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15.それぞれの末路
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私がランベルトから婚約破棄を言い渡されるキッカケとなった、アメリという名の女性は平民に戻された。
多額の慰謝料を支払ってから、彼女を貴族社会から解放したらしい。それなのに、アメリは受け取ったお金を短期間で一気に使い込んでしまった。
一度染み付いてしまった贅沢を、彼女は忘れられなかったようだ。
そしてまたアメリは、貴族の世界に戻りたいと訴えているらしい。
彼女を貴族にした家は、面倒だからと放り出そうとして失敗したのか。一度貴族に取り上げたんだから、最後まで面倒を見る覚悟をしておかないと。
アメリも、他の貴族たちにイジメられると怖がっていたのに。それでランベルトに助けを求めて、途中までは上手くやっていたがダメになる。もう諦めて、平民として生きていくのが正解だった。慰謝料を使い込んだ時点で、もう無理だろうけど。
一度貴族になったことで、平民が貴族に楯突くことの恐ろしさも忘れてしまったのかな。近いうちに、あまり良くない事態になるだろうな。
妹のシャルリーヌは、修道女として生きていくことにしたようだ。
結局、男性恐怖症のままで結婚することも出来ない。だから、神に仕える身として一生を終えると覚悟を決めたらしい。私は、その選択を応援した。
ランベルトの幼馴染だったイローナという令嬢は、愛していた人が突然居なくなり失意のどん底に突き落とされた。無気力状態が続く最中に、ランベルトとは別の相手と結婚させられた。
その後、自殺未遂を何度か起こしたそうだ。けれど、詳しくは分からない。治療に専念して、社交界にも姿を現さないから。一方で、結婚相手が嫉妬深くて軟禁されているというような噂も聞いた。噂なので、本当かどうか分からないけど。
トルステン王子の元婚約者だったヴェロニカという令嬢は、例の件でランベルトが居なくなった瞬間に復縁を求めてトルステン王子に言い寄っていた。
彼は、それをバッサリと切り捨てている。復縁は、絶対にしないと断っていた。
けれども、それが本当かどうか私は心配だった。なので、しばらく彼の様子を観察する。まだ私は、トルステン王子のことを信用はしていなかった。
そんな状態だから、私とトルステン王子の関係は今のところギクシャクしている。
「今度の休み、別荘に遊びに行かないか?」
「そうですね。良いと思います」
最近、トルステン王子から2人で一緒に過ごそうと提案されることが多くなった。歩み寄ってくれているのが、よく分かる。
「そうかッ! じゃあ、準備しておこう」
「はい。そうすれば、周りからも仲の良い関係だと見えますものね」
「あ、あぁ……。うん、そうだな」
ただ私は、まだ彼の好意を素直に受け止めることが出来なかった。もしかしたら、という疑いの気持ちが大きい。
でも少しずつ、気持ちは変化している。申し訳ないけれども、トルステン王子には私の気持ちが変化し切るまで付き合ってもらおう。
その代わり、私はトルステン王子を頑張って支える。この関係が続く限り全力で。
私の気持ちが完全に変化するまでは、もうしばらくビジネスライクな関係を続けていくつもりだ。
多額の慰謝料を支払ってから、彼女を貴族社会から解放したらしい。それなのに、アメリは受け取ったお金を短期間で一気に使い込んでしまった。
一度染み付いてしまった贅沢を、彼女は忘れられなかったようだ。
そしてまたアメリは、貴族の世界に戻りたいと訴えているらしい。
彼女を貴族にした家は、面倒だからと放り出そうとして失敗したのか。一度貴族に取り上げたんだから、最後まで面倒を見る覚悟をしておかないと。
アメリも、他の貴族たちにイジメられると怖がっていたのに。それでランベルトに助けを求めて、途中までは上手くやっていたがダメになる。もう諦めて、平民として生きていくのが正解だった。慰謝料を使い込んだ時点で、もう無理だろうけど。
一度貴族になったことで、平民が貴族に楯突くことの恐ろしさも忘れてしまったのかな。近いうちに、あまり良くない事態になるだろうな。
妹のシャルリーヌは、修道女として生きていくことにしたようだ。
結局、男性恐怖症のままで結婚することも出来ない。だから、神に仕える身として一生を終えると覚悟を決めたらしい。私は、その選択を応援した。
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彼は、それをバッサリと切り捨てている。復縁は、絶対にしないと断っていた。
けれども、それが本当かどうか私は心配だった。なので、しばらく彼の様子を観察する。まだ私は、トルステン王子のことを信用はしていなかった。
そんな状態だから、私とトルステン王子の関係は今のところギクシャクしている。
「今度の休み、別荘に遊びに行かないか?」
「そうですね。良いと思います」
最近、トルステン王子から2人で一緒に過ごそうと提案されることが多くなった。歩み寄ってくれているのが、よく分かる。
「そうかッ! じゃあ、準備しておこう」
「はい。そうすれば、周りからも仲の良い関係だと見えますものね」
「あ、あぁ……。うん、そうだな」
ただ私は、まだ彼の好意を素直に受け止めることが出来なかった。もしかしたら、という疑いの気持ちが大きい。
でも少しずつ、気持ちは変化している。申し訳ないけれども、トルステン王子には私の気持ちが変化し切るまで付き合ってもらおう。
その代わり、私はトルステン王子を頑張って支える。この関係が続く限り全力で。
私の気持ちが完全に変化するまでは、もうしばらくビジネスライクな関係を続けていくつもりだ。
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