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第39話 幸運の女神の加護を得た者
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幸運の女神の加護を得た者だなんて急に言われても、信じることは出来ないというのが率直な感想だった。つまり、彼らの信じている予言は間違っていると思う。
だって今まで、私の周りに居た人達は不幸な目に遭ってばかり。自分が原因だったとは思いたくない。けれど、幸運の女神の加護を得た者だったとしたら、そんなこと起きないと思う。
私の疑心に気が付いたのか、ラインヴァルトは語った。
「今までは、君を大切にしてこなかった。だから、運に恵まれなかった」
「大切にされなかった……」
自分の境遇を振り返ると、確かにその通りだと思う。決して丁寧な扱いではない。ラフォン家で私は、王子の婚約者としてしか望まれていなかった。貴族の娘として、それは当然なんだと思う。だけど、婚約破棄された瞬間に家を追い出されるなんて。
レナルド王子も、大切だと思ってくれなかっただろう。不運の原因はお前のせい、だと言われて婚約を破棄された。ラインヴァルトの言う通り、誰も私を大切にしてはくれなかった。
「これからは、俺達が君を守るよ。困らせたりしない。だから、安心してくれ」
ラインヴァルトが言う。ここまでの旅を思い出した。彼は、確かに私を気にかけてくれた。それは、とても嬉しかった。けれど、悲しさもあった。
ラインヴァルトは、目的があって私を大切にしてくれていた。だけど、その目的がなければどうしていたのか……。私が、幸運の女神の加護を得た者じゃなければ。
その疑問を彼に問いかけることは出来なかった。聞いても、彼は本心を答えることは出来ないだろう。だから、無駄な質問。
それに、本当の気持ちが聞けてしまった時、私はどうするべきなのか分からない。だから、ラインヴァルトには聞けなかった。
その後、ラインヴァルトと皇帝陛下は別の話題で会話を再開した。私は、その会話を邪魔しないように口を閉じて眺めていた。
二人の会話が終わると、会談は終了となった。謁見の間から退室した私は、緊張が解けて落ち着くことが出来た。
だって今まで、私の周りに居た人達は不幸な目に遭ってばかり。自分が原因だったとは思いたくない。けれど、幸運の女神の加護を得た者だったとしたら、そんなこと起きないと思う。
私の疑心に気が付いたのか、ラインヴァルトは語った。
「今までは、君を大切にしてこなかった。だから、運に恵まれなかった」
「大切にされなかった……」
自分の境遇を振り返ると、確かにその通りだと思う。決して丁寧な扱いではない。ラフォン家で私は、王子の婚約者としてしか望まれていなかった。貴族の娘として、それは当然なんだと思う。だけど、婚約破棄された瞬間に家を追い出されるなんて。
レナルド王子も、大切だと思ってくれなかっただろう。不運の原因はお前のせい、だと言われて婚約を破棄された。ラインヴァルトの言う通り、誰も私を大切にしてはくれなかった。
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ラインヴァルトが言う。ここまでの旅を思い出した。彼は、確かに私を気にかけてくれた。それは、とても嬉しかった。けれど、悲しさもあった。
ラインヴァルトは、目的があって私を大切にしてくれていた。だけど、その目的がなければどうしていたのか……。私が、幸運の女神の加護を得た者じゃなければ。
その疑問を彼に問いかけることは出来なかった。聞いても、彼は本心を答えることは出来ないだろう。だから、無駄な質問。
それに、本当の気持ちが聞けてしまった時、私はどうするべきなのか分からない。だから、ラインヴァルトには聞けなかった。
その後、ラインヴァルトと皇帝陛下は別の話題で会話を再開した。私は、その会話を邪魔しないように口を閉じて眺めていた。
二人の会話が終わると、会談は終了となった。謁見の間から退室した私は、緊張が解けて落ち着くことが出来た。
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