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第5話 大ファン ※とある公爵家当主視点
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ある日、次男のウォルトンが興奮した様子で教えてくれた。
「父上! ハルトマイヤー公爵家のフェリクス殿が主催するパーティーは噂通りで、とても素晴らしかったですよ!」
「そうなのか、ウォルトン?」
ハルトマイヤー公爵家からパーティーの招待状が届いた。残念ながらパーティーが開催される日は他の用事があって行けない。なので、その招待を断ろうと思った。
すると珍しく、次男のウォルトンが参加してみたいと言い出した。
普段は貴族の交流にも興味が薄く、公爵家の財産や権力などにも無関心だった彼。それが、貴族が主催するパーティーに参加してみたいと言い出したことに驚いた。
どうして参加したいのか。詳しく話を聞いてみると、どうやら最近ハルトマイヤー公爵家の主催するパーティーが評判になっているらしい。それで興味があるという。ウォルトンが興味を持つほどなので、少し珍しいパーティーなのかもしれない。
なので今回は、ウォルトンを参加させてみることにした。主催者に連絡を取って、ぜひお越しくださいという返事があったので彼に任せてみることに。
貴族の世界には興味がない彼だが、貴族としてのマナーはちゃんと教育している。立派に代理人を務めてくれるはずだ。ウォルトンに任せても、心配は無かった。
その結果、どうやら良かったみたいだ。
「はい! 実に楽しくて有意義な時間でした。会場は細部にまでこだわって、とても芸術的な演出と料理! 洗練された音楽とダンス! そして素敵で素晴らしい絵画とインテリアの数々! とても居心地が良くて、いつまでも居たいと思える雰囲気! 参加してよかったと思えるパーティーは、あれが初めてです! あんなパーティーが開かれているのであれば、もっと早くに参加すれば良かったと後悔していますよ」
ウォルトンの興奮は収まらない。ハルトマイヤー公爵家のパーティーに参加をしてみた感想を、身振り手振りを交えて教えてくれる。
「ほう、それほど凄いのか」
「父上も一度行かれてみてはいかがですか? きっと気に入ると思いますよ!」
ウォルトンの言葉を聞いて、かなり興味を持った。招待状が届いたら、今度は私が妻と一緒に参加してみようと思った。
それからウォルトンは、相変わらず貴族の交流には興味が無いままである。だけどハルトマイヤー公爵家のパーティーには頻繁に参加して楽しんでいた。そして、私や妻も参加してみたら、とても気に入った。
「父上! ハルトマイヤー公爵家のフェリクス殿が主催するパーティーは噂通りで、とても素晴らしかったですよ!」
「そうなのか、ウォルトン?」
ハルトマイヤー公爵家からパーティーの招待状が届いた。残念ながらパーティーが開催される日は他の用事があって行けない。なので、その招待を断ろうと思った。
すると珍しく、次男のウォルトンが参加してみたいと言い出した。
普段は貴族の交流にも興味が薄く、公爵家の財産や権力などにも無関心だった彼。それが、貴族が主催するパーティーに参加してみたいと言い出したことに驚いた。
どうして参加したいのか。詳しく話を聞いてみると、どうやら最近ハルトマイヤー公爵家の主催するパーティーが評判になっているらしい。それで興味があるという。ウォルトンが興味を持つほどなので、少し珍しいパーティーなのかもしれない。
なので今回は、ウォルトンを参加させてみることにした。主催者に連絡を取って、ぜひお越しくださいという返事があったので彼に任せてみることに。
貴族の世界には興味がない彼だが、貴族としてのマナーはちゃんと教育している。立派に代理人を務めてくれるはずだ。ウォルトンに任せても、心配は無かった。
その結果、どうやら良かったみたいだ。
「はい! 実に楽しくて有意義な時間でした。会場は細部にまでこだわって、とても芸術的な演出と料理! 洗練された音楽とダンス! そして素敵で素晴らしい絵画とインテリアの数々! とても居心地が良くて、いつまでも居たいと思える雰囲気! 参加してよかったと思えるパーティーは、あれが初めてです! あんなパーティーが開かれているのであれば、もっと早くに参加すれば良かったと後悔していますよ」
ウォルトンの興奮は収まらない。ハルトマイヤー公爵家のパーティーに参加をしてみた感想を、身振り手振りを交えて教えてくれる。
「ほう、それほど凄いのか」
「父上も一度行かれてみてはいかがですか? きっと気に入ると思いますよ!」
ウォルトンの言葉を聞いて、かなり興味を持った。招待状が届いたら、今度は私が妻と一緒に参加してみようと思った。
それからウォルトンは、相変わらず貴族の交流には興味が無いままである。だけどハルトマイヤー公爵家のパーティーには頻繁に参加して楽しんでいた。そして、私や妻も参加してみたら、とても気に入った。
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