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旦那様は甘いものがお好き
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「奥様、おはようございます」
「おはよう、セリア。今日もよろしくね」
「もちろんです。さて、では今日は愛情たっぷりのカップケーキを作りましょう」
厨房に入ると、料理を担当しているコックのセリアが笑顔で迎えてくれました。
旦那様が甘党だと気付いたのは、パーティーで旦那様を見かけた時のことです。
男性は甘いものが苦手だと思っていた私は、クッキーを美味しそうに食べている旦那様を見て衝撃を受けました。
か、かわいい...!
隅の方にいるから誰も見ていないと思ったのでしょうか、少しだけ周りを気にしながらもクッキーを食べていたのです。
背が高く体格がいい旦那様。そして可愛らしいお菓子。その不釣り合いな姿が余計に可愛らしくて。
それを知ってから、料理が全くできなかった私は、せめてお菓子だけでも作れるようになりたいと考えて日々特訓しているのです。
セリアは手際が悪い私に嫌な顔一つせずに丁寧に教えてくれる、とても優しく頼りになる存在です。
初めて自分で作ったお菓子を旦那様に渡した時、何故甘党だと知っているんだと動揺しながらも嬉しそうに「ありがとう」と言ってくれたあの笑顔が忘れられなくて。
あの日からさらにお菓子作りに精を出すようになりました。
毎日糖分を摂取するのは身体に悪いので、月に数回だけ作って旦那様に渡すのです。
「奥様、かなり腕を上げられましたね!素晴らしい出来です」
「セリアが教えるのが上手だからよ。ありがとう」
手のひらサイズのカップケーキは、紅茶やチョコレートなど色んな種類を作ってみました。
旦那様、喜んでくれるかしら。想像するだけでも嬉しくなります。
「旦那様、おかえりなさい」
「ただいま、ソフィア...どうかしたか?」
いつもよりソワソワしているからでしょうか。不思議そうに旦那様が私を見ました。
「ふふっ、こちらに来てください」
私は旦那様の手を引いてダイニングに置いてあるカップケーキの側まで連れて行きます。
「いい匂いだな」
部屋に入った瞬間、旦那様の顔が綻ぶのがわかりました。
「カップケーキを作ったんです。旦那様、食べてくださいっ」
「いいのか?」
旦那様は目を輝かせてカップケーキを一口口に運びました。
「うん、おいしいよ」
旦那様がとたんに笑顔になりました。
そう、この顔が見たかったのです。
ふと旦那様は私の顔をじぃっと見てきました。
旦那様に見つめられることに慣れない私は、なんだか恥ずかしくなってぱっと目を逸らしてしまいました。
「どっ、どうされたのですか?」
「...ソフィア、ありがとう」
旦那様...?
いつもはそんな事は言わないのに、急にどうしたのでしょうか。
再び旦那様の方を見ると、とても幸せそうに私を見ていました。
とくんっと胸が鳴ります。
「嬉しいよ。毎日見送りや出迎えをしてくれて、こうして私が好きなものを一生懸命作ってくれて」
あまりにも嬉しそうに話されるので、なんだか私は泣きそうになりました。
感謝しているのは私の方です。没落寸前の私を助けてくださって、家の援助までしてくださる。
あなたにとって私がどう映るのか、どうして結婚してくださったのか今まで怖くて聞けなかったけれど、もういいのです。
今、とても幸せだから。
「私は旦那様と結婚できて幸せです」
そう言って笑うと、旦那様は照れたように笑いました。
...これはいいのではないでしょうか。
「旦那様」
「ん?どうした?」
「どうぞ」
「?」
首を傾げる旦那様も可愛くていいですね。
「キス、いつでもどうぞっ」
「なっ...、、!?」
旦那様は顔を真っ赤にしてぱくぱくと口を開けて考える様子を見せたかと思うと、チュッと一瞬触れるだけのキスをしました。
「こ、これでいいか」
「はい」
今日も可愛い旦那様なのです。
「おはよう、セリア。今日もよろしくね」
「もちろんです。さて、では今日は愛情たっぷりのカップケーキを作りましょう」
厨房に入ると、料理を担当しているコックのセリアが笑顔で迎えてくれました。
旦那様が甘党だと気付いたのは、パーティーで旦那様を見かけた時のことです。
男性は甘いものが苦手だと思っていた私は、クッキーを美味しそうに食べている旦那様を見て衝撃を受けました。
か、かわいい...!
隅の方にいるから誰も見ていないと思ったのでしょうか、少しだけ周りを気にしながらもクッキーを食べていたのです。
背が高く体格がいい旦那様。そして可愛らしいお菓子。その不釣り合いな姿が余計に可愛らしくて。
それを知ってから、料理が全くできなかった私は、せめてお菓子だけでも作れるようになりたいと考えて日々特訓しているのです。
セリアは手際が悪い私に嫌な顔一つせずに丁寧に教えてくれる、とても優しく頼りになる存在です。
初めて自分で作ったお菓子を旦那様に渡した時、何故甘党だと知っているんだと動揺しながらも嬉しそうに「ありがとう」と言ってくれたあの笑顔が忘れられなくて。
あの日からさらにお菓子作りに精を出すようになりました。
毎日糖分を摂取するのは身体に悪いので、月に数回だけ作って旦那様に渡すのです。
「奥様、かなり腕を上げられましたね!素晴らしい出来です」
「セリアが教えるのが上手だからよ。ありがとう」
手のひらサイズのカップケーキは、紅茶やチョコレートなど色んな種類を作ってみました。
旦那様、喜んでくれるかしら。想像するだけでも嬉しくなります。
「旦那様、おかえりなさい」
「ただいま、ソフィア...どうかしたか?」
いつもよりソワソワしているからでしょうか。不思議そうに旦那様が私を見ました。
「ふふっ、こちらに来てください」
私は旦那様の手を引いてダイニングに置いてあるカップケーキの側まで連れて行きます。
「いい匂いだな」
部屋に入った瞬間、旦那様の顔が綻ぶのがわかりました。
「カップケーキを作ったんです。旦那様、食べてくださいっ」
「いいのか?」
旦那様は目を輝かせてカップケーキを一口口に運びました。
「うん、おいしいよ」
旦那様がとたんに笑顔になりました。
そう、この顔が見たかったのです。
ふと旦那様は私の顔をじぃっと見てきました。
旦那様に見つめられることに慣れない私は、なんだか恥ずかしくなってぱっと目を逸らしてしまいました。
「どっ、どうされたのですか?」
「...ソフィア、ありがとう」
旦那様...?
いつもはそんな事は言わないのに、急にどうしたのでしょうか。
再び旦那様の方を見ると、とても幸せそうに私を見ていました。
とくんっと胸が鳴ります。
「嬉しいよ。毎日見送りや出迎えをしてくれて、こうして私が好きなものを一生懸命作ってくれて」
あまりにも嬉しそうに話されるので、なんだか私は泣きそうになりました。
感謝しているのは私の方です。没落寸前の私を助けてくださって、家の援助までしてくださる。
あなたにとって私がどう映るのか、どうして結婚してくださったのか今まで怖くて聞けなかったけれど、もういいのです。
今、とても幸せだから。
「私は旦那様と結婚できて幸せです」
そう言って笑うと、旦那様は照れたように笑いました。
...これはいいのではないでしょうか。
「旦那様」
「ん?どうした?」
「どうぞ」
「?」
首を傾げる旦那様も可愛くていいですね。
「キス、いつでもどうぞっ」
「なっ...、、!?」
旦那様は顔を真っ赤にしてぱくぱくと口を開けて考える様子を見せたかと思うと、チュッと一瞬触れるだけのキスをしました。
「こ、これでいいか」
「はい」
今日も可愛い旦那様なのです。
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