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旦那様は赤面する

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よし、ソフィアいいこと?ちゃんと旦那様に話すのよ。


夕食を終え寝室で私はソワソワと落ち着きなく待機していました。


旦那様と夕食時に話そうと思ったのですが、チラチラとお互い視線を送り合うだけで照れてしまい、更に使用人達の生温かい視線も相まって切り出せなかったのです。


...人前でするような話でもないものね。


夕食後に旦那様はすぐに自室へと戻ってしまい、今に至ります。


「...ソフィア、どうした?」


寝室に入ってきた旦那様は、私が正座をしていたからか驚いた様子です。


「旦那様、お話があります」


「あ、あぁ」


旦那様は戸惑いながらも私の隣に腰掛けます。そして、正座をしてちょこんと座り直しました。


か、かわいいっ...!


旦那様と正座があまりにも不釣り合いで、思わず私はあまりの可愛さに笑ってしまいました。


「何がおかしいのだ?」


旦那様は訳がわからないと言う風に首を傾げ、不思議そうに私を見ています。


その姿も愛らしくて、私は気を抜くと緩みそうな頬を引き締めて旦那様と向かい合いました。


「旦那様は、足を楽にされてください」


「ソフィアがそうするから私も同じようにしたのだが...」


ダメだったか?と子犬のような目で見られたら何も言えません。ただただ可愛いという言葉しか出てきません。


「か、可愛...うゔん、旦那様。では、このまま話をさせていただきます」


旦那様の目を見つめる。今までずっと、避けてきた話題だった。私達は政略結婚だったから。


「旦那様は、私のことがお好きですか...?」


「なっ...、何を言っている」


「私はずっと旦那様の事が好きでした。結婚が決まる前からずっと、密かに旦那様に憧れていたのです。家が没落寸前になった時、もう旦那様にお会いできないのかと思うと辛かった...」


あの時の感情を思い出し、思わず胸が苦しくなりました。


「だから、結婚相手が貴方だと知って、とても嬉しかった。旦那様、政略結婚とは言え私は貴方のことが大好きなのです。だから触れて欲しいと思いますし、はしたないと思われるのを承知で言いますが...旦那様のものにして欲しいと思っています」


顔が熱くなるのを感じ、俯きました。恥ずかしい、恥ずかしい。でも、伝えたかったのです。


旦那様が私に手を出さないのは、もしかしたら私にそこまでの気持ちがないからかもしれない。お優しい旦那様の事だから、没落寸前の私を哀れに思ってくださったのかもしれない。没落寸前となるという噂はすぐに広まるものだから。


例え今は気持ちがなくても、これから私自身のことを好きになって欲しい。触れたい、触れて欲しい。


そっと視線を旦那様に移すと、目を大きく見開き、口を手で覆って赤面する旦那様がいました。

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