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第22話 両者の利益 ※ウェヌスレッド視点
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そして、やって来たのが彼女だった。侯爵家の三男と婚約していたが、破棄したという話を聞いている。その後、色々あって彼女と僕が婚約するということになった。
部屋に入ってきた彼女が僕の顔を見て、一瞬固まった。よく見る反応だった。
「……シャロット・カナリニッジ、です」
その後すぐ、自己紹介してきた。その対応は、とても好ましい。
真面目そうな女性で、所作も綺麗。見た感じ、彼女に問題はなさそうで安心する。不安に思う必要はなさそうだ。それから、ちょっとした予感があった。彼女となら、上手くやれそうかも。
その後の話し合いも、スムーズに進んでいった。向こう側の要望、領主の仕事には口出しをしないでほしい、というのは僕にとってもメリットだった。余計な責任など背負わなくていい。大変な仕事は、彼女がやってくれるらしい。なんて好都合。
僕は、以前と同じような生活を続けることが出来る。
面倒な貴族社会から離れて、静かにひっそりと暮らす。そうしていいと許された。ならば、彼女と一緒になるのも大歓迎である。
シャロットとの関係は、どうするか。どこまで踏み込むか。
パートナーになる相手なら、仲良くしていきたい。関係を悪くして、この素晴らしい環境を手放すようなことはしたくない。彼女の方も、僕と付き合うことにメリットを感じているようだ。それなら、上手く利用してもらいたい。
お互いに利益のある関係になればいい。利用し合って、助け合っていくような関係でいたい。そうすれば、きっとうまくいくだろう。
シャロットとの関係が順調にいくように、気を遣おう。だから僕は、自分の事情や考えを素直に打ち明けた。
僕の一番の目標は、今の生き方を続けていけるようにすること。そのために、彼女との付き合いを大事にしていく。そういう考えで、シャロットとの関係がスタートした。
部屋に入ってきた彼女が僕の顔を見て、一瞬固まった。よく見る反応だった。
「……シャロット・カナリニッジ、です」
その後すぐ、自己紹介してきた。その対応は、とても好ましい。
真面目そうな女性で、所作も綺麗。見た感じ、彼女に問題はなさそうで安心する。不安に思う必要はなさそうだ。それから、ちょっとした予感があった。彼女となら、上手くやれそうかも。
その後の話し合いも、スムーズに進んでいった。向こう側の要望、領主の仕事には口出しをしないでほしい、というのは僕にとってもメリットだった。余計な責任など背負わなくていい。大変な仕事は、彼女がやってくれるらしい。なんて好都合。
僕は、以前と同じような生活を続けることが出来る。
面倒な貴族社会から離れて、静かにひっそりと暮らす。そうしていいと許された。ならば、彼女と一緒になるのも大歓迎である。
シャロットとの関係は、どうするか。どこまで踏み込むか。
パートナーになる相手なら、仲良くしていきたい。関係を悪くして、この素晴らしい環境を手放すようなことはしたくない。彼女の方も、僕と付き合うことにメリットを感じているようだ。それなら、上手く利用してもらいたい。
お互いに利益のある関係になればいい。利用し合って、助け合っていくような関係でいたい。そうすれば、きっとうまくいくだろう。
シャロットとの関係が順調にいくように、気を遣おう。だから僕は、自分の事情や考えを素直に打ち明けた。
僕の一番の目標は、今の生き方を続けていけるようにすること。そのために、彼女との付き合いを大事にしていく。そういう考えで、シャロットとの関係がスタートした。
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