最後に言い残した事は

 どうして、こんな事になったんだろう……

 断頭台の上で、元王妃リテラシーは呆然と己を罵倒する民衆を見下ろしていた。世界中から尊敬を集めていた宰相である父の暗殺。全てが狂い出したのはそこから……いや、もっと前だったかもしれない。
 本日、リテラシーは公開処刑される。家族ぐるみで悪魔崇拝を行っていたという謂れなき罪のために王妃の位を剥奪され、邪悪な魔女として。

「最後に、言い残した事はあるか?」

 かつての夫だった若き国王の言葉に、リテラシーは父から教えられていた『呪文』を発する。

※ファンタジーです。ややグロ表現注意。
※「小説家になろう」にも掲載。
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