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第19話 呼び出し依頼
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「エリック王子からの呼び出し?」
「は、はい。ギルドから貴女たちへ必ず伝えるようにという上からの指示がありまして。……ごめんなさい」
順調に冒険者活動を続ける日々。今日も何か仕事がないか探すためにギルドへ来てみると、伝えられたのは予想外の内容だった。
私に伝えてくれたギルドの受付嬢は、申し訳なさそうな表情を浮かべている。彼女が悪いわけではないのに、謝らせてしまったわね。それから、ギルドの人たちはこの件を厄介事だと理解しているみたい。
面倒そうだけど、断るわけにはいかない。
「わかったわ。わざわざ、伝えてくれてありがとう」
「よろしくお願いします。……お気をつけて」
私の言葉にホッとした表情を浮かべた受付の女性は、深々と頭を下げて送り出してくれた。ということで、今回の件を拠点に持ち帰って皆で相談しよう。
「よろしいのですか?」
ギルドの建物から出た瞬間、護衛として一緒に来てくれていたナディーヌが確かめるような口調で聞いてくる。
「まだ、どうするかは決めていないわ。とりあえず、皆と相談ね」
「わかりました」
私の答えを聞くと、それ以上は何も言わずに隣を歩くナディーヌ。彼女の気遣いに感謝しつつ、私たちは帰路についた。
「ということで、呼び出しの件どうしましょう?」
「大丈夫なのでしょうか? あの男に関わると、また面倒なことになりません?」
ギルドで伝えられた内容を皆にも知らせた。私がどうしようか問いかけると、心配そうに質問してくるエミリー。できることなら私も、あの男には関わりたくはないのよね。
「ノエラ様は、私の命に代えても守ります」
覚悟を決めて言うのはナディーヌ。まだ、そこまで深刻な事態ではないんだけどね。
「相手の目的を知るためにも、話は聞きに行ったほうがいいだろうな」
ジャメルは、どうするべきかを冷静に考える。そして、呼び出しを受けるべきだという判断。まぁ、そうなるわよね。
「無視して、王国から逃げ出すってのは?」
「それも、ありだろう」
私の考えを伝えると、彼はすぐに肯定してくれる。王命ではなく依頼だから、どうするのかは私たちに委ねられている。その選択肢もありだと言ってくれる。けれど。
「その場合、ギルドとか他の冒険者に余計な圧力をかけられる、なんて可能性があるのよね……」
エリック王子の指示で、面倒なことになるかもしれないわ。相手が王族となると、慎重に対応しなくてはならない。対応によっては、いろいろな方面に迷惑ががかる。それは避けたい。
少し前なら気にならなかっただろう。けれど、私たちは知り合ってしまった。絆を育んでしまった。冒険者の知り合いたちを裏切ることは、したくない。
冒険者同士の雰囲気も、いい感じに変わってきている。より良い方向へ進んでいる。今このタイミングで私たちがかき乱してしまうと、もったいないことに。
当初は、適当に稼いでから別の国へ行く予定を考えていた。しかし、私がイメージしていたよりもギルドや冒険者の人たちは良い人たちが多かった。そんな彼ら彼女らと出会って、見捨てることは出来なくなってしまった。
つまり、私は逃げ出せない状況になっているということ。
「ということで、呼び出しを受けることにするわね」
私の判断に、皆が頷いてくれる。私が決めたら、それを優先して行動してくれる。もしかしたら危険かもしれないのに、それでもついて来てくれる仲間たち。本当にありがたいと思うし、嬉しいことだとも思う。
「万が一に備えて、色々と準備してから王城に乗り込みましょう」
「「「了解」」」
「は、はい。ギルドから貴女たちへ必ず伝えるようにという上からの指示がありまして。……ごめんなさい」
順調に冒険者活動を続ける日々。今日も何か仕事がないか探すためにギルドへ来てみると、伝えられたのは予想外の内容だった。
私に伝えてくれたギルドの受付嬢は、申し訳なさそうな表情を浮かべている。彼女が悪いわけではないのに、謝らせてしまったわね。それから、ギルドの人たちはこの件を厄介事だと理解しているみたい。
面倒そうだけど、断るわけにはいかない。
「わかったわ。わざわざ、伝えてくれてありがとう」
「よろしくお願いします。……お気をつけて」
私の言葉にホッとした表情を浮かべた受付の女性は、深々と頭を下げて送り出してくれた。ということで、今回の件を拠点に持ち帰って皆で相談しよう。
「よろしいのですか?」
ギルドの建物から出た瞬間、護衛として一緒に来てくれていたナディーヌが確かめるような口調で聞いてくる。
「まだ、どうするかは決めていないわ。とりあえず、皆と相談ね」
「わかりました」
私の答えを聞くと、それ以上は何も言わずに隣を歩くナディーヌ。彼女の気遣いに感謝しつつ、私たちは帰路についた。
「ということで、呼び出しの件どうしましょう?」
「大丈夫なのでしょうか? あの男に関わると、また面倒なことになりません?」
ギルドで伝えられた内容を皆にも知らせた。私がどうしようか問いかけると、心配そうに質問してくるエミリー。できることなら私も、あの男には関わりたくはないのよね。
「ノエラ様は、私の命に代えても守ります」
覚悟を決めて言うのはナディーヌ。まだ、そこまで深刻な事態ではないんだけどね。
「相手の目的を知るためにも、話は聞きに行ったほうがいいだろうな」
ジャメルは、どうするべきかを冷静に考える。そして、呼び出しを受けるべきだという判断。まぁ、そうなるわよね。
「無視して、王国から逃げ出すってのは?」
「それも、ありだろう」
私の考えを伝えると、彼はすぐに肯定してくれる。王命ではなく依頼だから、どうするのかは私たちに委ねられている。その選択肢もありだと言ってくれる。けれど。
「その場合、ギルドとか他の冒険者に余計な圧力をかけられる、なんて可能性があるのよね……」
エリック王子の指示で、面倒なことになるかもしれないわ。相手が王族となると、慎重に対応しなくてはならない。対応によっては、いろいろな方面に迷惑ががかる。それは避けたい。
少し前なら気にならなかっただろう。けれど、私たちは知り合ってしまった。絆を育んでしまった。冒険者の知り合いたちを裏切ることは、したくない。
冒険者同士の雰囲気も、いい感じに変わってきている。より良い方向へ進んでいる。今このタイミングで私たちがかき乱してしまうと、もったいないことに。
当初は、適当に稼いでから別の国へ行く予定を考えていた。しかし、私がイメージしていたよりもギルドや冒険者の人たちは良い人たちが多かった。そんな彼ら彼女らと出会って、見捨てることは出来なくなってしまった。
つまり、私は逃げ出せない状況になっているということ。
「ということで、呼び出しを受けることにするわね」
私の判断に、皆が頷いてくれる。私が決めたら、それを優先して行動してくれる。もしかしたら危険かもしれないのに、それでもついて来てくれる仲間たち。本当にありがたいと思うし、嬉しいことだとも思う。
「万が一に備えて、色々と準備してから王城に乗り込みましょう」
「「「了解」」」
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