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第20話 謁見
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エリック王子から呼び出された。アンクティワンにも知らせてから準備を整えて、3人の仲間を引き連れて城へ向かった。
城の門番に話しかけると、すんなり中へ案内される。事前に話が通っていたようで、待たされることは一切なかった。
私たちがその部屋に案内されてすぐ、彼は現れた。
「よく来てくれた! 会えるのを楽しみに待っていたよ」
満面の笑みで、大仰な身振りのエリック王子。彼と会うのは、あのパーティー会場以来かしら。また会うことになるとは、思っていなかったわね。
私も笑顔を浮かべて対応する。これも仕事だと思って、割り切る。
「お初にお目にかかります、エリック王子殿下」
礼を失しないように挨拶。神殿で習った礼儀作法を思い出しながら、丁寧に。それに対して彼は笑顔で応えているのだが、どこか胡散臭い顔だと感じる。
私が、見慣れていないだけなのかしら。聖女だった頃、そんな顔を彼は私に見せなかったから。
「どうぞ、座ってくれ」
「失礼します」
テーブルを間に挟んで、向かい合って座る私たち。彼の従者らしき人物が、私たちの前にお茶を運んできた。そして、護衛の騎士が部屋の壁際に立っている。なんとも物々しい雰囲気。
あれぐらいなら、なんとか対処できそうかしら。もしも逃げる場合は、彼らをどうにかしないといけないけれど。
ナディーヌにチラッと視線を向けると、大丈夫だというように小さく頷いていた。彼女の判断でも、問題なさそうね。
でも、部屋の外にも兵士が待機しているかもしれないから。迂闊なことは出来ないわね。万が一の場合は、全力でやる。
「君たちの評判は聞いているよ。とても優秀らしいね」
「いえいえ、そんなことはありませんよ。まだまだ未熟者です」
謙遜する私の言葉に、楽しそうに笑うエリック王子。そんな反応を見ても、あまり良い印象を受けないのよね。
でも、ちゃんと記憶が消えていることを確認できてよかった。私と初めて出会ったという反応。あれが演技でなければ、魔法の効果はちゃんと発揮している。
思い出すような気配もないし、大丈夫そうね。確認しておきたかった事の一つは、無事に確認し終えた。
「ところで、ギルドを通して私たちを呼び出した理由は一体何でしょうか?」
もう一つの確認。彼と楽しくおしゃべりする気なんて一切ないので、さっさと本題に入らせてもらう。
「君は、最近の神殿の動きについて知っているかい?」
「……いえ、そんなに詳しくありませんわ」
急に神殿のことについて聞いてきたので、ドキッとした。私が聖女だった記憶を思い出した? でも、そういう素振りはない。
「実は、かなり不甲斐ない状況なんだよ。聖女も実力が落ちているようでね」
「はぁ、そうなのですか」
そういう話はジャメルから聞いている。神殿に依頼しても、なかなか動いてくれないとか何とか。特に最近は、依頼の成功率も下がり気味。でもどうしてエリック王子は、それを私に知らせるのか。
「神殿がそういう感じだから、彼女たちだけには任せておけない。そこで、代わりに別の頼れる人たちを探しているんだよ」
そう言って、エリック王子は私たちの顔をじーっと見てきた。私の反応を探るように、じっと。
城の門番に話しかけると、すんなり中へ案内される。事前に話が通っていたようで、待たされることは一切なかった。
私たちがその部屋に案内されてすぐ、彼は現れた。
「よく来てくれた! 会えるのを楽しみに待っていたよ」
満面の笑みで、大仰な身振りのエリック王子。彼と会うのは、あのパーティー会場以来かしら。また会うことになるとは、思っていなかったわね。
私も笑顔を浮かべて対応する。これも仕事だと思って、割り切る。
「お初にお目にかかります、エリック王子殿下」
礼を失しないように挨拶。神殿で習った礼儀作法を思い出しながら、丁寧に。それに対して彼は笑顔で応えているのだが、どこか胡散臭い顔だと感じる。
私が、見慣れていないだけなのかしら。聖女だった頃、そんな顔を彼は私に見せなかったから。
「どうぞ、座ってくれ」
「失礼します」
テーブルを間に挟んで、向かい合って座る私たち。彼の従者らしき人物が、私たちの前にお茶を運んできた。そして、護衛の騎士が部屋の壁際に立っている。なんとも物々しい雰囲気。
あれぐらいなら、なんとか対処できそうかしら。もしも逃げる場合は、彼らをどうにかしないといけないけれど。
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でも、部屋の外にも兵士が待機しているかもしれないから。迂闊なことは出来ないわね。万が一の場合は、全力でやる。
「君たちの評判は聞いているよ。とても優秀らしいね」
「いえいえ、そんなことはありませんよ。まだまだ未熟者です」
謙遜する私の言葉に、楽しそうに笑うエリック王子。そんな反応を見ても、あまり良い印象を受けないのよね。
でも、ちゃんと記憶が消えていることを確認できてよかった。私と初めて出会ったという反応。あれが演技でなければ、魔法の効果はちゃんと発揮している。
思い出すような気配もないし、大丈夫そうね。確認しておきたかった事の一つは、無事に確認し終えた。
「ところで、ギルドを通して私たちを呼び出した理由は一体何でしょうか?」
もう一つの確認。彼と楽しくおしゃべりする気なんて一切ないので、さっさと本題に入らせてもらう。
「君は、最近の神殿の動きについて知っているかい?」
「……いえ、そんなに詳しくありませんわ」
急に神殿のことについて聞いてきたので、ドキッとした。私が聖女だった記憶を思い出した? でも、そういう素振りはない。
「実は、かなり不甲斐ない状況なんだよ。聖女も実力が落ちているようでね」
「はぁ、そうなのですか」
そういう話はジャメルから聞いている。神殿に依頼しても、なかなか動いてくれないとか何とか。特に最近は、依頼の成功率も下がり気味。でもどうしてエリック王子は、それを私に知らせるのか。
「神殿がそういう感じだから、彼女たちだけには任せておけない。そこで、代わりに別の頼れる人たちを探しているんだよ」
そう言って、エリック王子は私たちの顔をじーっと見てきた。私の反応を探るように、じっと。
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