるとか!
ダメダメ、チャールズルートはやめておこう。
残ったのは……王道ルートかぁ。うん、確かにカーク×ヒロインのカップリングは大好き。小説もドラマCDも彼等のは絶対出てたし、BL満載の二次創作だって、カークルートの作品はそれなりにあるんだよね。ただ……ただ! それ以上に好きなカップリングがカークルートにはあるの!
それが、チャールズ×ベアトリス!!
え? チャールズの忠義とベアトリスへの断罪による愛のない夫婦? ええ、それが公式なのは知ってますよ。罰ゲーム扱いなのも二次でまったく見かけないのも。
特にチャールズは、カークルートにおいても密かにヒロインを想っていて、でもカークの事も何より大事で。二人の幸せのために本心を押し殺して、ベアトリスを引き受けるんだよね。みんな言ってたもん、「チャールズかわいそう。ヒロイン(腐的にはカーク)が好きなのに、鳥巣(※ベアトリスの事)なんかと結婚させられて」って。
でも…でもいいじゃん! 愛のない殺伐とした関係でも。不遇を強いられ屈辱を味わうベアたんに最初は暗い悦びを覚えていたチャーリーも、夫婦生活を続ける内に徐々に絆されるのですよ。
『おかしい……僕が愛しているのはリリーなのに、こんな女狐に心を乱されるなんて……くっ』
きゃーっ、鳩狐最高オオォォ!!
…なんて、こんなカップリングに萌えているのはあたしだけですけども。おかげで前世はこんなに滾っているのに同人誌も描けやしなかった。だって同志がいなくて誰も見てくれないのに、それって意味ある?
でも、ここではそれが……そうだ、叶うんだ。
よし、選択はカークルートで決まり。第二王子にお近付きになって、ついでに鳩狐の痴話喧嘩も間近で見られれば幸せだ。
ふっふっふ、待ってなさいカーク王子、&鳩狐!
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