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第14話 ※バティステト視点
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「元婚約者のアルフレッド殿が?」
「はい。無理やりパーティーに乱入してきて、今はお嬢様が対応しています」
「わかった」
パーティーの最中、将軍たちと良い雰囲気で雑談していた時のこと。執事の報告を聞いた俺は、その場に居た方々の了承を得てから、持ち場を離れた。
向かう先は、エヴリーヌが対応しているという部屋。そこで2人が話し合っているらしい。
招待状を送っていない者が乱入してきて、パーティーを指揮して忙しい彼女が対応させられるなんて。アルフレッド殿は、明らかに常識の範疇を逸脱している。
扉の前に立った時、部屋の中から男性の声が聞こえてきた。その言葉を耳にして、扉を開けようとした俺の手が止まる。
「エヴリーヌ、俺ともう一度婚約してくれないか?」
まず怒りが湧いてきた。人の婚約者に向かって、何を勝手に。それから、心配する気持ちが湧いてきた。エヴリーヌは何と答えるのか。
再び婚約してくれ、というお願いなんて受け入れるワケがないと思った。だけど、彼女はしばらく黙ったまま。
ほんの僅かな時間だったと思う。だけど、その一瞬で恐怖する気持ちに襲われた。戦場でも久しく、こんな恐怖を抱いていないのに。
「それは、無理な話です。私はもう、バティステト様という相手が居ます。フィヨン侯爵家の人間になりましたから」
扉越しにその言葉を聞いた時に、心の底から安心した。全く無意味な心配だった。もっと彼女を信じるべきだなと、反省する。
部屋の中から、2人の会話が聞こえる。一方は興奮して、もう一方は迷惑そうに。早く助けに入ったほうが良さそうだ。
「人の婚約者を奪わないでもらおうか、アルフレッド殿」
「ッ! ……バティステト殿」
堂々とした気持ちで、宣言することが出来た。彼女は俺の婚約者であると。一生を共にする伴侶であることを。
それからのアルフレッド殿は、とても悪質で執念深かった。
コチラの言葉を無視して、自分の主張を押し通そうとする。エヴリーヌが再び婚約すると言うまで、粘り続けようとして。何を言っても話が通じない。これは無理だ。
話が通じないと分かったので、さっさと彼を屋敷から追い出すことにした。あまり使いたくない手段だが、腕力で無理やり。
エヴリーヌには社交界の知識や経験を惜しげもなく披露してもらい、フィヨン家の評価を高めてくれた。とても感謝している。
だから俺は全力を使って、エヴリーヌの生活を守ることにした。フィヨン家では、彼女が安心して暮らせるように。余計な面倒事は全て引き受けて、追い払ってやる。
それが、俺の役目なんだと理解した。
「はい。無理やりパーティーに乱入してきて、今はお嬢様が対応しています」
「わかった」
パーティーの最中、将軍たちと良い雰囲気で雑談していた時のこと。執事の報告を聞いた俺は、その場に居た方々の了承を得てから、持ち場を離れた。
向かう先は、エヴリーヌが対応しているという部屋。そこで2人が話し合っているらしい。
招待状を送っていない者が乱入してきて、パーティーを指揮して忙しい彼女が対応させられるなんて。アルフレッド殿は、明らかに常識の範疇を逸脱している。
扉の前に立った時、部屋の中から男性の声が聞こえてきた。その言葉を耳にして、扉を開けようとした俺の手が止まる。
「エヴリーヌ、俺ともう一度婚約してくれないか?」
まず怒りが湧いてきた。人の婚約者に向かって、何を勝手に。それから、心配する気持ちが湧いてきた。エヴリーヌは何と答えるのか。
再び婚約してくれ、というお願いなんて受け入れるワケがないと思った。だけど、彼女はしばらく黙ったまま。
ほんの僅かな時間だったと思う。だけど、その一瞬で恐怖する気持ちに襲われた。戦場でも久しく、こんな恐怖を抱いていないのに。
「それは、無理な話です。私はもう、バティステト様という相手が居ます。フィヨン侯爵家の人間になりましたから」
扉越しにその言葉を聞いた時に、心の底から安心した。全く無意味な心配だった。もっと彼女を信じるべきだなと、反省する。
部屋の中から、2人の会話が聞こえる。一方は興奮して、もう一方は迷惑そうに。早く助けに入ったほうが良さそうだ。
「人の婚約者を奪わないでもらおうか、アルフレッド殿」
「ッ! ……バティステト殿」
堂々とした気持ちで、宣言することが出来た。彼女は俺の婚約者であると。一生を共にする伴侶であることを。
それからのアルフレッド殿は、とても悪質で執念深かった。
コチラの言葉を無視して、自分の主張を押し通そうとする。エヴリーヌが再び婚約すると言うまで、粘り続けようとして。何を言っても話が通じない。これは無理だ。
話が通じないと分かったので、さっさと彼を屋敷から追い出すことにした。あまり使いたくない手段だが、腕力で無理やり。
エヴリーヌには社交界の知識や経験を惜しげもなく披露してもらい、フィヨン家の評価を高めてくれた。とても感謝している。
だから俺は全力を使って、エヴリーヌの生活を守ることにした。フィヨン家では、彼女が安心して暮らせるように。余計な面倒事は全て引き受けて、追い払ってやる。
それが、俺の役目なんだと理解した。
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