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六階 主天使
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「見ていて楽しい?」
「む?楽しいに決まっておろう!」
豪快に笑う。家が揺れているような気がする。気のせいだと思いたいけど。三角関係にはなってないけど…ってなってるか?
「うむ、私の読んだ小説では三角関係と呼ばれていたぞ?」
「そうだ…この神、小説好きなんだった。」
「そうだぞ?一応女神だからな!」
「ああ、そういう設定でした」
「設定?女神と呼ばれているのだから、設定も何も無かろう?」
女神は手を打つと、笑夢と美香に面を上げ!と言った。二人はやっと体制を変えることが出来た。うん、忘れてたね。完全に。
「小僧、お前と話すのが楽しくてな!ついつい忘れてしまったわ!」
「二人とも…本当にごめん。」
「いつもの事ですから、気にしないでくださいね?」
「そうですわ!別にいつも顔を上げる事なんてないですわよ?」
「かわいそうじゃない?」
「そうか?小僧が言うなら、表を上げながら話を聞くことを許そうか!」
いや、軽すぎ!!なんのために頭下げさせてたのよ?!威厳が出るからとか言いそうだな?違うな…あれか?小説の読みすぎで感化されているタイプか?!
「そうだな?そういう事もあるかもしれないな?」
「本当なんだ?!」
「そうだな。昔から何故かあった制度だからな?私も知らんのだ」
そうですか。そういえば何?ここに来たのは楽しみに来ただけ?天使連れて帰るとかじゃなくて?
「そうだな、ここに私が来たのは…どうなっているか見に来ただけだ」
「そうなんだ?」
「後、小僧、お前がどちらを取るか気になっただけだ」
「うん?笑夢だって言ったはずだけど…」
「そうか?それなら、片方は連れて帰るぞ?」
う~ん…それはどうなんだろう?神になるために修行で来たのに、神の気分によって連れて帰られるのは問題な気がする。
「うん?どこが問題なんだ?話して見せよ?」
「条件だけ提示して、おもちゃにしている感じにならない?」
「なるほど?それで?」
「天使は使いなのかもしれないけど、それは流石に考えなさすぎかな?って」
「ふむ…でも、お前は困るのだろう?」
「笑夢以外に愛を向ける気はないけど…それでもいいならここに居ても問題ないかな?って」
「まさか…お前、二人とも娶る気ではなかろうな?」
「そんな気はないよ?二人同時に愛せる程器用じゃないし」
「二人同時に愛せればいい、と?」
「う~ん…そういうわけではないんだけど」
二人同時に愛せたとしても。愛を平等に渡せるわけじゃない。選べる状況にあるのはとても幸せな事だとは思うけど…選ばなきゃいけない。片方が悲しくなってしまうような結果にはさせたくない。
「ははは!お前は本当に面白い!」
俺は決断することにしたけど。笑夢と一緒に居るって。それでも、手伝う事ぐらいはできると思う。俺がもし、優しさの塊なんだとしたら、俺に寄ってくる人だって優しさの塊のはずだから。
「お前の運はこういったところにしか発揮しなかった」
「俺の運?」
「天使が二人も惚れて、神が目の前に現れる。それだけでどれだけの運を使うと思う?」
「えぇ…もしかしてこの後、ついてない?」
「そういうわけではない。お前は持って生まれた運の総合値が高すぎるのだ」
「へぇ…今まで避けられてたけど?」
「それは仕方のない事だな、殆どの人間とは相容れないようになっている」
うわぁ…俺の努力無駄だったのかい!!どうしてくれるん?!返してよ…俺の努力!!
「まぁ待て、だが、お前の周りに居る人物はお前と同程度の人物になるだろうな?」
と言う事は…ルトと智一は同程度なのか?美香はあんまり気乗りしない言い方をしていたけど…
「そやつは天使の最下層だ。実際に見極めるのは笑夢程経験がないと無理であろう」
「ああ、だから俺に送り付けたの?」
「それもある。ただ、ほんの一理でしかない。惚れた相手の元に降ろしてやるのが一番よかろう?」
そっか…そうだよね。天使にも惚れたという感情があるのに、自分が思った人と異なる人物の元に降ろしても仕方ないか。
「だから、やはりクローンを作って…」
「待って!日本じゃ禁忌だから!それでもいいの?!」
「わたくしは構いませんけれども…」
「違うじゃん?!そういう感じじゃないじゃん?!」
「全く同じ人間を作るのは造作もないが、世界に与える影響が大きすぎるからな?」
「じゃあやめようね?!」
「そうだな、お前が手伝ってやれ、小僧」
「信頼が分厚いね…会ったばかりなのに」
「うん?会ったばかりではないぞ?お前が生まれた後から会っているからな?」
「えぇぇぇ?!」
神は頷いて答える。そんなことあるの?俺、神を見ていたって事?神って全員等しく見えるのかな?
「ははは!そうだな、適正を持っていないと見えないぞ?」
「はぁ…天使も…?」
「そういう事だな。」
ここに来て新事実。じゃあ、天使を連れてても問題なかったのか?いや、ダメだろ。だって、俺…見えない人に話しかける危ない人になっちゃうじゃん!
「む?楽しいに決まっておろう!」
豪快に笑う。家が揺れているような気がする。気のせいだと思いたいけど。三角関係にはなってないけど…ってなってるか?
「うむ、私の読んだ小説では三角関係と呼ばれていたぞ?」
「そうだ…この神、小説好きなんだった。」
「そうだぞ?一応女神だからな!」
「ああ、そういう設定でした」
「設定?女神と呼ばれているのだから、設定も何も無かろう?」
女神は手を打つと、笑夢と美香に面を上げ!と言った。二人はやっと体制を変えることが出来た。うん、忘れてたね。完全に。
「小僧、お前と話すのが楽しくてな!ついつい忘れてしまったわ!」
「二人とも…本当にごめん。」
「いつもの事ですから、気にしないでくださいね?」
「そうですわ!別にいつも顔を上げる事なんてないですわよ?」
「かわいそうじゃない?」
「そうか?小僧が言うなら、表を上げながら話を聞くことを許そうか!」
いや、軽すぎ!!なんのために頭下げさせてたのよ?!威厳が出るからとか言いそうだな?違うな…あれか?小説の読みすぎで感化されているタイプか?!
「そうだな?そういう事もあるかもしれないな?」
「本当なんだ?!」
「そうだな。昔から何故かあった制度だからな?私も知らんのだ」
そうですか。そういえば何?ここに来たのは楽しみに来ただけ?天使連れて帰るとかじゃなくて?
「そうだな、ここに私が来たのは…どうなっているか見に来ただけだ」
「そうなんだ?」
「後、小僧、お前がどちらを取るか気になっただけだ」
「うん?笑夢だって言ったはずだけど…」
「そうか?それなら、片方は連れて帰るぞ?」
う~ん…それはどうなんだろう?神になるために修行で来たのに、神の気分によって連れて帰られるのは問題な気がする。
「うん?どこが問題なんだ?話して見せよ?」
「条件だけ提示して、おもちゃにしている感じにならない?」
「なるほど?それで?」
「天使は使いなのかもしれないけど、それは流石に考えなさすぎかな?って」
「ふむ…でも、お前は困るのだろう?」
「笑夢以外に愛を向ける気はないけど…それでもいいならここに居ても問題ないかな?って」
「まさか…お前、二人とも娶る気ではなかろうな?」
「そんな気はないよ?二人同時に愛せる程器用じゃないし」
「二人同時に愛せればいい、と?」
「う~ん…そういうわけではないんだけど」
二人同時に愛せたとしても。愛を平等に渡せるわけじゃない。選べる状況にあるのはとても幸せな事だとは思うけど…選ばなきゃいけない。片方が悲しくなってしまうような結果にはさせたくない。
「ははは!お前は本当に面白い!」
俺は決断することにしたけど。笑夢と一緒に居るって。それでも、手伝う事ぐらいはできると思う。俺がもし、優しさの塊なんだとしたら、俺に寄ってくる人だって優しさの塊のはずだから。
「お前の運はこういったところにしか発揮しなかった」
「俺の運?」
「天使が二人も惚れて、神が目の前に現れる。それだけでどれだけの運を使うと思う?」
「えぇ…もしかしてこの後、ついてない?」
「そういうわけではない。お前は持って生まれた運の総合値が高すぎるのだ」
「へぇ…今まで避けられてたけど?」
「それは仕方のない事だな、殆どの人間とは相容れないようになっている」
うわぁ…俺の努力無駄だったのかい!!どうしてくれるん?!返してよ…俺の努力!!
「まぁ待て、だが、お前の周りに居る人物はお前と同程度の人物になるだろうな?」
と言う事は…ルトと智一は同程度なのか?美香はあんまり気乗りしない言い方をしていたけど…
「そやつは天使の最下層だ。実際に見極めるのは笑夢程経験がないと無理であろう」
「ああ、だから俺に送り付けたの?」
「それもある。ただ、ほんの一理でしかない。惚れた相手の元に降ろしてやるのが一番よかろう?」
そっか…そうだよね。天使にも惚れたという感情があるのに、自分が思った人と異なる人物の元に降ろしても仕方ないか。
「だから、やはりクローンを作って…」
「待って!日本じゃ禁忌だから!それでもいいの?!」
「わたくしは構いませんけれども…」
「違うじゃん?!そういう感じじゃないじゃん?!」
「全く同じ人間を作るのは造作もないが、世界に与える影響が大きすぎるからな?」
「じゃあやめようね?!」
「そうだな、お前が手伝ってやれ、小僧」
「信頼が分厚いね…会ったばかりなのに」
「うん?会ったばかりではないぞ?お前が生まれた後から会っているからな?」
「えぇぇぇ?!」
神は頷いて答える。そんなことあるの?俺、神を見ていたって事?神って全員等しく見えるのかな?
「ははは!そうだな、適正を持っていないと見えないぞ?」
「はぁ…天使も…?」
「そういう事だな。」
ここに来て新事実。じゃあ、天使を連れてても問題なかったのか?いや、ダメだろ。だって、俺…見えない人に話しかける危ない人になっちゃうじゃん!
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