4 / 5
1:ここには
残り
しおりを挟む
もうすぐ夏休みだと浮かれてるのは、勿論、僕だけじゃなくて。なんなら僕より教室にいる人達の方が浮かれてる。見てみろよ。野球の猿なんか空気椅子してる。
それは同時に期末試験の訪れを物語っている。自分でいうのもなんだが成績は悪い方じゃない。このまま行けばどっかのなんかの私立大学には推薦で入れるだろう。
まあ後二週間あるし、どうにかなるだろうムード漂っているこの部屋を出て飲み物を買いに外二階の自動販売機に向かった。有難いことにクーラーこそついている7月の教室だが、喉は渇く。
二階の外廊下端にある一台の自動販売機は、この時期らしい品揃えだ。スカッとするような炭酸飲料、夏果物使った新作ジュース、そしてこちらは気温と平行して売れ切れていったスポーツ飲料。 残念ながら僕は決まって550ミリリットルのお茶だ。他のは売り切れになりつつあるのに君はいつもいるな。
あ、似てるな。僕と。
中学までの友達も知り合いもいないこの高校で、新たに人脈を作るのは難しく、友達‼と呼べる人は誰もいないまま、季節は一巡して高二にいたる。だからと不自由ないし、ずっとこんな独り言頭で呟いてるもんだから余計だ。
会話するとしたら四人班とか………とか………プリントの…時は返事か……………。どうでもいい担任との方がまだ話をしているだろう。
困るとしたら班決めで、余るのが僕の役目になっている。勿論、しっかり役目を果たしているが。しょうがなく余りが入るに相応しい集団の班にぶちこまれるのがお決まりだ。これが一日で終わればいいが、数日数回同じ班だと気まずいったらありゃりゃだ。
そんなもんだから、取り合いにならない僕とそのお茶が似てるねって話だか、そもそも考えれば君は有名企業の商品、片や僕は一般家庭生まれ。位が違う。たががお茶に敗北感をつけられたもんだから、少し乱暴にペットボトルをふって、中の茶っ葉を混ぜた。
混乱してるみたいなその茶っ葉はまた僕に似てる、のかな。
それは同時に期末試験の訪れを物語っている。自分でいうのもなんだが成績は悪い方じゃない。このまま行けばどっかのなんかの私立大学には推薦で入れるだろう。
まあ後二週間あるし、どうにかなるだろうムード漂っているこの部屋を出て飲み物を買いに外二階の自動販売機に向かった。有難いことにクーラーこそついている7月の教室だが、喉は渇く。
二階の外廊下端にある一台の自動販売機は、この時期らしい品揃えだ。スカッとするような炭酸飲料、夏果物使った新作ジュース、そしてこちらは気温と平行して売れ切れていったスポーツ飲料。 残念ながら僕は決まって550ミリリットルのお茶だ。他のは売り切れになりつつあるのに君はいつもいるな。
あ、似てるな。僕と。
中学までの友達も知り合いもいないこの高校で、新たに人脈を作るのは難しく、友達‼と呼べる人は誰もいないまま、季節は一巡して高二にいたる。だからと不自由ないし、ずっとこんな独り言頭で呟いてるもんだから余計だ。
会話するとしたら四人班とか………とか………プリントの…時は返事か……………。どうでもいい担任との方がまだ話をしているだろう。
困るとしたら班決めで、余るのが僕の役目になっている。勿論、しっかり役目を果たしているが。しょうがなく余りが入るに相応しい集団の班にぶちこまれるのがお決まりだ。これが一日で終わればいいが、数日数回同じ班だと気まずいったらありゃりゃだ。
そんなもんだから、取り合いにならない僕とそのお茶が似てるねって話だか、そもそも考えれば君は有名企業の商品、片や僕は一般家庭生まれ。位が違う。たががお茶に敗北感をつけられたもんだから、少し乱暴にペットボトルをふって、中の茶っ葉を混ぜた。
混乱してるみたいなその茶っ葉はまた僕に似てる、のかな。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
私は私で勝手に生きていきますから、どうぞご自由にお捨てになってください。
木山楽斗
恋愛
伯爵令嬢であるアルティリアは、婚約者からある日突然婚約破棄を告げられた。
彼はアルティリアが上から目線だと批判して、自らの妻として相応しくないと判断したのだ。
それに対して不満を述べたアルティリアだったが、婚約者の意思は固かった。こうして彼女は、理不尽に婚約を破棄されてしまったのである。
そのことに関して、アルティリアは実の父親から責められることになった。
公にはなっていないが、彼女は妾の子であり、家での扱いも悪かったのだ。
そのような環境で父親から責められたアルティリアの我慢は限界であった。伯爵家に必要ない。そう言われたアルティリアは父親に告げた。
「私は私で勝手に生きていきますから、どうぞご自由にお捨てになってください。私はそれで構いません」
こうしてアルティリアは、新たなる人生を送ることになった。
彼女は伯爵家のしがらみから解放されて、自由な人生を送ることになったのである。
同時に彼女を虐げていた者達は、その報いを受けることになった。彼らはアルティリアだけではなく様々な人から恨みを買っており、その立場というものは盤石なものではなかったのだ。
前世の祖母に強い憧れを持ったまま生まれ変わったら、家族と婚約者に嫌われましたが、思いがけない面々から物凄く好かれているようです
珠宮さくら
ファンタジー
前世の祖母にように花に囲まれた生活を送りたかったが、その時は母にお金にもならないことはするなと言われながら成長したことで、母の言う通りにお金になる仕事に就くために大学で勉強していたが、彼女の側には常に花があった。
老後は、祖母のように暮らせたらと思っていたが、そんな日常が一変する。別の世界に子爵家の長女フィオレンティーナ・アルタヴィッラとして生まれ変わっても、前世の祖母のようになりたいという強い憧れがあったせいか、前世のことを忘れることなく転生した。前世をよく覚えている分、新しい人生を悔いなく過ごそうとする思いが、フィオレンティーナには強かった。
そのせいで、貴族らしくないことばかりをして、家族や婚約者に物凄く嫌われてしまうが、思わぬ方面には物凄く好かれていたようだ。
茶番には付き合っていられません
わらびもち
恋愛
私の婚約者の隣には何故かいつも同じ女性がいる。
婚約者の交流茶会にも彼女を同席させ仲睦まじく過ごす。
これではまるで私の方が邪魔者だ。
苦言を呈しようものなら彼は目を吊り上げて罵倒する。
どうして婚約者同士の交流にわざわざ部外者を連れてくるのか。
彼が何をしたいのかさっぱり分からない。
もうこんな茶番に付き合っていられない。
そんなにその女性を傍に置きたいのなら好きにすればいいわ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる